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魔女の異世界戦国奇譚  作者: 浅月
24/41

獣人

 時は遡り、開戦直前の朝―――。


 少女は頬をくすぐる感触に、不意に覚醒した。そよぐ風、草の匂い。身体をゆっくりと起こし、暫し瞑目する。朦朧とした意識が次第に明瞭なものとなってゆくのを感じ、少女は薄っすらとその眼を開いた。


「ここは…?」


 見覚えのある、街道。南北を切り立った山に囲まれた、アウベルス近郊の山道だ。そこまで把握してふと記憶が鮮明に蘇り、少女は勢い良く腹部を擦った。


「傷が…ない…!?」


 そう、あの時私は確かにあの翼人族の男の得物で腹部を刺されたはずだ。なのに…傷がない。生きているのだ。いや、そもそも何故私はこのような場所で目を覚ましたのか?あれからどれ位経った?過ぎた日数を星で調べようにも生憎今は真っ昼間だ。


 …分からない。もしや止めをさされそこねたか?だが傷が残っていない訳が分からない。…あえて生かされたのか?…でも何故?


 疑問が疑問を呼び、少女の思考は袋小路に迷い込む。だが一つだけはっきりとしている事がある。それは私が任務の遂行に失敗したという事実。あの場にはファルウルスの密偵も潜んでいた。つまり我々コルフォーナに先んじてファルウルスがアウベルスの情報を入手したと言う事だ。由々しき事態。少女の頬に一筋ツゥ、と汗が流れる。

 

 此度の失態は国の存亡に関わる問題であろう。アウベルスを手中に納められたという事は喉元に刃を突きつけられているといっても過言ではない。尚且つあの村は大陸の北、ベシマール帝国へ向かう為に必要となる唯一の港を有している。宗主国・ウィアヘルムにも勿論港は存在するが、あちらは海の港だ。海路を使い北へ向かえない事もないが、生憎ベシマール帝国は大陸のほぼ中央、リュウワット湖沿岸に居を構えている。アウベルスから向かった方が圧倒的に早く、尚且つ消耗も少なくて済むのだ。ただ、あの国が今の我が国に港を使わせるとは思えない。世は無情だ。国力で勝る大国、ウィアヘルムには現状、太刀打ちなど出来ない。

 

 ベシマール帝国も力が衰えたとはいえ仮にも天下を手中に納めていた大国。この戦国乱世、北に上るのは数多ある国にとって重要課題なのである。故にアウベルスは重要なのだ。ファルウルスとの戦の最前線の村、という事実だけがその全てではない。


 急ぎ、戻らねば。手遅れとなる前に。忍にとって任務失敗は死を意味する。戻ったとて待っているのは自決も許されぬ非情の沙汰のみ。だが、祖国の為に忍として生きてきた私は死ぬと分かっていても情報を必ず持ち帰る。それが忍なのだ。体はどこも痛くはない。何なら調子がいい位だ。…走れる。そう確信し、二、三屈伸をした少女は駆け出した。…否、駆け出せなかった。何故ならば。





           ゴウッ!!



「な、なんだ!?」


 辺り一帯を突如支配する、圧倒的な魔力の重圧。大気が震え、空が一瞬死んだかのような錯覚に陥る。このような魔力は今迄感じた事はない。…いや、違う。私はこの魔力を知っている!!そう、あの日アウベルスで見た風変わりの女の魔力だ!!何かがアウベルスで起こっている…。確かめぬ訳にはいかない。少女はクルリと踵を返し、魔力の発生源たる場所へ向かう事にした。





「な、これは!!」


 辿り着いたのはアウベルス一帯を見渡せる山道の崖。少女がアウベルスに駐屯する為拠点としていた場所だ。そこには衝撃の光景が広がっていた。先ずアウベルス近郊の丘…恐らくファルウルス側の密偵が潜んでいたであろうその場所は結界なのだろうか、蒼白い巨大な半球状のドームに覆われていた。そして平原に累々と横たわる翼人族のつわものども。だが何よりも目を引いたのは遥か上空に浮かぶ二人の人影。片方は紅く輝く刃を携えた漆黒の翼の偉丈夫。そしてもう一人はこの世のものとは思えない程美しい、額に一角を持つ白銀の馬の背に乗るその身に不釣り合いな大鎌を持ったあの時の女。あの翼人族…恐らくファルウルスのスオウ・ハーネスト。そしてもう一人は…。


「…宵闇の…魔女っ…!!」


 口にした後で少女は確信する。あれは伝説の魔女だ…!!その圧倒的な魔力、伝承に聞く大鎌、白銀の一角獣。間違いない。それ以外の存在な訳はない。


「とんでもない事になってしまった…」


 状況から察するに、私が意識を失っていた間に状況は大きく推移していたようだ。今目の前で起こっているのはアウベルスとファルウルスの戦に他ならない。そして恐らくはこの戦、ファルウルスは敗れる。いかなスオウ・ハーネストとて伝承通りの宵闇の魔女であれば、討死するより他はない。


 この戦、見届けねばならぬ。ゆくゆくあの魔女の前に立っているのは我が国になるのだから。


 少女は顔をしかめ、その一切の成り行きを見守るの事にするのだった。

 









「姫、あれで良かったのか?」


 レイちゃんの家の一室でウルミちゃんから農地開拓関連の報告を受けている最中、トキワくんがやって来た。ファルウルスによるアウベルス侵攻から数日が経ち、戦後処理…っていっても基本的に何をしたらいいのか分からないので、ファルウルスの処遇に関しては殆どトキワくんとツルバミくんに丸投げにし、私自身はアウベルスを国にするため元々アウベルスを治めていたゲインさん、レイちゃん、バースさん、そしてウルミちゃん、シュエンくんと共に国の方針や法令関係の整備に日々の時間を費やしていた。要は元々あったアウベルスの村法の確認と、それをベースにハーネスト、ファルウルス…つまりは翼人族の習慣や法律を組み合わせる作業なんだけど、なかなかこれが難しい。なので基本的な方針として、あっちの会社の経営と日本の憲法を参考にすることにした。まず国家元首として私が存在するが、基本国内の決め事は稟議を会議によって精査し、承認を得る。その後最終ゴーサインは私が出す、という方法だ。私が全部決めるのはおかしいし、明らかにキャパオーバーだもん。因みに私が間違った判断を下すかもしれないのでトキワくんが監査を行う。これにより皆の大まかな役職が決まってきた。


 国家元首…私こと、エル

 最終監査兼国軍総大将…トキワ・ハーネスト

 稟議決定官兼行政責任者…レイチェル

 上記補佐…バース

 国内司法責任者…ゲイン

 国内立法責任者兼ファルウルス市長…シュエン

 議員兼自然保護責任者…ドリ、リュア

 重要防御拠点、黒霧の森責任者…トゥランヌス

 国内警備部長…ツルバミ

 食料維持管理部長…ウルミ


 役職はほぼほぼ固定で行く予定だが、必要に応じて増やすつもりでいる。特に今の所直ぐに困るといった事は無いが、この先ここが首都となる事を考えるとやっぱり衣食住の内食以外の責任者も必要になってくるたろう。現状、防衛上必要な物は国民総出で対応しているし、私、洋服好きだし。議員に関しても一年任期で選挙によって国民から選出する。国民の自由な意見を取り入れたいし、だから議員には役職者の案に否定も意見も出来る権利をちゃんと与える。国民主権なのだ。だけど仕掛けられた戦に関しては判断に迅速性が必要になってくるから決定権は私が持つ事に、総大将のトキワくんがその相談役とした。こればっかりは仕方がない。勿論軍議は役員皆で行うけど。


 因みにシュエンくんが「俺にまつりごとなんか任せてもよいのか?一応敵対した国の者だぞ」と言っていたけど、今はウチの国の人間。私は仲間の事はちゃんと信用するんだ。


 そして、国の名前も決定した。残念ながらネーミングセンス皆無な私だから早速会議にかけてもらい、皆で決めて貰った。


        ―アウベルス人魔共同体―


 これがこの国…私の国の正式名称になる。名前が決まっただけで、何だか気持ちが引き締まる。でもさ。


「ちょっとぉ、トキワくん〜、姫はやめてよぉ」


 トキワくんが姫と呼び出したので皆にそれが定着してしまった。私、姫ってキャラじゃないよぅ。破壊王、魔女、姫…。私の二つ名がどんどん増えてゆく…。頭の中で笑い転げる市山を幻視してしまった。ちきしょう、市山のやろう。


「いや、姫以外は有り得ぬだろう?我らの主君なのだからな」


「分かってるけど恥ずかしいんだよっ」


「いいではないですか、姫のほうがしっくりきますよ」


「うぅ~、ウルミちゃんまで〜」


 ウルミちゃんのイタズラな笑顔を見ながらふと思う。最近、なんだか皆に弄られる事が増えた気がする。ふんだ、もう開き直ってやるっ。


「と、ところでさ、あれってなんの事?」


 強引に話を戻す事にする私。けして不自然にじゃないけどねっ。ニヤニヤ笑っていたトキワくんだったが当初の目的を果たす為表情をキリッとした物に戻してくれた。


「ああ、あの獣人族の事だ。ツルバミから報告を受けたがつい最近コルフォーナに向かったそうだ。情報をたんまりと持って帰った形だ。国造りで忙しい所に攻め入って来てもおかしくないぞ?」


「うん。確かに今来られるのはしんどいかもね。でも直ぐには来ないと思うんだ。」

 

 そう言って私はテーブルの上に地図を広げた。因みにこの地図はシュエンくんから貰ったファルウルス製の物だ。流石に国盗りを意識していただけあって地形や国の位置が詳細に書き込まれている。所謂(いわゆる)国家機密ってやつかな。


「勿論、直ぐ来ちゃう可能性も無きにしもあらずなんだけど、コルフォーナってこのウィアヘルムの属国なんだよね?」


「そうだ。大国ウィアヘルムが宗主国として周辺諸国を支配している。コルフォーナはウィアヘルムを構成している一国家に過ぎん」


「確か十数年前まであの辺りの国はそれぞれ独立して互いに争っていたけどウィアヘルムのグラムハルト王がそれらを平定して今の版図になった…のでしたね」


 うむ、とトキワくんが頷く。


「当時からウィアヘルムは別格の国力を誇っていたが周囲の争いには我関せずを貫き一国支配に拘っていた。それがグラムハルトが世を継いでからだな。方針を一転させ一気に周辺諸国を従属させた」


「うん。シュエンくんからも聞いたけどそれを聞いて確信したんだ。きっとコルフォーナがファルウルスと争ってたのってウィアヘルムからの指示なんだろうって。位置的にも一番アウベルス(ここ)に近いし、国力的にもファルウルスと同レベルくらいだし」


「で、あろうな。でなければコルフォーナ単体で戦をするとは考えにくい。独断とあらば謀叛を疑われても致し方ないだろうしな」


「そう考えた時思ったの。ファルウルスを下した新興国の国家元首が()()()()()()()()()、きっとコルフォーナだけでは手に負えない。援軍を要求してより大きな力で戦に望むって」


「故にわざと情報を出来るだけ与え、無傷で返した…と?」


「うん。私だって戦なんかしたくない。私に警戒して手を出さないでくれるんならそれでいい。こっちから仕掛ける理由も無いし。でも向こうが戦をするって言うんだったら親玉を引っ張り出した方が手っ取り早いよね?…て自信過剰みたいでなんかヤなんだけど。シュエンくんにも『ワザと逃がすのが好きだな』って嫌味言われちゃったしね」


 てへへ、と私は頭を掻いた。


「…ははっ、合格だよ。姫。大局をよく見れている」


「…へ?合格?」


 ついつい間抜けな声が出てしまった。ん?合格?…あー!!もしかして、トキワくん私を試してた!?


「もう一つ言うとだな、コルフォーナ。あれはウィアヘルムに対して下剋上を狙ってるぞ」


 ジト目の私を尻目にトキワくんは地図のコルフォーナを指し示す。


「元々は独立した一国家だ。従属に甘んじているのも今は力が足りない、ただそれだけだ。恐らくあの国はこう考えていただろう。ウィアヘルムから命じられたファルウルス討伐を果たした後、どさくさに紛れ翼人族を従属化し、戦で得たものを自国の糧とする。尚且つアウベルスを抑えリュウワット湖の交通利権を独占しウィアヘルムより優位に立とうと、な。ファルウルスとの戦に何年も単体で挑む事に拘っていたのが良い証拠だ。情報を与えたのが鬼と出るか蛇と出るか…まぁウィアヘルムは気付いた上で泳がしているんだろうが、出張って来るのは確定だろう。まぁ、何はともあれコルフォーナ内部の考えの纏めやウィアヘルムとのやり取りがあるだろうから今暫くは直ぐに戦、とはならんだろうな」


「うん。私もそう思う。そうだ、トキワくん。ツルバミくんに頼んでコルフォーナの内情ちょっと見てきて貰えないかな?」


 ツルバミくんは国内警備部長。今彼はファルウルスの翼人族で構成した警備隊を率いている。その中にはシュエンくんが育てた密偵も数名いるのだ。


「ああ、分かった。直ぐに伝えておこう」


 お願い、と伝え、私はうーん、と伸びをした。大国ウィアヘルム、か。どんどん話が大きくなってきたな。最初はアウベルスを助けるって話だったのにいつの間にか私、姫だし。でもこんなのも悪くない。戦はきっとまたすぐ起こるだろう。問題は山積みだ。でも今、人族と翼人族が手を取り合えてる。トキワくん達もファルウルスと上手くやれてる。皆、笑顔なんだ。これからも皆ずっと笑顔でいて欲しい。皆で楽しい国、作れたらいいな。そう思うんだ。


「さーて、それじゃあウルミちゃん、仕事、終わらせちゃおっか」


「はい、姫」


 やりかけだった報告会を終わらせて、頑張って作ったお風呂に入る為、私達は書類とにらめっこを再開するのだった。








「…以上がアウベルスで私が見た全てであります」


 蝋燭の炎揺らめく大広間。石造りの冷えた空間に少女の声が響く。コルフォーナの王城おうき、ガリウス城の謁見の間だ。


「…報告ご苦労。由々しき事態であるな。ベイヤードよ」


「はっ」


 傍らに控えたベイヤードと呼ばれた男が短く答えた。


「此度の失態…高くつくぞ。のう?ラティスよ」


 ツカツカと少女に歩み寄り、その喉元に徐ろに抜いた長剣の切っ先をつきつける。

 

「…元より承知の上であります。このラティス、忍として生きると決めた日に命などとうに捨てておりまする。…沙汰を、申し付け下さい」


 少女、いやラティスは微動だにせず真っ直ぐにベイヤードを見つめ返す。氷の様に冷え切った、されど己の運命を受け入れた、そんな目だ。


「…よい。ベイヤードよ。どのみちファルウルスとの膠着状態はこの先もずっと続いておったのだ。今此奴を処分したとて獲られるものは何も無かろう。戦力を失うだけぞ」


「しかし、王よ。それでは他の忍…いや、我等が兵達に示しが付きませぬ」


「分かっておる。…ラティスよ。沙汰があるまで蟄居を申し付ける。下がれ」


「…はっ」


 ラティスの目が一瞬大きく開かれ、だがすぐに元の冷たい目に戻る。了解の意を答えたすぐ後、彼女は背後の闇に消えた。


「寛大でありますな、王よ」


「致し方なかろう。あやつを…【速攻の雌豹】を今失う訳にはいかぬ。それ程までに我が国は脆弱ぞ。ベイヤードよ。出立の支度を」


「如何なされるおつもりで?」


「ウィアヘルムへ参る。丁度、定例御前会議の頃だ。流石に宵闇の魔女の興国とあっては黙っている訳にも参らんて」


「では、あの国に救援要請を?」


 王はふぅ、と長めの溜息を漏らした。起こってしまった事はもうどうする事も出来ない。ラティスを刑罰に処するのは簡単な事だ。だがそれで事態の何が変わるというのか。ならば他の道を模索するのが妥当というもの。王として、判断を違える事だけはあってはならない。良き判断を下せて来たからこそ今、コルフォーナは存続出来ているのである。

 

「ままならぬものよのう。じゃが、道は必ずあるはずよ」


 歴代の王でも稀代の賢王と言われた彼は、その知略によって幾度も窮地を脱してきた。だからこそベイヤードは従うのだ。


「夢幻にはさせぬさ。参るぞ、ベイヤード」


「はっ」


 蝋燭の炎が立ち上がった王の影を、揺らした。










 ザァァァ。


 大きめに作った湯船に張った満々のお湯が、五人分の体積に押されて縁から流れ落ちた。高めの塀で囲われた野外の空間はポカポカと暖かな湯気と涼しい外気でとても心地よい。


「ふぅ~、気持ちいい〜」


 私、レイちゃん、ウルミちゃん、ドリちゃん、リュアちゃんは皆揃って蕩けた表情になっていた。頑張って作ったお風呂。露天風呂方式なんだけど、実はこれ、ホントに温泉なのだ。最初は薪で沸かすお風呂を作る予定だったけど、農地開拓中にウルミちゃんが源泉を掘り当てたんだ。そこ、都合良すぎとか言わないっ!!


「お風呂っていいものですね〜、姫〜」


「そうでしょ〜?私、こっちに来る前にいた日本ではよく温泉に出かけてたんだよ」


 ホワホワ顔のレイちゃん。すっかりお風呂の虜だ。


「そう言えば姫は転移なされたんですね。お召し物も見かけないものですし。あのぶらじゃー?あれは一体何なのでしょう?姫、体に跡が残ってますよ?」


 ウルミちゃんが私の背中を見ながら首を傾げた。


「あ、あれね。お胸をね形良く見せるためのものなんだ。私、そんなにおっきくないしね、実はパットで大きさ誤魔化してるんだ」


 てへへ、と笑う。うん。笑うしかないんだこんちきしょー。


「姫」

「私達も」

『ぶらじゃーつけたら大きく見えるでしょうか?』


 森の精霊達もやっぱり女の子だった。彼女達に肉体的な成長はない。大きくならない事に不満だったようだ。


「うん。でもドリちゃん達はそのままで良いと思うけどな〜?」


「姫」

「それは」

『ダメですぅ!!』


 二人に怒られてしまった。かく言う私もコンプレックスなのだ。色々試したんだけどこれ以上は…、て諦めてないし!!


「大きくても肩が凝るだけですよ?ねぇウルミちゃん?」


「はい。姫位の可愛い大きさが理想です」


 レイちゃんとウルミちゃんがよいしょ、とその大きく立派な物を持ち上げた。特にウルミちゃんのそれは最早凶器。うぅ、それぞれ悩みがあるのは分かるけどさぁ。それ、絶対贅沢な悩みだよ。ズルい!!


「あ~あ、魔術でおっきく出来ないかなぁ」


 聞こえないようにボソッと小声で呟いた。多分、反則だと思う。実際、何度か魔術を新しく作ったんだ。出来る気がしてしょうがない。今度気付かれないようにちょっとやってみようかな?などと良からぬ事を考えてみる。


「姫っ、私とウルミちゃんのぶらじゃーも作って欲しいです」


「うん。後で可愛いの皆に作ってあげるね」


 満天の星空の下、湯気に包まれた私達のガールズトークは暫く続いたのだった。


 

いつもありがとうございます。最新話更新です。

前回振り回された花織さんとは対象的にエルさん達には何とも平和な感じで過ごして頂きました。

温泉…都合よく湧きました(笑)薪でも良かったのですが一仕事終えた皆さんに僅かばかりのご褒美がてら、ということで。

これからも宜しくお願い致します。



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