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始まり3

ザリス「はぁ…やっと終わったか。」

遮断式のゲートが開き、車がゆっくりと入場していく。

イシリアスは布を覆いかぶさっていたので、門の形は分からなかった。

だが、遮断機の上がる音が鳴り終わった後、大きな影が布の縫い目から入っていた光を遮った。

その影の大きさから門の大きさ、ベースキャンプの規模を理解した。


しばらくしてからザリスの声が聞こえた。

ザリス「よし!少年。もうその布取っていいよ。」

少年は被っていた布を恐る恐る取った。


光が眩しい。

眩しい光に目が慣れるのに少し時間がかかったが、マントのような布を取ったイシリアスは面食らった。


まるで軍の駐屯地のようだ。

走っている車は装甲車や、輸送車ばかりだ。


戦争中なのか?何と?さっきの化け物か!

なるほど、段々と分かってきた。

この世界の実態が。


イシリアスがシリアスな目付きで、まじまじと外の景色を眺めていると、隣に座っているザリスが口を開いた。

ザリス「イシリアス君と言っていたよね。どうかな?私達の家は?気に入ってくれたかな?」

イシリアスは周りに注意を払うことを忘れていた事に気がついてハッとした。


イシリアス「車が沢山走っていて感動しました。」

イシリアスは焦った気持ちを隠して、わざとおどおどした態度で答えた。

ザリスはその姿を見てニヤけて話しだした。

ザリス「みんなそうさ。外から来た人達は誰だってこの景色に圧倒されて戸惑う。こんなに栄えた所で自分は馴染めるだろうか?と。だけど安心してここでは誰もがそう。そして誰もがここでの生活で幸福を得る。」

ザリスはこの場所に心酔しているように頬を和らげてそう言った。

イシリアスはその言葉を信じられなかった。

なぜなら彼は元の世界で誰もが幸せになれる環境などない事を知っていたらだ。

不信感を抱いていたが、自分の命を救ってくれた人の言う事を信じてみたくなったのも確かだった。


ザリス「さぁ!そろそろ目的地に着くよ。降りる準備をして」

イシリアス「分かりました」

車が止まった。着いた場所は小さいキャンプだった。

ザリスとイシリアスは二人だけ降りた。

ザリスは車から降りると引き続き先を急ぐ仲間達に手を振っていた。

ザリス「じゃあねぇー!」

大きな声でお別れを言ったザリスとは逆に車に乗っている男達は何も言わず、手だけを振っていた。

ザリス「ここが私の家だ。小さくはあるが、寝袋も、コンロも水もある。存分に寛いでくれ!」

イシリアス「あの、私もここで暮らすんですか?」

ザリス「ああ。そうだが、何か問題でもあるか!」

イシリアス「いえ別に。ありがとうがざいます」

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