No.1-5-飛び込み、縛り、鬼畜-
総裁室での束の間のひと時の後、俺は死に物狂いで戦闘モードに入った。
訓練用ウェポンである、【扉】に飛び込んだ。
扉は基本的な訓練から、応用まで何でもこなせる夢のような訓練用ウェポン。
そして扉内での時間経過は様々で、Lvが高くなるにつれて、時間経過が遅くなる。
ちなみに今回使用したAランク用の最も過酷な扉では
地球で1日が、扉内では半年分もある。
それを一週間続けた。つまり3年半、俺は修行を続けた。
そして今日、ついに最終訓練の日、この訓練を終えれば元の世界に戻れる。
「今日の訓練は………何だ?またSSSランクの魔物100匹とか、か?温いんだよね。そいつらじゃ。」
そう呟くと【最終訓練ヲ開始シマス】というログが表示された。
【最終訓練ハ、アナタ自身。今マデノ戦闘データヲ統合シ、常ニ魔力120%ノ状態デ挑ンデキマス】
【今回モ、バトルニ必須ナウェポンガ支給サレマス】
「ほう……。俺より強い俺ってことか。面白そうじゃねぇか。」
「コォォォォ……」
「俺はちゃんと喋れるはずだが……まぁいい。限界を超えてやるぜ“ハイドラ”」
ハイドラは空間操作による空気圧の棘で攻撃する技だ。
ハイドラをもろに受けて俺の影は吹っ飛んだ。
【チナミニ、分身ニダメージヲ与エルト、全テノダメージガフィードバックシマス】
「え?ちょおま……ぎぃぃぃぃぃやあぁああああああああああ!」
「コォォォォ……ヒールウェポン“天使の加護”……」
「ちょ……さすがに強いな……俺……」
鬼畜すぎる。つかチートじゃねぇの?どんだけ強いの?回復あり?ふざけんな。
どうやって勝てばいいんだろうか。こっちは回復縛り、あっちはフル回復あり。
まぁいいや。
「おkおkおkおk、俺の分身、キミは強い。いくぜ、デス・ウェポン“悪魔の誓い”」
これで、どちらかが先に死ぬ。しかも回復縛り。実際、生命力が常に奪われていくので、勝てる保証はないのだが。
「コォォォォ……デス・ウェポン“サンドラの呪い”………」
サンドラの呪い、使用者の魔力が標的の魔力より上回っている場合、強烈なダメージを与える。
逆の場合、使用者に強烈なダメージが入る。
現在、俺と俺(影)との魔力差は互角。ということは、能力発動無し。あぶねーあぶねー。
能力が発動してたらたぶん一撃死だった。さすが俺。
「さて……悪魔の誓いで大部消耗してきたし……賭けてみるか。」
悪魔の誓いを使用した時に考えたのだが、相手を一撃で倒せば、フィードバックなしなのでは?
というかそうでなくては困る。
「さーて、行くぜ。スキル!“アトモス・キャノン”!」
アトモス・キャノン。俺のスキルを改良して作ってみた技の一つ。
これもまた空間を操って大気と風の塊を飛ばす技。
俺の作った技の中で最強クラスの威力を誇るから大丈夫のはず。
「当たれやぁああああ!」
「グ、グォォオオオオ!」
なんだこの適当なやられ方。でも勝った!わーい勝った!訓練終了ゥゥゥゥゥゥウ!
【オツカレサマデシタ。コレニテ扉ヲ終了シマス。】
正直パクり感が否めない