No.5前編-塔、魔物、無垢-
歩きに歩いて数分、ペンネフの塔入り口に到着。
ペンネフの塔は31階建てと、小さい建物だが、攻略は難しいらしいが、
国王によると最上階付近でなければすぐ倒せる相手らしい。
という事で激走。
無駄な戦いなどしていられない。
今はただ走るのみ!
──五分後
既に15階付近にまで到達していた。
今までの戦闘の回数は3回程度。
ほとんどは眠らせるか麻痺らせるかで終了しているので、実質戦闘をしているのは3回程度なわけだ。
と簡単に言ってみるが、さすがに敵の方も強くなってきている。
12階辺りから下位中級種が多くなってきてる。
今の俺達からしてみれば何ともない敵だが、曲者が多いので簡単には逃げられない。
とか話してたらまた出てきやがった。
「キェェェェ!」
奇声しか発することしかできない中級悪魔め。
相手悪魔は下位中級種飛行グリム『ワイバーン』。
高い戦闘能力を保持しているが、相手の体力的にはどうという事は無い。
しかし先手を取られるとなかなか厳しい相手だ。
だがこっちにも最強の曲者が居る。
「ヒュヒュヒュ!アタックウェポン“スリーピングフェザー”!ヒュヒュ!眠れぇ!」
スリーピングフェザーは視覚伝達型のウェポン。
飛び交う羽を数秒間見つめてしまうと昏睡状態に陥る。
しかし敵味方関係なしに発動してしまうのが欠点。
まぁこれで戦闘は避けられるわけだ。
「うーん。やっぱり強いのが出てきてるね。気を付けなよ。二人とも。」
「ヒュヒュヒュ………」
「わかってらぁ!」
そう言いつつ、三人で走り続ける。
──五分後
さすがに疲れてきた。
が、もう何も言うまい。既に30階。
目の前にある扉を開けば最上階だ。
「ヒュヒュヒュ……ようやくか。」
「あぁー。疲れた。」
「疲れたねぇ。でも十分だよ?かなり早い方じゃないか。」
そう言いながら扉に手をかけようとした瞬間、
目の前に魔物が現れた。さすがに行かせないってか。
現れたのは下位上級種ゴレーム『無垢の警吏』。
今までにない戦闘能力。悪魔図鑑によると
堅牢なる鎧を破壊しなければ、まずダメージは与えられないらしい。
「んじゃ、行くぜ!“ハイドラ”!」
一発目にハイドラをかましてみる。
が、その鎧は異様なまでに硬かった。
かすり傷一つ付かない。
「ヒュヒュヒュ!どけ!“ポイズンスモッグ”!」
そうか、毒ならな鎧の破壊など必要無い。
やはり頭が回るな。ジョーカーは。
でも確か無垢の警吏は体力も高いって書いてあったから超長期戦になることは必至だろう。
「………フォォオオオ!」
無垢の警吏が唸り声と共に両腕を振り下ろした。
鈍重なだけに避けることは簡単だが、その衝撃波はあまりにも強かった。
「ヒュ………痛ぇな……避けた意味が無いくらいたたきつけられたぜ。」
どうやらジョーカーは衝撃波で壁にたたきつけられてしまったようだ。
避けても攻撃が当たる最悪のコンボだ。
「うぅ……僕もたたきつけられたさ。でも……ヒールウェポン“大聖霊の……がぁ!」
キュウがウェポンを発動しようとした瞬間に無垢の警吏はキュウを鷲掴みにして、
壁に向かって投げつけた。
「キュウ!」
俺はとっさに叫んだが、キュウからの返事は無かった。
「ヒュヒュ、キュウはあれくらいじゃ死なないとは思うが……余裕はねぇな。“ダークネス・アイ”!
これで少しは動けるだろ。純哉、ヒールウェポン取ってこい!」
「分かった!」
キュウの元へ走っていき、手に握られていたヒールウェポンを使う。
「ヒールウェポン“大聖霊の福音”!」
大聖霊の福音は味方の傷を癒し、病気も完治させる。さらにプロテクトを張ってくれるという優れものだ。
さらに魔力回復もできるのでかなり便利。
「ヒュヒュヒュヒュ!よーし魔力MAXだ。ヒャハハハハ!“オーバーナパーム”!俺もろとも吹き飛べぇ!」
な、なんだってー!?
「ちょ、何バカなこと言ってんだジョーカー!そんなことしたら死ぬだろうが!」
「死なない程度に撃って、ディザスタを使うつもりなんだと思う。」
いつの間にか隣には目を覚ましたキュウが居た。
しかしいまだに気分が悪いように見える。
「んー。なんだか優れないな。目眩がするぞ。ん?」
「キュウは休んでろよ。大丈夫だって。」
「そーだぞキュウ!ヒュヒュ!俺が倒すから見てろ!ヒュハハハハ!」
ジョーカーはそう言うとオーバーナパームを発動させ、無垢の警吏を火炎の海に沈めた。
「アヒャー!さすがに熱いぜぇ!純哉ぁ!ヒール頼むぜ!ヒュハハハハ」
「クオオオ………」
よっしゃ!やったるぜ!大聖霊の福音!
「よーし、傷も癒えたから行くぜ“ディザスタ”!滅べ巨人野郎ぉぉぉぉ!ヒュハハハハハ!」
「ガァアアア!」
よし、これでやっと進めるのか?
顔を上げると、ジョーカーが扉をあけていた。
やっと進めるぜ………あぁ疲れた。
「ヒュハハハハ!最上階!ヒャーハハハハハハ!」
なんかgdgdな感じになってしまった。
バトルシーン苦手なのに何でバトルなんて入れたんだろうか。
不思議で不思議でしょうがない。