ブルーボトルの製作者
イタリアミラノに住む一人の男性。レオナルド・ブルーボトル。レオナルドはミラノの街の中で最も親しみ深い人の一人と言われている。
レオナルドは、ミラノの小さな工房で美味しいカフェラテを飲むために、自作デザインで製造したボトルを販売している。それがブルーボトルだ。またレオナルドの普段の仕事は、その工房を利用し、ものづくりや工房の隣で営んでいるカフェだ。製造されているボトルやカップなどの素材の香りや実物を眺めながらコーヒーを楽しめるお店はそう多くはない。カフェには連日多くの隣人のお客さんがやってくる。みなレオナルドの作るエスプレッソに魅了されているみたいだ。
お客さん「このエスプレッソにはこだわりはあるのか?」
レオナルド「特に特別なことはしないですよ。ただ美味しくなるように日々念じて、お客さんがおいしくいただいている姿を想像するだけです。」
レオナルドは謙虚だ。いつもお客さんとの密なコミュニケーションを大切にし、コーヒーが人々をつなげてくれることを信じている。
レオナルド「美味しくなれよ〜。この一杯が人の心を豊かにするんだ。」
お客さんが満足した顔をしてまた新しいお客さんを呼んでくれる。ビジネスとしてはそこが大事だ。
ある休日の話だ。レオナルドは飛行機に乗り、シチリア島に向かった。たくさんのお客さんに美味しいコーヒーをサービスするには自分が休養をしっかり取ることで継続的なサービスを維持できることをレオナルドは知っている。
レオナルドはファルコーネ・ポルセリーノ空港に降り立ち、パレルモに向かった。前8世紀にフェニキア人が建設し、中世にはシチリア王国の首都となった場所だ。
レオナルド「パレルモ湾の近くに美味しいカフェラテが飲める場所があるといいな。」
ミラノの工房からブルーボトルを持参し、海の近場で経営しているカフェでカフェラテを入れ、ゆっくり過ごそうとしていた。海風が流れ込み、人々の声で賑わっている。
散策を続けているとテラス席が非常に賑わっているカフェを発見した。
レオナルド「このお店でカフェラテもらうことにしよう。」
お店に入ると、レジカウンターで綺麗な女性が一人立って話しかけてきた。
女性店員「こんにちは。何か必要なものはありますか?おすすめは、エスプレッソと一緒に楽しむティラミスです。」
レオナルド「こんにちは。カフェラテをいただきたくてきました。ティラミスも一緒に頂いてもいいですか?すごい美味しそうです。」
ティラミスも非常に美味しそうで口の中に涎が溜まっていたことに気づき、欲望のままに注文してしまった。やはり美味しいものには目がない。人間は美味しいものからは逃れることはできない。
レオナルド「でもいいことだ。だってこれは自分のための休日なんだ。」
注文の後、店員さんと軽い雑談を交わし始めた。普段のお客さんの雰囲気や近場でこの後に落ち着いてカフェラテを飲むために良さそうな場所について知りたい。
レオナルド「普段からお客さんはこんな賑やかなのかい?僕もカフェを経営しているのですが、非常に賑わっていてびっくりしました。」
店員さん「ああ、そうだったんですね!普段から賑やかですよ。近くに海があるからですかね。のんびりする人や会話を楽しむ人、このお店はたくさんの人に愛されているお店です。」
レオナルド「それは素晴らしいですね。ちなみにこのあたりで海を眺めながらゆっくり過ごせる場所はどこかありますか?」
店員さん「もちろんありますよ。近くにビーチがあるのでそこにいくといいですよ。」
店員さんからおすすめのビーチを教えてもらった。人が賑やかなビーチということでレオナルドの心も賑やかになる。これは行くしかない。
レオナルド「チャーオ!」
店員さんに別れをつげ、バレルモ湾が見えるビーチ沿いでカフェラテを飲むことにした。
シチリア島に訪れたのはこれが初めてで、地図も見ずに街を散策しながらレオナルドは楽しんでいた。