5.地下の部屋
「どちらを最初に呼ぶか、二人の意見を聞かせて」
「戦力を取るか知恵を取るか……悩むわね。だけど私情を挟んでいいならフラン。出来ればリアは最後の方にして欲しいかな」
「私情?」
なんか予想外。
私の考えたプレセアと違って、重要な事には私情を挟まずに合理的に考える子だと思ってた。
それにリア。ラステリアにリアの愛称なんてなかったのに。
うん、そっちの方が可愛いし呼びやすい。採用!
「優れた能力を持ってるといっても、リアはまだ十五にもなってない子供。子供は安全を確保してから呼んだ方がよくない?」
「そ、そうね……」
確かにリアは幼い。
未成年だし、日本じゃ義務教育の年齢。
プレセアの言う通りなんだけど、物語だとそこまで年齢の事は気にしていなかった。
むしろ可愛い子には旅をさせろで単独行動をさせてたくらい。
そっか……。
ここは現実の世界だって、自分に何度も言い聞かせてたけど、まだまだ考えが甘かった。
十四歳だもんね。リーダーとしても姉としても危機感と配慮が足りなかったよ。
プレセアの方が全然、お姉ちゃんしてる。
「ちょっと~、どうしてたまに脈絡もなく突然ニヤニヤするのよ」
「あ、ごめん」
反省しなきゃいけないのに、無意識にニヤついてしまった。
「別に脈絡がないわけじゃないのよ。ただ妹想いなのが嬉しくて、ついね」
「はぁ……なに言ってるのよ。そんなの当り前じゃない」
「うん、御尤もです」
その当たり前が、お姉様としては嬉しいものなのです。
「あ、そ」
プレセアは若干呆れてた。
†
フランを召喚するのが決まったという事で、私たちは場所を移動した。
召喚魔法を使うのに場所は特に関係ない。
プレセアもプレセアが呼んだ飛竜も、呼びたい時にその場で呼んでるしね。
だけど、お城の中に”それっぽい場所”があるという事で地下に向かった。
魔法は想像が重要。つまり雰囲気大事。
地下は前に子供たちと一緒に行ったところとは別の場所。
あっちの用途は倉庫って感じで、子供たちの部屋がある建物の地下室。
フランを召喚する場所は、塔の建物の下にある。
地下は三階建て。 一階は何もない大部屋。
地下二階はどんなところだろうと石階段を下りて、(なるほど)と納得。
広さは一階と同じで、バスケットコートより少し広いくらい。
奥には土俵のような石の大きな台があって、台を高さ二メートルくらいある十数本の灯篭みたいなのが等間隔に並んで囲んでいる。
上から見下ろせるキャットウォーク付き。
いかにも台の上で何かを召喚しますって感じが出てる。
「ぽいでしょ?」
とプレセア。
「ぽいというか、まんまだね」
これなら集中力も自然に高まるってもんでしょ。
では、さっそく召喚に取り掛かる、と言いたいところだけど、私はこの下にある最下層、地下三階が気になった。
召喚魔法を使ったら、たぶん気を失う。ほぼ一〇〇パーセントの確率。
そうなる前に、ちょっとどんなとこなのか見てこよっと。




