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8.神との遭遇②

敵の正体がチラホラ出てきます( ゜ー゜)


感想、評価、ブクマ頂けると励みになりますので、よろしくお願いします(*^^*)


「あれ、やばくないか!?」


 大柄な男に、集まる尋常じゃない力を見て焦る俺。


『俺様も、面倒なヤツが来てそうだとは思ったが。まさか、"軍神"とはな』


「正直、予想外だったわね。今の状態で戦うのは、分が悪すぎる」


 【琥王】と詩道の声から、相当良くない状況だってのは嫌でも分かる。俺の知らない単語も飛び出すが、細かいことを気にしている状況でも無さそうだ。


『今はお荷物もいるし』


 【斬魔】は相変わらず辛辣だった。


『さて、どうする?あの様子だと、作戦話し合う時間も無さそうだぞ?俺様の推奨は逃げるだが、簡単には逃げれそうに無いな』


「私と【斬魔】で応戦する。何とかするから、隙を見付けて貴方達は逃げて」


 詩道がそういうと同時に、


「いくぞ!生きていたら存分に戦おう!」


 大柄な男が、ビルを素手で殴り付ける。

 ただ、それだけだった。その瞬間、大きな地震と錯覚するほどビルが揺れ、足元が傾きだした。


 詩道は男がいる方に向かって走り出す。詩道の強さは知っているつもりだ。なんせ俺自身が殺されかけてる。

 そもそも、味方と決まった訳でもない。

 でも、覚悟を決めたような表情を見て、胸騒ぎがした。別に大した仲でも無い筈なのに、自然と言葉を発していた。


「詩道!お前には聞きたいことが山程有るんだ!だから、無事に帰ってキッチリ説明しろよ!」


 詩道はこちらを振り向かない。でも、何となく少し笑っている気がした。


「それは、こっちのセリフよ。しっかり逃げなさい」

 詩道はそのまま、殴った本人に向けてビルから飛び降りる。


『俺様達は、反対側だ!ぼさっとするな!』


 【琥王】の声を聞き、咄嗟に反対側に向かって走り出す。ってか、飛び降りて大丈夫な高さか!?


『纏った力を弱めるなよ!生身で落ちなきゃ大丈夫だ!このまま、瓦礫の下敷きになるよりマシだろ』


 覚悟を決めて外に飛び出す。背後でビルが崩れ落ちる大きな音が聞こえた。



「ふむ。気配は2つ有ったように思ったが」


 男は、ビルが崩れた砂埃の中、生身で詩道の攻撃を受け止めながら思案する。


「まぁ良い!出てきたならば、その時に対処しようではないか!」


 そのまま、腕を振り払い詩道を弾き飛ばす。


「固いね。勝てると思う?」


 【斬魔】に詩道が尋ねる。


『今の状態だと怪しい。そもそも、"六神(ヘキサグラム)"が出てくる事が予想外』


 それもそうだ。偶然にしてはタイミングが良すぎる。依頼(オーダー)が外部に漏れた?それとも別の何かが・・・


『考えるのは後。今は目の前の敵に集中』


 【斬魔】の声で、考えを振り払う。ここで私が時間を稼げなければ、全てが終わってしまう。


 相手を見据え、構える。


「小娘が我の相手か!しかし、中々どうして筋は良い!我に名を名乗ることを許してやろう!」


「あなたに名乗る必要性を感じない」


 全速で駆け出す。【斬魔】を左から振り払うが、あっさり止められる。反動を利用し、切り返すがそれも止められる。反撃を警戒しながら、距離を保ち、切りつけるが攻撃は当たらない。

 腕を振り回され、また弾き飛ばされる。空中で体制を立て直し着地する。


戦場(いくさば)で名を名乗るのは、慣例であるぞ!これだから、信仰心を無くす者が増えるのだ!」


 ガハハハハハ!と男が続ける。


「良かろう!貴様が名乗らずとも我は名乗ろう!」


 一際大きな声で名乗りを上げる。


「神の先鋒"軍神"アレスである!しかと胸に刻み込み、救済を受け入れよ!」


 アレスと名乗った男は、一直線に突っ込んでくる。


「知ってるわよ。この脳筋バカッ」


 突進をかわす。アレスが瓦礫に突っ込み、大きな土煙が上がる。


『軍神と正面からまともにやっても、勝ち目は無い。とりあえず、時間を稼ぐ事に集中しよう』


 こんなときでも冷静な【斬魔】の声は、ありがたい。自分も冷静になれる。


「《斬夢》」


 土煙が切り裂かれ、斬撃が目標を捉えるが・・・


「小癪!」


 アレスに片手で振り払われる。

 そのまま、こちらに向かって来るが、速い。


 【斬魔】で受け止めるが、勢いを殺しきれない。

 そのまま吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。受け身を取り損なった。口の中に血の味が広がる。


 軋む体を無理矢理引き起こす。

 一撃が重すぎる。何回も受けてられない。


「ふむ。やはりそうか、そうだろう!貴様、何処かで見た記憶が有ると思ったが、我が兄弟の実験に利用されていた村の、化物か!」


 思考が止まる。

 実験?利用?


「生き残っているとは知らなかったが、帰ったら確かめてみるとするか!しかし、強い化物を作るなら分かるが、このように弱いのでは、意味が分からんな!さては、貴様失敗作だな?不憫、不憫!」

 

 うるさい。


『バカの言うことなんか聞いちゃダメ』


 【斬魔】の声が狼狽えている。普段の私なら、気付けただろう。冷静な私なら。


「なんと哀れな化物よ!しかし、案ずるな!我は、そのような化物にも、区別無く救済しよう!」


 うるさい。

 頭の中が、黒い感情に飲み込まれる。


 "なんだ、この化物は"

 "失敗だ"

 "近寄るな化物"

 "早く廃棄せねば"

 "汚らわしい"


 頭の中に、色々な声が流れ込んでくる。

 うるさい、うるさい。うるさい、うるさい。うるさいうるさいうるさいうるさいウルサイ煩いうるさいウルサイウルサイ、黙れ黙れ黙れ黙れ黙れだまれだまれだまれダマレ!


 そうだ、殺そう。

 

 うるさいヤツは全て殺そう。


 ダメ!落ち着いて!

 何処からか声が聞こえる。でも、今はそんな事どうでも良い。

 この感情に身を任せてしまおう。そう決めた時、澄んだ声が1つ頭の中に流れてきた。


 "ごめんなさい"

 頭の中の声は、とても優しく。映像も浮かぶ。

 やさしい、本当に優しく、笑っている女の人。

 懐かしい。


 "あなたを守れなかった"

 笑ったまま、彼女は胸を刃で()()()()


 あぁ、キメタ。やっぱりコロス。



「ほぉ、急激に力が高まっておるな!面白い!面白くなりそうだ!」


「黙りなさい。今から丁寧に切り刻んで上げる。あなたも、あなたの兄弟も」


 【斬魔】が何か言ってる気がする。聞こえない。

 今は、目の前のコイツをコロス。


「【斬魔《二式》】」


 大鎌の刃が大きく、さらに形も歪になり殺意を型どっていく。


 必ず殺すという、明確な意思を持ち。

 動き出す。



読んで頂きありがとうございます!


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― 新着の感想 ―
[良い点] 臨場感溢れる戦闘シーンですね。 謎も徐々に明らかにされて、面白くなってきました♪
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