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一騒動終わり。

オウテンフィルスに勝利したティラノは、とりあえず勉強に励むことにした。

ワイバーンなどの用語が見つかる中、彼は一番興味を惹かれたのが、「人間」だった。

 勝ってしまった。


 この世界の最高位である魔神に。


 窓から戦闘を眺めていたカリタルネ達が、思考を停止させたような、力の感じられない顔をしていた。



 戦闘に夢中で気がつかなかったが、


 まさか勝つとは思っていなかったのだろう。


 まあ、コイツも正直頑張ったしな。


 肩慣らしにはちょうど良かったぞ?


 しっかし、ヴァレントを使って来なかったのはなんでだ?


 妙な餓鬼だぜ。


 就職出来たしよしとするか。


 俺が正門の方へ向かおうとすると、オウテンフィルスが話しかけてきた。


 「貴方は何故そんなにも強いのですか?世界最強の魔神を打ち負かすなんて普通じゃ無い。どんな種族で、どんな魔術を?」


 俺はそいつにこう回答した。


 「ああ、そう言うことかよ。俺の種族は恐竜。別の世界の最強種族だよ。

 つってもその実態はゲテモノに彩られたゲロの吐き溜まりさ。

 それに俺は魔術なんつーもんは使っちゃいねえ。純粋な能力で勝負したぞ」


 オウテンフィルスは眉をひそめて、


 「恐竜、、、、ですか?」


 「ああ、そうだ。つーかよ、お前なんでヴァレントを使わなかった?」


 「あ、あれは、貴方を半分侮っていた部分もありまして、、、」


 何だよ。たいしたことねえ理由だな。


 つってもよおあれでこの世界のトップクラスとか、女神のヤロウ。


 





 そこから時間は経ち、俺は部屋に戻って引き続き勉学に励んでいた。


 ワイバーン、か。


 気になる単語を見つけた。


 ファイアワイバーン、ポイズンワイバーン、ライトニングワイバーン、ブラッドワイバーン、アイスワイバーン、レントワイバーン、パルスワイバーン、クリスタルワイバーンの8種がいるらしい。


 ファイアは火を吹き、獲物を炎上させる。子育てが非常にうまく、母性も強い。

 種族総出で赤ん坊を世話する。繁殖力も高く、一番個体数が多いと考えられている。



 ポイズンワイバーンは強力なウイルスを撒き散らし、感染症を広めると言う。

 普通に害獣じゃねえか。

 ファイヤよりは個体数が少ないが、母性が強く、卵がすぐ孵化する。

 寿命は2,000年。軍事利用されている。


 ライトニングワイバーンは、文字通り雷撃を吐くが、その威力は鋼板を瞬きする間も無く切断する超高威力ブレス。

個体数が少ないが、種族では非常に上位の存在であり、縄張り争いで負けることはほぼない。

移動速度も当然他の種の三倍早い。

「ぼくのかんがえたさいきょうのわいばーん」を再現したくらいのチート能力だった。つまりクソやばい。期待できそうだなコイツら。


 主なワイバーンはこの三種類で、他はあまり研究が進んでいないらしい。

 

 特にパルスワイバーンは稀少で、滅多にお目にかかれないらしい。

 因みに、ワイバーンの研究第一人者がいるらしい。


 何でわかるか?いや、本に書いてあるし。


 その名は、オリーヴァ・チルドレン。


 魔神らしい。またこれかよ。


 彼女は山小屋に住んでおり、ワイバーンの研究に打ち込んでもう千年以上経つらしい。


 はい?と思うだろう。


 俺もそう思うぞ。


 だが、俺が一番疑問視してんのは、何で千年研究しているクセに三種しか詳細が掴めてねえ?


 余程希少か。こりゃお目にかかるのも一苦労だな。


 しかしこの、オリーヴァとか言う奴にも会ってみたいな。


 彼女は少なくとも一千年は生きているし、この世界の大半を知っていてもおかしくないだろ。


 情報提供役として利用できるだろう。


 さて、このページを学習すんのに五分消費している。



 さすが教授の所有している本。情報量がちげえ。


 俺は一通りその本を読み終えると、部屋を出て教授の部屋に行こうとする。


 『人間』とか言う動物に興味が出た。



 図鑑などによれば、魔族との戦争に勝利して、生態系の覇権を勝ち取り、脅威的頭脳で高度な文明を築いた種族らしい。


 何だよ楽しいじゃねえか異世界。


 見たことのねえバケモンに文化、学問、種族、技術、料理。

 そして個性豊かな住民たち。

 異世界ってのは、最高だな。










 ガチャっと俺は部屋のドアを開ける。教授の部屋だ。

 やっぱり内装は豪華、と思いきや、そこら中に資料が散らかっていてめちゃくちゃ汚い部屋だった。


 思わずため息を吐きたくなるが、抑えておこうか。


 教授は、何かを書いている様子だ。

 カリカリと言う音が静かに響き渡る。

 

 関係ないけど鳥の羽のついたペンってかっこいいよね。


 「あの、この本に書いてある、人間っていう動物が気になってですね、、、」


 俺は勇気を出して聞いてみた。中学時代はちょっとコミュ障だったんだよ俺。


 教授はいつにも増して低い声で、


 「人間?知らないのかい?私たちの事だよ」


 ええ〜〜マジなのかよ。

 ツーことはこの世界で台頭してんのはこの人達っつうわけねはいはい。


 つまり「人型」とか「人形」って言う言葉もコイツらの形からきてんのか?


 ますます興味が湧いてきた。




 まだまだ世界は広いな。


 


 

三話目です。どうぞ楽しんでください。

関係ないですけどなろう主人公に〇〇太郎って付けるのなんかムカつきませんか?

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