23.約束
「クリザリア王国が無責任でいい加減な国だって事はわかったわ。王都の外にある町や村についてはどう? 子供たちを預けられる所はありそう?」
「国が王都外の暮らしに関与していない事から、各町村の首長とその側近がルールとなっているそうです。ですが、そのルールが住民にとっては厳しいものが多く、中には町を出て自分たちで村を作った人たちがいると言っていました。おそらくユミル村もその一つかと」
「それが本当ならガキたちを町に連れて行くのは好ましくないわね。かと言って王都だと門前払いになりそうだし、村は村でゴロツキから自衛するのが難しそう。ちょっと面倒になりそうだわ」
プレセアの言う通りだけど、必ずしもそうとは限らない。
あくまで、それは憶測。
そして百聞は一見に如かず。
子供たちにとって安全な場所がないとは言い切れない。
だから、とりあえずやる事は変わらない。
そもそも最初から出来る事は限られているしね。
次の事は今やれる事をやってから考えよう。
「国については予想外の内容だったけど、予定通り明日からは情報を集めることにします」
私が方針を決めると、
「わかったわ」
「はい」
二人は了承した。
「何か質問や意見はある? なければ今日はここまでにしようと思うけど」
「じゃあ、はい」
プレセアが軽く手を挙げて返事をした。
「魔法の事なんだけど、極力使わないようにしてほしいの。特に召喚魔法。アレは体力と魔力の消費量が半端ないわ」
「確かに……」
プレセアを召喚した時、私は耐えきれない程の睡魔に襲われて気を失ってしまった。
一度の魔法で意識を保てないくらいの酷い疲労か……。
物語の中じゃ魔法をバンバン使いながら戦ったりしてたのに。
ここだと随分と勝手が違うみたい。
気絶するくらいだから身体に大きな影響があるのかも。
「あ!」
そこまで思ってから重大な事に気が付いていないことがわかった。
「プレセア、プレセアは大丈夫なの!?」
プレセアは召喚魔法だけでなく、回復魔法も使っている。
間違いなく体への負担は私よりも大きい。
「御覧の通り、大丈夫よ。全然平気」
プレセアは両手を軽く上げ、手の平を上に向けながら問題ないとアピールした。
「本当に? 本当に大丈夫なの?」
私はプレセアに近付き、彼女の手を取って言った。
「問題ないって。でも体力と魔力の消費が激しいのはホント。だから約束して。他の魔法はともかく、召喚魔法を使うのは安全且つ私たちが傍にいる時だけにするって」
何時になく真剣な目をして私の目を見るプレセア。(出会ってまだ二日だけど)
彼女がここまで言うって事は、よほど召喚魔法は体に悪いみたい。
「わかったわ。約束する」
プレセアの手を軽くギュッと握って言った。
プレセア、あなたもよって意味も込めて。
「うむ、わかればよろしい」
プレセアは偉そうに踏ん反り返ると、
「じゃあ寝よ寝よ、おやすみ」
急に横になって寝始めようとした。
「え?」
「zzzzz……」
せっかく真剣な目に対して真剣な目をして答えたのに、凄く素っ気ない態度で話を締められた。
「もう!」




