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おもいのままに

山のあなたへ

作者: ゆず


あなたと私は正反対



あなたは山


いつでも堂々としている


でも木々の葉の色のおかげで


威圧感がないの


夏は青々としていて秋はだんだんと真っ赤にもゆる


ふゆは葉がなくなって少しさみしそうだけど


春になればやさしい緑色の葉っぱに彩られる


そのときに応じて臨機応変に変化するけど


いつも変わらず海をみおろしている


海は絶えず波がおこっている


いつも一定のリズムでおこるならいいけど


天気によっていつも不安定


おだやかなときもあれば荒れ狂うときもある


とっても気分屋


あたしみたいだね


でも天気がそうさせているのだから


コントロールが効かないの


だからわがままでは、ないんだよ


いつも不安定だけど


地上からは決して見ることのできない


深ーい深ーいところまで見ることができるんだよ



山はいつも海を見下ろし


海はいつも山を見上げてる


お互い見つめあってるんだね


私が不安定でもいつもそこにあなたがいる




出会って半年、


ある日、突然あなたがいなくなった


わたしは見るべき方向をなくした


嘘だと思っていたわけじゃないけど


棺に入っているあなたを見て


わたしはそこで初めて涙を流した


彼が亡くなったこと


彼はもう戻ってこないんだということ


そして心からわたしは彼を愛していたということ


すべてを悟って、涙した


みんながわたしにかわいそうにと同情し、


がんばってねと励ます


わたしもそれにうなづいて答える


みんなの気持ちが心にしみるから


でもわたしは心から彼を愛していたのだから


かわいそうじゃないと思うんだ


あと彼とは


がんばらないって約束してるの


だから今感情のままに泣いてるんだよ


これからもあたしは彼との約束を守って


自分のスタンスを維持していこうと思うんだ


彼のいない人生


少しずつ強くなっていこうと思うんだ



短かったけど


山のような彼に何度も救われ、


とっても居心地のよい半年間でした


もうすぐ紅葉が始まる頃です。


何かを感じていただければ。

どんな感想でも気軽にどうぞ。

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