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N.N.N.  作者: セカンド
3/18

ナクスの場合2

「そう、近くでPKが現れた」と暴力妹。 

 

「PKか」 俺は自分の声が冷たくなるのを感じた。


「PKですか!?」不意に隣で静かに見守っていたルイフェランスが声を荒げた。


「モンスターとの戦闘では、人は死なないけどPKは別だ・・・・・・」

珍しく静かに呟いた暴力姉だが、その目に憎悪と殺気が滾っているのを俺は見逃さなかった。


そう確かにPKなら人を殺すことができる、モンスターとの戦闘は元々ゲームだった頃から存在していたものだがPK要素は無かったものだ。PKはこの世界がトゥエンティエンスになってから生まれた新要素。故に国家間の戦争などの戦闘で負けた際に発動する強制ワープ機能が作動しない。


「でも、それを倒した奴がいるらしいのよ」さっきとは逆に顔が活き活きとし始めた紅陽。


「絶望の深淵」妹の方も表情は読めないが活き活き?としているように見える。


「あのPKKの絶望の深淵ですか?」ルイフェランスだけは不安そうにしている。よかった。お前はまだ常識人で助かった。この手の話題で盛り上がる奴らなんてまともな神経をしているはずがないのだ。

「お前らなぁPKKの追っかけなんていい加減やめろって命がいくつあってもたりねーぞ」

PKKとはPKを狩る者。つまるところ根は同じPKなのだ。PKKがPKをしないと誰が言い切れるだろうか。

それに同胞を殺されたPKがPKKを狙っているという話はよくある話だ。


「何びびってんのよ!PKを狩るPKKの中でも上位ランカーの絶望の深淵よ!?めちゃくちゃ戦ってみたいじゃない!!」


「右に同じ」


なんでこいつらは当然でしょって顔でこっちを見てくるんだろうか。やめてくれ俺まで戦闘狂だと思われるじゃないか。


ほらルイフェランスさんも唖然とした顔でお前らを見つめてるじゃないか。馬鹿なの?死ぬの?って顔してるぞ。


それに、紅陽は根本的な勘違いをしている。


絶望の深淵というのは、称号名のことであり、それは常に一定の人物を表しているわけではない。


絶望の深淵の称号を手に入れる条件は、絶望の深淵であった者をPKすること・・・・・・つまり殺すことだ。


今の絶望の深淵である俺は、PKKではあるが、その前の絶望の深淵はPKだった。


「なんでわかんないかなぁこの気持ちが、まぁどうせチキンでびびりで臆病なあんたにはわかないかもねぇ」

紅陽の挑発的な目が俺を見つめるがそんな手には乗らない。


そんなもんわかんなくてもいいし、チキンもびびりも臆病者も意味が被ってるだろ。と思ったがまた暴れだしそうなので黙っといた。


しかし、そんなことより今は絶望の深淵が現れたという情報に興味があった。

絶望の深淵がこのタイミングで現れるはずがないのだ。


なにせ、この俺がそのPKKなのだ。

つまり俺じゃない何者かがPKを倒し絶望の深淵であるPKKを釣るために絶望の深淵の名を騙っている可能性が高い。


俺は明らかにこの周辺に現れたPKを倒した人物に挑発されているわけだ。

これは、罠かもしれないが俺としてはPKの情報を得られそうな機会は逃したくはない。


そうヤツをあの世にぶちこむまで・・・


そうとすれば、この脳筋姉妹に付き合ってやるのもやぶさかではないな。



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