目覚め4
やけに心地良い。
今まで生きてきて、こんなに心地良い瞬間は無かった。
俺の代わりに闘ってくれてたあの女性がどうなったかとか、今自分が生きているのか死んでるのか何て、全部どうでもよく思える。
視覚、聴覚で感じてるのか分からないけど。
いい感じだ。
まて、あのさっきの女が磔にされてる。
助けないと、助けないと。
そうだ。こんなにいい感じなんだから闘えるはずだ。
いや。
勝てる。
化け物はネオ・イシリアスにターゲットを変えて襲いかかった。
ザリスはさっきの一撃を受け止めて体の動きが遅れ、少年の方へ行く化け物を止められずいた。
少年が見た、または脳が認識した感覚は走馬灯だった。
そしてその特殊な現象に晒された脳は覚醒し、彼の本来の力を一時的にではあるが顕現させた。
ネオ・イシリアスは小さな掌を怪物に向けた。
すると化け物は一切の動きを止め、ゆっくりと振り返り去って行った。
ザリス(何が起きた!?)
化け物が消えるとネオ・イシリアスは膝から崩れ落ちた
その最中でも銃声は鳴り止まなかった。
ホリス少佐「撃ち続けろ!勝てなくて良い!足止めで十分だ!」
化け物の歩みは止まらなかったが、確実に足止めが出来ていた。
化け物「うおおおおおぉ!」
化け物が大きな声で吠えた。
後ろからザリスの声が聞こえてきた。
ザリス「私だ!すまない!作戦は中断し、帰還するぞ!」
ザリスは少年を脇に抱えてそう言った。
ホリス少佐「誰ですか!そいつ!」
ザリス「話しは後だ!全体!銃撃を続けながら後退!」
一団は少しずつ、怪物から距離を離し建物の外へと脱出した。
あ~頭がクラクラする。気持ち悪い。最悪な気分だ。
何だ?うるさいな。何の声だ。
ザリス中佐「おい!少年!」
目が覚めると不思議と気持ち悪さは消え、爽やかな気分だった。
ネオ・イシリアス「ここはどこだ?」
ネオ・イシリアスは良い朝を迎えたように声を出した。
ザリス中佐「お目覚めかな?少年。ここは車の上だ。君、名前は何ていう?」
ザリス中佐は眉毛を片方だけ上げてイタズラ小僧のように話した。
ネオ・イシリアス「ネオ・イシリアス。助けられたようだな。ありがとう。あなたの名前は何ていうんですか?」
ザリス中佐「私はザリス。元気そうだな少年。とりあえずよかった。」
ネオ・イシリアスは車の中を見回した。
敵意に似た警戒心だ。周りの武装した人間の視線も冷たい。
この車はどこに向かっているのだろう?
急に不安に襲われた。
ネオ・イシリアス「この車はどこに向かってるんですか?」




