No.8-扉、共鳴、原子砲-
久しぶりに此処に来た。
扉。
鍛練を積む場所。
外とは時間が異なり、また扉ごとに過ぎていく時間も違う。
「お前ら聞こえるかー?」
蠅の声が扉の中で響いた。
「あー。聞こえてるみたいだな。聞こえてなくてもまぁいいや。
えっとだな、今回はウェポンの使い方を再確認するのと、お前らに基礎中の基礎の応用を覚えてもらうことにした。
ウェポンとの共鳴だ。ウェポンつーのは元々意思を持っている。ただお前らには聞こえねー。
聞こえるようにするのが今回の訓練。生半可な気持ちじゃ成功しねぇからな。
あと、この扉内での時間経過は80倍。つまり1日=80日計算だ。それを三日間。」
240日間………だと!?
途方もない長さ。これはきつい。
「あー。そうそう。でてくる魔物はお前らのレベルより高い。ウェポンと共鳴すれば簡単に倒せる相手だがな。
共鳴はサッサとするのが吉だぞ。」
マジすか!?
つか俺共鳴できてるような気がするけど……また違う意味なのかな……?
「えーっと。まぁとりあえずがんばれや。訓練開始。」
言葉と同時に訓練開始のウィンドウが表示された。
するとどこからか魔物たちが集まってきた。
数匹、しかし超巨大型。これは確か下位最上級ジョー型『アリス』共。
可愛い名前だが、筋肉ムキムキで、しかも四足歩行で翼ありの魔物だ。
正直こいつの後ろ脚はそこまで発達していないが、前脚、というか前腕は異常なまでに筋肉が隆起している。
通常時の一撃で上級ハンターでも致命傷を被るバケモノだ。
興奮時となると、自分以外のものを殲滅するという。
相手が消えるまで攻撃を続けるとか。
非常に恐ろしい。と図鑑に書いてあった。
「グルルルルル……グヒャァギャッ!」
愛らしくもない唸り声を上げ、襲いかかってきた。
「遅い!」
俺はとび跳ねた。相手は腕を振り下ろし、衝撃波を放ってきた。
読みが的中。幸い、アリスは攻撃の速度が遅く軌道が読みやすい。
地面に降り立ち、カウンターを喰らわせてやった。決まった俺のストレートパンチ!
魔力を込めているからダメージは高いはず。
「グウウ……ワォーン!」
一撃をくらったアリス達が、後ずさりをして雄叫びを上げる。
一斉に雷を放出し始め、一匹のアリスに集中的に電撃を送っている。
嫌な予感しかしない。逃げよう。遠くの方に。今から走れば……
と思い全速力で逃げる。
しかし俺はあまりに遅すぎた。
後ろの方で何かが光輝いたと思い後ろを向いた瞬間、電撃を受けていたアリスが
金色に輝きながら背後に迫っていた。瞬間移動でもしたのだろうかと思わせるほどのスピードで距離を詰めていた。
そして渾身の一撃を被った。
破壊力と共に抜群。さらに高まった敏捷性で怒涛のラッシュを喰らった。
もはや痛みを超越している。
笑いがこみあげてきた。痛みの次は笑いなのだ。涙すら出ない。
「がぁ………畜生……無理ゲーだろ……これ……」
俺は痛みで気を失った。
──数時間後
………………ん?
俺生きてる?
あれ?生きてる。
すげー俺!
っ………まだ痛みは残ってるか。
「ん、やっと起きましたね……」
…………誰?
変な人がいた。性別は女。だと思う。
「えっと……どなた?」
恐る恐る聞いてみる。
「えっと……一応貴方に配属されたトレーナーでしょうか……?シエラと言います。」
でしょうか?
何?でしょうかって。
「ベル様にはシンクロ教えてこいと言われました……なのでトレーニング開始です。」
「は?ちょっと待った!まだ体中が痛いんだよ!」
「だ、大丈夫です。痛みを伴う訓練ではありません。」
え?そうなの?
「……どんな訓練?」
「一応、シンクロして、目の前にある扉の鍵を解錠することです。シンクロしないと解錠はできないようになっています。」
「ウェポンはルシとベル、どっちでもいいの?」
「構いません。」
「えっと………じゃぁウェポン“ル」
「ベルゼブブ”」
ボンッ!
大きな蠅が出てきた!
「ぬあああああああああああ!蠅だああああああああ!!ぎあああああああああ!」
「何という凛々しいお姿……ポッ」
「ポッじゃねぇよ!どうしてくれんだぁああ!お前のせいでええええええ!」
「まぁいいじゃないですか。かっこいいですよ?」
くっ………マイペースすぎる……
仕方ない。
蠅でやるか。
俺「…………………」
ベル「………………」
俺「……………なぁ。」
「はい?」
「どうすればシンクロできるんだ?やり方がつかめん。」
「えっと………とりあえず疑似ベル様と心を通わせて下さい。」
それがわからんというのに。
とりあえず………おーい。ベルさんよー。
シンクロしようぜー?
ベル「…………ギー。」
ギー?ギーってなんだ?
ベル「サー………ギー。」
詐欺?騙したいのか?
俺「………」
ベル「サーターアンダギー!!」
!?
「食べたいの!?サーターアンダギー食べたいのか!?」
「違うギー。」
違うのかギー。
語尾がギーなのかギー。
「……お前シンクロする気あるかギー?」
「あるけどやり方がわからないギー。」
「お前、白い魔法陣作れるかギー?」
「作れるギー。あぁそうか。それでシンクロしようってか。」
「そうだギー。」
結構考えられるんだなこいつ。
でも待てよ?あれってウェポンを発動させたときに起動するものじゃないのか?
一応魔力を練って発動させてみるか。
「ギー………」
「チョイ待て……よし、魔法陣展開!」
合図と共に白い魔法陣が展開された、がすぐに消えてしまった。
どうやら魔力不足の様だ。
と思ったらシエラが口を開いた。
「えっと、それでシンクロしても本当にはシンクロしていません。
ちゃんと心を通わせて、一撃を放って下さい。心を通わせれば、鍵穴が見えるはずです。」
鍵穴?まぁいい。集中してみるか。
………………
………………
俺は、何に向かっているんだろうか。
この世界を守るだなんて思ってたけど。
俺に出来るのだろうか。
しなくちゃいけないのか。
だが力が無い。
俺はカーラを倒せるのか。
倒さなくてはいけない。
そのためには何が必要だろうか。
『シンクロ』
ウェポンとの共鳴。
そいつを使いこなせば………
よし今一度決めた。
ディアブロの野望を阻止する。
そしてこの世界を守る。
そのためにも応えよ!ウェポン!
「へへ………ベルゼブブ……行くぜ!」
「ギー………行くギー!」
「魔力の向きが変わった……!」
できるかどうかわからないけど、放つ。
見えたんだ。一瞬だが鍵穴が!
「「アトミック・キャノン!」」
原子の塊。
原子爆弾の縮小版。
しかし強力。
その塊は唸りを上げ、鍵穴を破壊した。
扉が開いた。
このごろ文がおかしい。