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N.N.N.  作者: セカンド
15/18

真名

「あ・・・・・・」


「やっと目が覚めたか」


あの後、俺はこいつを背負ってオールトールへと200キロメルトル以上の距離を走ってきた

のだ。


グラトニーを背負ってオールトール学園にそのまま戻ることも一瞬考えたが、会長や紅陽の反応を考えれば、それはあり得ないことだった。


傍目から見ればボロボロで服もまともに残っていないゴスロリ幼女を俺は背負っているように見えるわけで、そんなところを見られれば社会的破滅が訪れることは容易に想像できる。


俺は一生ロリコンのレッテルを貼られて生き続けることになること間違いなしだ。


そこで、背負ったままオールトール郊外にある自宅へとグラトニーを運んできたのだが、予想以上にグラトニーは重く、こんなに小さいのにどうしてこんなに重いのかとアイテム欄を見てみれば、インベントリをレアアイテムが埋め尽くしていた。


おそらく、今までPKしてきた奴らから奪い取ったものだろう。


もったいないので、捨てるのは断念し我慢して運んだ。


PKされた人の遺留品だとかそんなことは考えない。


物に意思や怨念は宿らない、特に俺達の世界ではそんなことを気にしていたら生きていけない。


実際、俺の装備も今まで戦ってきた奴らから押収した武器や防具が少なくない。


最初は寝ぼけまなこで俺を見ていたグラトニーだったが、先ほどの戦いを思いだしたのか一気に覚醒したようで俺の部屋をじろじろと眺めまわしている。


不必要なものはほとんど置いていない、簡素な部屋。


ベッド一つに机と椅子が一つずつ置かれている。


「貴方、私をどこへ連れ込んだの」


「俺の部屋」


それを聞いたグラトニーは一気に顔を赤くし、唇をわなわなとふるわせ始めた。


「も・・・・・・もしかして私に○○○させたり○○○に○○○○○を出し入れしたりピーをピーしたりピーしたりピーして、自分の子供を孕ませるつもりなの!?」


絶望したかの様な表情を浮かべるグラトニー。


「どこでそんな知識を手に入れたんだ」


呆れてものも言えないな、言ってるけど。


「イヤよ絶対嫌!貴方みたいな鬼畜野郎に処女膜破られるくらいだったら死んだ方がましだわ!!」


こいつ・・・・・・物言いがストレートすぎる。


グラトニーは全力で逃げようと布団を跳ね上げベッドから飛び出した。


「あ!おい、ちょっとまて」


ちょ、おまっ


「キャアアアアアアアアア」


鼓膜が破かれんばかりの悲鳴どうもありがとう。

案の定予想していた通りになった。


グラトニーは慌てて布団を被り直して、頭だけのぞかせた。


「わ・・・・・・私裸じゃないの!服は?服をどこへやったのよ」


治療する際に邪魔な衣服は全てはぎ取ってしまった。


元々、布切れになっていてほとんど服としての機能を果たしていなかったし。


不可抗力というやつである。


決して幼女の体を眺めて欲情したりはしていない。



決してしていない。



これは大事なことなので二度言いました。


「悪いな、服は邪魔だったんで全部剥ぎ取らせてもらった」


グラトニーの赤かった顔が今度は蒼白になった。


「ももももももももしかして事後?事後なの?私の処女膜は既に破られて貴方の汚い○○○が私の大事な○○に叩きつけられて、もう妊娠してるのね、そうなんでしょう!?」


「お前、ちょっと落ち着け、常識的に考えてお前のその未発達な体に欲情するような男がいると思っているのか?だとしたらそれは大きな間違いだ、俺はどちらかと言えば巨乳でお姉さんな人が好みだからな、お前はまるで正反対、つまり対象外なんだ、分かるか?」

それを聞いたグラトニーは一気に真顔に戻った。


「それで?貴方は私をどうするつもりなの」


さっきとは打って変わって冷静な口調になった。


「切り替えはえーなおい」


こいつの処遇に関しては寝ている間にずっと考えていた。


この歳でPKなんて、ましてや七つの大罪の一人であるなど尋常ではない。


幼い頃からろくな生活を送ってきてはいないだろう。


俺も、幼い頃は親を知らずに路地裏で盗みを働いて暮らしていた。


それでも、教会に拾われてやっと温かい暮らしを送ることができた。


とても短い間だったが。


そんな俺に出来る事はなんだろうか。


そう思った時に俺はグラトニーを奴隷という建前で従わせることを思いついたのだ。


いや、これは後付けの理由にすぎないのだが・・・・・・。


「お前には、オールトール学園へ通ってもらおうと思う」


グラトニーは驚いたように目をまるくした。


「私が?学園?なんの冗談なのかしら、全く笑えないわ・・・・・・」


「俺は大マジだ」


「ふざけるな!私はレッドネームプレイヤーで七つの大罪で人殺しなんだぞ!そんな奴がどうして学園なんて行けると思うんだ、無理に決まってる」


「俺だって通えてる、お前に無理なはずがないだろ」


「貴方みたいなぬるま湯に浸かったような奴に私の何がわかるっていうの!私はPKなのよ!貴方はPKKなんでしょレッドネームの気持ちなんか分かるはずがないわ・・・・・・分かるはずがない」


「PKだってPKKだって人殺しという点では同類だろ、どこが違う」


「貴方馬鹿なの・・・・・・罪のない人を殺してきたPKと罪を犯したPKを断罪するPKKどちらが正義かなんてはっきりしてる、どっちが正しいかなんてはっきりしてる!」


「正義か正義じゃないかなんて関係ない!俺はPKが憎かったから殺してきたんだ、私怨だよ、俺とお前にほとんど違いはない、お前はまだ間に合う気がするんだ、普通の生活に戻れる、そんな気がするんだ」


「騙されないわ!私はレッドネームなのよ、人ごみに紛れこんだって一発でPKだって分かるのよ、人並みに生活できるはずがない」


俺はニヤリと口をゆがめる。


「それはどうかな、自分の名前をタゲってみろよ」


「何をいって・・・・・・な!?私の名前が赤色じゃなくなってる」


「俺は初代の絶望の深淵を殺した時にこの能力を手に入れた、俺に負けた者はレッドネームから一般ネームに戻るパッシブスキルをな、そして誓った、ある一人のPKを除いて、もう誰もPKを殺さないと、それから俺は俺に負けたPKには全てその首輪をつけて普通の生活をするように約束させている」


「偽善だわ」

確かに偽善かもしれない、PKKの俺がPKに対してこんなことをすればそう思われても仕方ない、だが、そんなことを恐れていたら俺は、いや俺達は前に進むことができない、PKを倒すことだけがPKKじゃない、少なくとも今はそう思っている。

「そんなこといってたらこの世の全てが偽善さ、PKとしての罪はこれから償えばいい、俺ができる範囲でフォローもする、迷ったり悩んだらとりあえず一歩踏み出せ、受け売りだけどな、どうだグラトニー俺と一緒にこないか」

グラトニーは布団を握り締めうつむいたまま黙り込んだ。


そのまま沈黙が数分間続いただろうか。


辺りはすっかり暗くなり窓からは綺麗な満月の月光が静かに降り注いでいた。


彼女は何かを決心したように、顔を上げ何かを呟いた。


「私の・・・・・・名前・・・・・・グラトニーじゃ・・・・・・ないから」


「なんだって?」


声が小さくてよく聞き取れなかった。


俺がそう言うと彼女は肩を震わせて顔を真っ赤にしながら叫んだ。


「私の真名!グラトニーじゃないからっ」


「そっか・・・・・・それじゃあなんて呼べばいいかな」


「アイナ・・・・・・アイナ・シュタイン」


その時の真っ赤になったアイナのあまりの可愛らしさにSSを密かにとっていたことは、俺だけの秘密だ。


会話がぶっ飛んできたのは気にしないでください。

今後どんどん飛んでくるかもしれません

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