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圧倒的暴力には圧倒的暴力を

 サーベルタイガー・スミロドンは迫り来る『王の矢』に対し、八艘の構えで迎え撃った。

 ガイイイン!!!

 音速を超えて迫る矢の先端と聖剣の刃が真正面からぶつかり合う金属音が響く。

 「・・・っ!!?」

 スミロドンの表情が僅かに歪む。

 剣にかかる重圧は、もは矢の領域を遥かに上回っている。

 棍棒か何かのような衝撃。


 スミロドンの華奢な身体では到底受け切れないエネルギーが、ただ一点に集中する事により、段々とその身体が傾いていき、終いには。

 「っっ・・・・・・・!!かあっ!?」

 ズドオオオオオオオン!!と内臓を押しつぶしそうなほどの轟音が鳴り響いて、スミロドンの身体が後方へと吹き飛ばされた。

 彼女の身体は一気に百メートルは吹き飛び、高い土煙を立てて地面に叩きつけられた。

 木々を押し倒し、受け身を取る暇さえ与えず、圧倒的暴力のお返しは容赦なく降り注いだ。


 レックスが放ったのはたしかに一本だ。

 しかしあの矢は一度着弾するだけでも並の恐竜では致命傷レベルだが、それよりも恐ろしい効果がある。

 それは、『直撃した場所に追加の無数の矢が一点集中で降り注ぐと言うものだ。

 

 「痛っっ・・・!!」

 スミロドンは急いで起き上がるが、その瞬間激痛が走った。

 表情を歪ませながら痛みの源に目を向けると、彼女の右太ももに矢が突き刺さっていた。

 恐竜の尾椎で出来たような矢だ。

 先端が太ももを容赦なく貫通し、大量の血が流れ出ていた。


 まず大原則として、人間という生物は、太ももから大量出血すると死ぬ。

 そしてスミロドンは元は猫科動物だ。

 猫科動物の最大の武器は『足』である。

 脚力はもちろん、衝撃を受け止めるためのクッションにもなる。

 それは人化しても失われない『能力』である。

 

 レックスは今までの立ち回りから、スミロドンの最大の武器が剣技ではなく、その技の鋭さを支える『足』であることを見抜いていた。

 スミロドンは激痛に耐えながら、霞ゆく視界の中で迫り来る無数の矢を捉えていた。

 「ふうう・・・!!シャアアアアア!!!!」

 腹から叫び体全体に力を入れて、力強く踏み込み、姿勢を落とし、

 ドッッッ!!と地面を蹴ってほぼ瞬間移動ではないかと思うほどの高速移動でレックスに近づこうとした。

 「はあああああああ!!!!」

 いつの間にか彼女は音速を超えるほどの勢いで加速し、あと三十メートルほどと言うところで後ろから何かが迫り来るのに気づいた。

 「!」

 減速せずに振り向くと、さっき自分に向けられていた無数の矢達だ。

 (「追尾式か・・・」)

 そう思いつつも、スミロドンは走るのをやめなかった。

 何故なら、自分自身の判断で無数の矢に対処するよりもいち早くレックスの首を落とした方がいいと瞬時に判断したからだ。

 「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 まるで最後の力を振り絞るように、スミロドンは突撃する。

 その姿は側から見れば、さぞ美しいことだろう。

 傷ついた鎧、揺れる美しい毛先の白い金髪、そしてこの負傷を負ってもなお凛々しく真っ直ぐな瞳。

 

 さながら輝かしい戦姫である。


 だが、恐竜の王は、そんなちっぽけな少女に無慈悲に火力を浴びせる。


 レックスはもう一度矢を生み出して、もう一度弾き、撃つ。

 その機械的な行動に慈悲はない。


 だって当然だろう。

 

 自分に殺意をむき出しにして剣を振り下ろすものに、誰が感情移入するか。


 しかしスミロドンも馬鹿ではない。

 もうあの矢の特性は知っている。

 迎え撃てば確実に二の舞を踏むのは百も承知だ。

 だから避ける。


 そこまではよかった。


 どうやって避ける?


 その考えが僅かに頭をよぎった瞬間、スミロドンの真横に矢が直撃した。

 そして次の瞬間、スミロドンの前方の視界を、再び暴力の塊が埋め尽くした。

 「クッ!!」


 後方からも前方からも挟まれて、スミロドンはビタア!!と足を止めた。

 そして八艘の構えで迎え撃つ。


 戦力差は絶望的。

 エクスカリバーを『宿した』まま戦えば、Dクラス生徒たちの魔力も大幅に消費してしまうだろうし、自分の龍力も然りだ。

 ただ、ただ目の前の無数の矢をエクスカリバーで全力で弾く。

 自殺行為もいいところだが、今はこれしか方法がない。

 極限まで濃縮された一瞬で、スミロドンは決意した。


 『何がなんでも主人の命令をやり遂げる』。

 

 その騎士としての矜持が、どこまで持つか。

 レックスとスミロドンの戦闘にタナカ達は目を見開いた。

 

 そして瞬間、悟った。


 コイツらの戦いは、次元が違うと。


 他の思考を全て放棄して、真っ先に思い浮かんだのがそれだった。




 

どうもです。

川海老美味しい。

サーベルタイガーの能力、わかりましたでしょうか?

多分教師になるのは33話くらいからです。はい。

来年は僕自身がovaを制作したいと思います。



女騎士と触手ってビールと餃子くらい合うよね。


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