◆六日目・前編◇
◆六日目・前編◇
朝から謎の地図のことが気になっていた。警察へはまだ届けていない。
先に何があるか見てからの方が話が早い気がしていた。
アルバイトを手配して、その日は午前中で仕事を抜けた。
地図を開いて赤いばつ印がある、一番近い場所へ向かった。
他のばつ印は自宅から少し遠い場所に描かれていた。
持田は何もない公園へ徒歩で移動した。最近の公園は遊具が撤去され、柱時計とベンチがあるだけだった。
ばつ印は柱時計の辺りを示していた。そして地図上のばつ印の横に小さく『柱時計』と、ヒントのようなものが書かれている。
持田が柱時計に近づくと、小さい箱が柱にテープで雑に貼られていた。
箱を引き剥がして中身を見ると、また写真が出てきた。思わず口をついて言葉が漏れた。
「何これ……」
その写真は持田が入浴中の全裸写真だった。
恐らく最近別れた彼氏と、ホテルへ行ったときに撮られたもの。
消してと頼んで消してくれたと信じていたが、そうではなかった。
一度でも信じたことを後悔した。
同時に、なぜ、これをあの大男が持っていたのかと疑問が湧いた。
急に胸騒ぎがして、次のばつ印を目指して歩き始めた。
小一時間は歩き続けた。ばつ印の場所へ辿り着くと、また公園だった。
ここにも遊具はなく、妙に背もたれの深いベンチがあるだけだった。
ベンチの後ろには植木が並んでいた。何本も並んだ植木の中に、箱が貼り付けられていた。
持田は箱を剥がし、同じように箱を振って、サッと中身を取り出した。
もう中に写真が入っているのは分かっていた。
「いつ、こんなものを?」
持田の自宅で行為中の写真が出てきた。
持田は絶句した。元彼は勝手に行為中の様子を録画していた。
眩暈がしてその場にしゃがみ込み、手をついて地面を見つめた。
絶望という感覚に襲われていた。
血圧は上がり、頬が引き攣るのが分かる。
唾を飲み込み、事態を受け止めようと必死だった。
先に誰かに写真を見られたらと想像すると、いても立ってもいられない。
ばつ印はあと二つ。
これ以上、何があるのか……。警察へ届けることも考えたが、また人に見られたくない写真だったらと考えると、誰よりも先に、事前に見ておきたい。
持田は次の場所へと歩き出した。
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(全9話、完結まで予約投稿済みです)
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