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21.探しモノ①



 回りからは楽しげな音楽が聞こえ、華やかな雰囲気が漂う。


 ここは遊園地!


 誰でも笑顔になれる場所!

 

 俺は、そう考えて疑わなかった。いつかは、こんな場所で可愛い女の子とデートして、家族が出来たら子供を連れてくる。そんな普通の人生を夢見て、考えてた時期が俺にも有りました。この瞬間までは。


「えっと……せっかくだし、何か乗る?それとも、何か買ってこようか!?」


 重い空気に耐えきれず、口を開く。


『浮かれすぎ。何をしに来たのか分かってない』


 相変わらず辛辣な【斬魔】。


「……遊びに来た訳じゃないのよ。貴方も真面目に探しなさい」


 こちらも手厳しい詩道。少しソワソワしてるように見えるのは俺の気のせいだろう。


『俺様はあのホットドックっての食べてみたいな!』


 この時ばかりは、【琥王】の存在が有りがたかった。


「分かった!真面目に探しながらホットドック買ってくるな!」


 なんとか重苦しい空間から脱出に成功した。


 何故いきなりこんな状況になっているか説明するには、数日前に遡る必要がある。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 "軍神"が門を出たという知らせを【琥王】から聞き、焦る俺。というか、知らないのは俺だけだったみたいだが。


「アイツが出たって、ヤバイんじゃないか!?また、襲われたりしたら大変だぞ!?」


『いや。こっちではなく、向こうに帰ったんだろう。恐らく他の"六神(ヘキサグラム)"に会ってる筈だ』


 【琥王】から情報を聞く。


「他のって……あんなのが一斉に襲ってきたらどうしようもないだろ」


 "軍神"だけであんなにボロボロにされたんだ。それが他に五人いるんだろ?流石に勝てないんじゃ……


「アイツらは基本的に群れないわ。来るなら単独だと思うけど」


 詩道が【琥王】の方を見る。


『それで間違いないと思うぞ。俺様も直接その場に居た訳じゃないがアイツらが全員で戦ったことが有るのは、この数百年で一度だけだ』


 数百年で一度なら、そうそう無さそうだな。


……

………数百年?


「えっ?お前って何歳だよ?」


 当然の疑問がでてくる。幼精って位だから、若いもんだと勝手に思ってたが……


『ん?正確に覚えてないが、三百は下らないだろうな』


 マジかよ……いや、別に何歳でも良いんだけど。


「でも一回は有ったんだな。じゃあ、全員で来ないとも言い切れないんじゃないか?」


『いや。その一回は特別だ。確かに可能性はゼロじゃないが…』


『今のアナタじゃ、一柱(ひとり)でも全員でも結果は同じ』


 【琥王】の言葉を遮り、【斬魔】が口を開く。


 まぁ、そういう事だ。と【琥王】も同意する。


『とにかく、お前は自分の力が使えるように訓練だ』


 言われるまでもなく、やってるが良く分からない。


「明日からは、残滓とも戦って貰うわ。調整は済ませたから、甘く見てると怪我じゃ済まないわよ」


 敵の前に味方にボコボコにされそうだ……



 それから、しばらく学校が終わったら残滓と戦闘訓練という日々が続いた。

 調整したと言っていた残滓は、確かに今までと比べ物にならない位にポジティブに言えば手強かった。


 ネガティブに言ったらボコられた。


 マジで、授業中も力を纏う練習してて良かったと思った。弊害としては、集中してる時に陽介に変な顔されたくらいか。集中してる俺の顔が、そんなにオカシイのかと心配になった。


 でも、何となくコツを掴めて来た気がするんだが……


 集中すると、身体の中心に力を2つ感じる。それを一つの塊になるようにイメージ。それを大きくして、全身を覆いこむ感覚だ。


 【琥王】からは、集中してる時点で遅い。戦闘中にそんな時間はないぞ、とダメ出しをされる。


 それでも、何度か戦ってる内に意識せずに纏う感覚も掴めてきた。気がする。


 相変わらず自分の力ってのはハッキリ分からないけど、何度か【琥王】と【黄泉】以外の力を何となく感じるようにはなってきた。

 その感覚も別の力を感じる度に変わるので、掴みきれないのが現状だ。


「こんなの続けてて、本当になんとかなるのか?」


 残滓との訓練も一段落着いたときに、俺が疑問を口にする。


「確かに前に比べたらマトモに戦える気がしてるけど、この程度で何とかなる訳じゃないだろ」


『馬鹿の癖に正論』


 たまには優しくしても良いんだけど。慣れただけで、傷付かない訳じゃないんだぞ?


「底上げは大事よ。だけど、今は直ぐにでも力が欲しいのも現実ね」


『俺様も同感ではあるが、りゅうの行き先に宛でもあればなぁ』


 少し話に聞いてた、俺の力らしいヤツの事を話す二人。【黄泉】の力が増しただけで、相当な戦力アップが出来ているのは俺も実感している。確かに、仲間になってくれれば手っ取り早いだろう。


「ホントに何も分からないのか?行きそうな場所とか、好きなものとか」


 俺の知識が役に立つとも思えないが、どんなヤツか知らなきゃ予想も何もあったもんじゃない。


『あぁ……とにかく楽しいモノが好きだな!』


 漠然とし過ぎていた。


 しかし、それを聞いた詩道と【斬魔】が同時に首を縦に振る。

 【斬魔】まで納得してるなら間違いないんだろう。


 この辺に観光地なんて特に無いし、楽しい場所なんて…


「あっ」


 俺の声に全員の視線が集まる。


 楽しいで思い付く場所が一ヶ所有った。

 そこに居るか確証なんて勿論無いが、ダメで元々だろう。


 この時、その場所を思い付いた事を自分で後悔することになるなんて思いもよらなかったが。


読んで頂きありがとうございます!


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