No.1-2-熱く、清く、脳筋と-
そんなこんなで研修室に到着。
教室内には自分を含め20~30人くらいの新人ガーディアン達がいた。
窺える年齢層も様々で、20歳程度の人が半分程度。自殺者だろうか。
教壇にはいかにも教官っぽい、脳まで筋肉と思われる人が立っていた。
正直、超怖い。殴られたら死にそう。いや死んでるのか。殴られたら成仏しそう。
「お前ら起ィィィ立ゥゥゥゥッッッ!礼ィィィィッッ!着席ィィィィィッッ!」
あぁ、想像していた天使様とは全く違う。こんな熱い天使いらない。
そうだよ、天使というものはもっと清らかでいるべきなんだよ。
「さぁて、自己紹介をしようかァァッッ!フルネームだろうが、偽名だろうが、なんでもいい!名字、名前だけでも可ッッ!」
「自己紹介の際は自分からするべきだと思いまーす。」
一人の若き命知らずが反論した。あーあーしらねー。いきなり成仏確定だろこれ。
「ンンンンンッゥ!?………そうだったな。私の名前は【赤阪無優】!無い優しさと書いて、ムユウだ!」
おい、どういうことだ。名前からして熱血青春フラグじゃねーか。そして意外と律儀だな無優よ。
「では番号札一番から自己紹介始めェェェェェ!」
・・・・・・・・自分の番は・・・・・・もうそろそろか。緊張するもんだな。
自己紹介で分かったが、意外と学生も多い。特に高校生。いじめだろうか。
そんなことを考えてると、
「次ィィィィィィ!番号札28番ッッッッ!」
自分の番が回ってきた。どうやら最後らしい。
「えー、紗衣純哉、年齢13、いきなり死にました。好きなものは小説、特に太宰。嫌いなものは脳筋です。」
「ほう………貴様が………ふむ。楽しみにしているぞ。」
え?何が?もしかして脳筋って言ったのが悪かった?え?え?
「さぁて、自己紹介は終わったなァァァァ!?よし!偽名を使っているものは0かッッ!今月は上々だな!」
今月……?ってことは、先月もガーディアンになった人がいるってことか。
「ちなみに先月の新人研修では全員が偽名を使いやがったッ!たったの五人だったがなッッ!今月は研修生がかなり多いッ!」
あー長い長い。そして熱い。うざい。めんどくさい。だるい。
お?研究者の発言ビンゴ!
「さて、とりあえずガーディアンの役割について、説明をしておこう。画面に注目ッッッッッ!瞬き禁止だァァッ!」
超展開すぎるぞ、この無優。いきなりビデオが始まった。