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Guardian`s   作者: Radical
13/22

No.5後編-剣、舞、王-

「去れ、人よ。」


最上階に到達した瞬間言われた言葉。


これは酷い。


「待って下さい!お話があるのです!」


キュウが話を聞いてもらおうと必死で説得するものの


「黙れ!ワシは招いたつもりなど無い!」


と言われてしまう。


別に招かれたつもりもないが。


「だいたい何なんだ!このところ人が多すぎるわ!警備甘いんじゃないのか!?」


そうかもな。あんたらのとこの魔物みんなやる気なかったもん。


形だけは戦闘しようとしてたけど。


「ヒュヒュ、言ってくれるじゃねぇ悪魔。俺たちはテメェらにおいしい話を持ってきてやったのによ。ヒュヒュヒュ。」


「おいしい話でも礼儀というものがあるだろうが!やり直してこいクズ共!」


言ってることは正しいような気もするけどなんか気に食わない。


「………おい悪魔。」


「死ね。」


だめだこの悪魔。話を聞いてくれない。


というか子供すぎる。呼んだ瞬間「死ね」とは。と思っていたら


「死ねとはなんですか死ねとは。貴方こそ礼儀が無いじゃないですか。」


キュウが切り返した。そうだ!礼儀が無いのはそっちもじゃないか!


「ワシはいいんだよ!」


ふー。うざいな。


こいつが本当に堕天派最強の悪魔なのか?信じられない。


確かに羽は12枚あって、威厳というオーラを纏わせてるような気がするけど。


想像してたルシファー様とかサタン様とか、そんなのとはかけ離れてる。


名前はルシファーらしいけど、全然ルシファーなんかじゃない!


「お前、今『おいおい、こいつがさいきょうなのかよー。きょうざめだぜー』とか考えていたろ?」


なんでわかんのぉおおおおお!?


「心くらい見通せなくてどうするんだ。」


くっ……こいつ強い。と、そこでついにルシファーが砕け、提案をしてきた。


「仕方ないな。ワシの実力を見せてやる。お前らが勝ったら話を聞いてやる。」


「乗った。三人でいいよな?ヒュヒュヒュ!」


「構わん!来い!」


──数秒後


「すいませんでしたワシが悪かったです。」


ダークネス・アイ一発目で勝った。


ジ『ダークネス・アイ!ジャジャーン』


ル『な、うごけないだとおおお!?』


ジ『さぁ、どうするんだ?ヒュヒュ!』


ル『すいません負けました。』


みたいな流れだった。


「えー、ワシらにとっておいしい話とは何でございましょう?ジョーカー様。」


様付けというありさま。


「テメェらは使われてるって話……おおっとこの先からは言わないぜ?言ってほしけりゃなんか寄こせ。ヒュヒュ!」


「どうぞ、ウェポンでございます。貴方様の好きそうな状態異常系のウェポンでございます。」


酷い!こっちもひどかった!もう見たくないよ!


「ヒュヒュヒュ!いい子だぜ!んで、あんたらはディアブロの連中に使われてるって話。


どう使われてるかは……おおっとこの先からは言わないぜ?言ってほしけりゃなんか寄こせ。ヒュヒュ!」


もうやめてあげようよ!


「どうぞ、金貨でございます。」


「金なら二大陸銀行に腐るほどあるからいらねぇ。ウェポン寄こせウェポン。」


「どうぞ、ヒールウェポン各種でございます。」


もうやだ。こいつ怖い。


「さて、おふざけはこれくらいにしておいてと。テメェらが配給している量産型を使って、とある村を襲わせてた。


ルドラーという男だ。そいつが言うには堕天派は大御所だから利用すると。どうやらディアブロの連中だけじゃ


ゲートは開けないようだしな。んで、仕事が終わったらお前ら全員消されるそうだぞ。ヒュヒュ!」


「ふーん。そうか。なら消してやりたいところだが、まずは様子見だ。


お前らだってワシらの敵だからな。ワシらは人間どもに興味など無い。奴らが死のうと生きようと、どうでもいいことだ。


だがワシらは強さには貪欲だ。だからこそ奴らに乗った。悪魔的地位などどうでもよい。」


なかなか穏便な奴なんだな。ルシファーって。何だよいい奴じゃん。


「それに、ネズミが一匹隠れてるしな。」


「「「ネズミ?」」」


言葉の意味に戸惑っていると、ルシファーが一本の柱を破壊した。


その土埃の中から人影が現れた。


「来てたのか、カーラ。ワシに隠れて偵察とは、いい度胸だな。」


「貴様こそ、我々との間に亀裂を入れるようなことして、ただで済むと思うなよ?」


またまた新キャラ。話の内容的にどうやらディアブロの一員らしい。


どう見ても怪しい奴。


見た目からはそれくらいしか思いつかない。


銀色と灰色が混ざったような色の髪に、赤く塗りつぶされた眼。


そして騎士を思わせるような衣服を纏っている。


「我が組織の可愛いルドラーに手を出した奴は……仮面の男、キミだな?」


そう言うとカーラはジョーカーを指さした。


「ヒュヒュ!あいつが勝手に攻撃してきたがなぁ!」


「そもそも君達にあの村を守る義理など無いではないか。」


「困ってるのを見つけたら、どうしても放っておけなくてな!ヒュヒュヒュ!」


「まぁ、それはいいことだがな。死んでもらう。君たちはどうやら邪魔なようだ。」


瞬間、カーラの周りに黒と白の剣が出現した。


「な、何だこりゃ!?」


思わず叫んでしまった。剣一本一本に巨大な魔力を感じた。


どうやら剣は魔力で構成されたものらしい。


「フン。ワシにとっては小細工だがな。ワシも殺せ、カーラ。」


「別に貴様を殺すつもりはない。これからも利用させてもらう。殺すのは三人組だけさ。」


「ヒュヒュヒュ……!殺す、ねぇ!やってみろよ!アヒャーハハハ!」


「吠えるな。痛々しいぞ。まぁいい。お言葉に甘えて……飛びなさい。」


カーラがこちらを指さすと、無数の剣が飛んできた。


この数はさすがに多い。が、辛うじて避けられる範囲だろう。


そうとなれば避けるのみ!


「言っておくが、追尾機能付きだ。逃げまどうがいい。」


何だと?追尾機能?ふざけやがって。


どうすりゃいいんだよ。


「二人とも、下がって!ディフェンスウェポン“クイックディフェンス”!」


ディフェンスウェポンか。相手の攻撃から身を守るウェポン。


クイックディフェンスは指定した一種類の物質の攻撃を完璧に防ぐものらしい。


「ほう!そんな上物を持っているとは。さすがだ。だが、」


そう言うと、カーラがこちらに一瞬で攻め込み


「ウェポンごと壊せばいい。……散りなさい。」


ウェポンをに刃を当てるとウェポンが粉々になってしまった。


ウェポン発動の詠唱が無いとみると、どうやら剣の能力らしい。


「三人ずつでは少しめんどくさいな。一人ずつ消していこうか。止めなさい。」


止めなさいコマンドにより俺とキョウの周りに剣が固定され、身動きが取れなくなった。


「少しでも動いたら、死にますよ。まぁ動いてくれるとありがたいのですがね。その場での回転くらいなら許しましょう。」


「なんで俺が最初なんだ?ヒュヒュヒュ!ルドラー君をフルボッコにしたからか?ヒャーハハハハ!」


相変わらず余裕たっぷりみたいだな。そしてルシファーの方を見ると、止めなさいコマンドが適用されていた。


「では、遠慮なく行こう。ハァァア………」


どうやら魔力をためているようだ。


「今がチャンスだぞジョーカー!」


「言われなくても分かってらぁ!“オーバーナパーム”!」


決まった!これに巻き込まれれば終わりだ。


「遅い!エクスプロージョン!」


気づいた時にはすでに遅すぎた。


反応が遅れ、大爆発にジョーカーは丸ごと飲み込まれた。


「ジョーカー!」


駆け寄ることもできず、ただ大声で名前を呼んだ。


「そう言えば、キミ、そうそこのキミ。」


カーラは俺のことを指さしながら言った。


「この仮面の男の能力を知っているかい?」


「ん……?知らんぞ。」


そう言えば聞いたことが無かった。


ジョーカーの能力。何だったのだろう。


「この男の能力は闇、光以外の属性を操ること。豆知識だ。覚えておくといい。」


そうなのか。闇、光以外の属性を操るスキル。


これが何の役に。


「そうそう。もう一つ。キミに教えておくことがある。ガーディアンの中には悪魔のスパイが居てね。


偶然なのだろうか。そいつの能力も、闇と光以外の属性を操る能力なんだ。」


「なんだと?じゃあお前はジョーカーがスパイだって言うのか?あぁ!?」


「仮面、なぜ付けているのだろうね。もしかしたら仮面の下は覗かれてはいけないのかもしれないよ。」


こいつ……俺を騙そうとしてる。絶対そうだ。


だがそんなこと信じない。絶対にな。


「では次はキミだね。行くぞ!」


「ハイドラァ!」


ハイドラが直撃。カーラもかなわず吹っ飛ぶ。


「ふふふ。死ぬがいい!飛びなさい!」


「うざってぇ!アトモス・キャノン!」


相殺。一撃で相殺できるレベルだったのか。あの剣は。


しかし気になる。


なぜジョーカーは仮面をつけている?


俺らの間に隠すようなことがあるのか?


それとも信用されていないのか?


外したくないだけなのか?


見られたくないのか?


疑問が疑問を呼び、混乱してしまった。


しまった。これでは敵の思うつぼ。忘れるんだ!忘れろ!


「一度頭で考えてしまうと、なかなか抜けないよなぁ。さぁ!考えてみろ!なぜ仮面をつけている!?答えはどこにある!?」


「うるせぇええええええええ!アトモス・キャノンフルパワー!」


「考えすぎると、そうなるのさ。」


「しまった!」


完全にやってしまった。惑わされ、敵との距離も分からないのに、頭上に放ってしまった。


しかも渾身の一撃を。


「がああああああああああああ!」


強烈。自分で自分を攻撃した。


フィードバックの時以来だ。こんな強烈なダメージは。俺の頭は死を渇望させた。


「ふふふ。全部ウソでしたが、ちゃんと混乱してくれてえらい子でしたね。」


カーラの手が俺に額に触れる。


「何だ……何する気だ……殺すのか……?」


「ルドラーのレポートでは君達の内に強烈な時空操作能力を持った奴がいると聞いてね。


最初からこれだけがほしかったんだ。殺しはしない、が次に攻撃を仕掛けてくれば殺す。」


何とか……助かった……のか?


俺はその場で倒れこむように気を失った。







長いぞー。長いぞー。


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