プロローグ
仕事しながら隙間時間に書いてるので投稿めっちゃ遅いですが許してください。
心地の良い風と小鳥のさえずりで目が覚めた。ゆっくりと目を開けると、そこには見知らぬ天井が広がっている。畳の上に敷かれた布団で寝ていたらしい。横になったまま少し物思いにふける。
ここはどこなんだろう。普段はベッドで寝ているから自宅でないことは確かだ。病院でもないだろう。病室に畳が敷かれているなんて聞いたことがない。少なくとも自分の住む地域にはそのような病院はなかったはずだ。考え出したところで異変に気付いた。
おかしい。思い出せない。頭にもやがかかったようだ。自宅の間取りや自分の会社のデスクはうっすら思い出せるのだが、家族や友達はおろか、自分の名前すら思い出せない。人間関係に関する記憶がすっぽり抜け落ちているようだった。
漠然とした不安に襲われ、いてもたってもいられなくなり、立ち上がろうとしたところで不安をさらに加速させる事態に陥った。
体が動かない。手足を軽く動かすことはできるが、寝返りをうったり、起き上がったり、体を大きく動かすことができないのだ。力を込めようとしても体から力が抜け出てしまうのだ。ひとしきり起き上がる努力をしたのち、無理だと悟って動くことを諦めた。
ふと視線を落とすと、開いた雨戸から差し込む光で目が眩んだ。やっと目が慣れてきて、外の景色を眺めてみる。
そこには荘厳な日本庭園が広がっていた。文化財に指定されていてもおかしくないような、大規模な庭園だ。数羽のアゲハ蝶がひらひらと風に舞っている。現実を忘れてしまうような光景に、思わず息を呑んだ。
心落ち着く立派な庭園に見惚れていると、後方から襖を開ける音がした。驚いて体を震わせたが、相変わらず体は言うことを聞かない。覚悟を決めて、襖を開けた本人を待ち構える。鬼が出るか蛇が出るか、何が来ても驚かないよう身構えていると、
「お目覚めになられたのですね」
子供のように少し浮ついた、しかしどこか落ち着きのある声がした。想定していたものと違う状況に面食らっていると、パタパタと早足でこちらに駆け寄る音が聞こえる。首を少し傾け、声の主の方を見ると、そこには小さな男の子が優しく微笑んでいるのが見えた。
間違えて書き途中で投稿しちゃいました。許されよ。