◆三日目◇
◆三日目◇
シフトを夜勤と交代する少し前に、一人のお客が話しかけてきた。
「すみません。マスクってどこにありますか?」
大きな男だった。二メートルはある巨体で、ニット帽に黒いパーカー、服の上からも筋肉質なのが分かるほどに身体が大きかった。
持田は売り場に案内して、レジで対応した。大男が手に持ったラジコンのコントローラーみたいな物が気になった。
大男は買い物を済ませて退店した。
店内は一時的に客が途切れ、持田以外がいなくなった。
シフトを変わる前に商品の補充でもしようとバックヤードから在庫を運び出し、棚に並べた。
一番上の棚にある商品を前出しして、綺麗に並べ、次々と売れた商品を補充した。
すると棚の奥に箱が置いてあることに気づいた。
いつから置いてあったのか、箱には小さい穴が開いていた。
片手で持てる軽さだったが、中身が入っている確かな重みは感じた。
持田は箱を開けて中身を確認した。
中から正方形の黒い物体が出てきた。
それも中央に穴が開いていた。
夜勤と交代して、そのまま警察へと向かった。警察はその小箱を受け取り、持田にこう告げた。
「持田さん、これ、小型のカメラですよ。どこに置いてあったんですか?」
持田はゾッとした。
誰かが店内に隠しカメラを仕掛けていた。
警察によると、写真はこのカメラで撮られた可能性があるとのことだった。
いくつか質問をされたが、手掛かりになるような回答はできなかった。
隠しカメラをそのまま警察に預けた。
帰り道、周囲が妙に気になる。
マンション前に辿り着くと、さっき対応した、背の高い男性の後ろ姿が目についた。
同じマンションの人だったとそのとき初めて知った。
落ち込みながらエレベーターホールを抜けると、今日も自室の玄関の前に荷物が置いてあるのが見えた。
また盗撮された写真が入っているのは薄々分かっていた。
荷物を開けて、中身を取り出して驚いた。
自分ではない人が写っていた。
それは、遠く離れた田舎に住む両親。
盗撮犯はどこまで自分の個人情報を得ているのか、震えるほどの恐怖を感じた。
これを持って今すぐ警察までまた行くのが怖い。
その日は荷物をテーブルの上に置いて、翌日警察に届けることにした。
犯人は自分をどうするつもりなのか……徐々に迫る脅威に眩暈がした。
スマートフォンを取り出して、両親の安否を確認した。
二人の無事を知り、胸を撫で下ろした。
読んでいただきありがとうございました。
(全9話、完結まで予約投稿済みです)
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