No.1-1-事故死、退場、天使-
「今日からあなたは天使です」
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中学二年生の夏の日、夏休みが始まって間もないころ、俺、紗衣純哉は死んだ。
いきなり車に突っ込まれた。即死だった。
僕は死ぬ前にこう言われた。ある男が、俺の目の前に現れて
「今日からあなたは天使です。ということで、早速現世から退場しちゃいましょう。」
言葉の意味がよくわからず戸惑っていたら、車に突っ込まれた。
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「うぉおおおい!ふぉおおおお!」
朝七時、俺は奇声と共に起床した。
変な夢を見た。俺が死ぬ夢。
いや夢ではない。今はこれが現実だ。
『天使』、正式名称は「守護者」もしくは「ガーディアン」らしい。
死んでから数時間後に此処、天に浮かぶ守護者達の城である【アウシ・アタ】に連れてこられた。
別に大きなロボットとかは住んでいないし、変な大佐もいない。
ちなみに此処は東京の空の上だが、一応見えないようになっている。
そして、いきなり白い部屋に投げ込まれ、いろいろな検査を受け、いろいろと調べ上げられ、いろいろと大変だった。
結果、【Aランク】と認定された。
研究者曰く、ガーディアンになった直後からAランクをもらえるのは非常に稀有であり、自分に誇りを持つべきらしい。
研究者が言うには、ガーディアンのランクには
Eランク、Dランク、Cランク、Bランク、Aランク、Sランク、SSランク、SSSランク
という8種類が設けられており、それぞれが役割を持っているらしい。
と、ここに来てからのあらすじとガーディアンの説明をしている間に、
新人研修の時間になってしまった。
研究者曰く、一番めんどくさくて、一番だるくて、一番うざいらしい。
研究者に
『キミはAランクだから、特にそう感じるかもね。もちろんEでもDでも、同じことさ。何しろめんどくさい』
とも言われた。
顔を洗い、歯磨きを済ませるとちょうど7時30分、一秒も遅れずに豪奢な鐘の音が鳴り響いた。