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あの場所

今、高校の時の通学路に座り君と話をしている。

一年前この世界を自らの手によって旅立った。

君と。 そこは辺り一面がたんぼで地平線が見えそうなくらい広くて、向こうの方には大きな橋がかかっている。温かい日光を全身で受けとめて、一日中昼寝でもしたくなる。ここはこの世界でたった一ヶ所の君と話ができる場所。自らの手でこの世界を旅立った君に会える場所。

この風が君の声を運んでくれて鳥や虫達が僕に伝えてくれて太陽がそんな二人を優しく見守ってくれる。

そんな場所。

そう信じれる場所。

僕は何かに悩んだり、自分が嫌になった時、ここでタバコを吸いながら君と話す。

今日も大学をさぼりここに来て君と話している。

君と話したら悩みなんてどうでもよくなってほんのすこしだけど、気持ちが楽になった、

「ありがとう。またくるね」

といながらここを離れた。その時風が吹き抜けて、

「バイバイ。」

って返事が聞こえた。

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