表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/46

背中を流す

 「わーっははははははは!!貴様が来るのをずっと待っていたぞお!!」

 風呂桶から上がってきたロリタルネは目をキラッキラと輝かせながらきめ細かいタオルをブルンブルン振り回している。

 言わなくてもいいだろうがもちろん全裸だ。

 あれ、おかしいな。鼻の奥が血生臭いぞ。

 俺は肩をすくめて、

 「お前、出たんじゃなかったのか?」

 「だーかーらー貴方を待っていたと言ってるでしょー!!」

 ・・・ったく、早く上がればいいものをこんのクソガキイ!!

 お前はメイドさんなんだから風呂から早く出て夕飯の手伝いするもんだろーが。

 まあ居候の俺がいえたことじゃねえ気もするが。

 「てゆーか、長時間潜ってたら溺れちまうんじゃねえのお前」

 するとロリタルネはキョトンとした表情になった後、浴場のお湯を指差して、

 「この浴場の桶にはね、水中でも呼吸できる魔法陣が刻まれていて、どんなに潜っても溺れない、安心・安全の風呂なんだよ!!」

 まじかそりゃあ便利だな。

 っえ?

 おいそれもうちょい先に言ってくれよ。

 人化して肺に横隔膜ができて水中での行動範囲が劇的に広まったっていうのに、人化しなくても泳げたんかい!!

 まあいいや。とにかく早く風呂に入ろう。体が冷えてたまらねえ。

 俺はとりあえず湯気のたつお湯の中に足を入れた。

 温度は四十度ってとこか。

 恐竜にとっては適温だな。人間体でも違和感は感じない。

 前とは違ってどっぷり疲れるからな。

 「くううあああいきかえる〜〜」

 俺はお湯を両手で掬い、それを勢いよく顔にぶっかける。

 お湯が周囲に飛び散り、また風呂桶へと帰って行く。

 目の疲れがどんどん取れていく。

 こりゃあ気持ちいい。

 隣のロリタルネも力の抜けたようにぷかぷかと浮いている。

 彼女は目を閉じてニマニマとした笑みを浮かべながら、

 「おふろ、きもちいいね」

 「そうだな〜」

 そのまま時間が流れるかと思った。

 そこで俺はハッと思い出した。

 この場で一番言及しなければいけないことを。

 「・・・・ロリタルネさん、一つ質問よろしいか?」

 「いいよ〜」

 腑抜けた声だ。

 「なんでてめえと俺が一緒に風呂に入っていやがンだ?」

 ロリタルネはその柔らかそうなほっぺたをポリポリと掻きながら、

 「いや、お疲れのご様子だから背中でも流してあげようと・・・ね?」


 何が・・・ね?だよコラ。

 何上目遣いでこっち見てんだロリッ娘。

 そもそもとして俺は1人が好きなんだ。

 このだだっ広い浴場を限定期間だが独占できる。

 それが至福だ。

 つーか、背中くらいもう自分で洗えるし大丈夫だ。


 「あのね、貴方の背中を流してあげるためにこうして待っていたんだから!!」

 「必要ねえ」

 突っぱねると、ロリタルネはむすっとした顔になり、

 「背中は他人に流してもらう方が気持ちいいんだよ!?」

 「おめえなあ、居候なんかにそんなにしなくていいっての。逆に流すべきなのは俺の方だと思うが」

 「じゃあ流して」

 そう言ってロリタルネは風呂から上がり風呂の椅子を持ってきて、その椅子に座り、その小さい背中を指でツンツンと指した。

 チッ、まあいいんだけどよ。

 てゆーかその仕草めっちゃ可愛い。

 俺はさっきロリタルネがぶん回していたきめ細かいタオルを手に取って、お湯で洗い、石鹸を染み込ませてゴシゴシとタオルを揉んだ。

 こうすると泡立つのが結構早い。

 十分に泡立ったタオルを、ロリタルネの柔肌に押し付けて上下左右に動かす。

 ゴシゴシという音が響き、自然と垢が流れ落ちて行くのがわかる

 ロリタルネは気持ちよさそうに俺に指示を飛ばしてくる。

 「ああ〜右肩〜左肩〜もうちょいしたあ〜ああ〜そこですそこです」

 へなあと顔をとろけさせるロリタルネ。

 なんか和む。

 

 30秒ほどやった後に、俺は一旦中断して桶でお湯を掬った。

 泡だらけのロリタルネの背中にこいつをザバーンとかけて一気に洗い流す。

 湯気が一面に広がり、ロリタルネは反射的に身を低くした。

 おっと、ちょいと勢いが強すぎたか。

 「よし、お前もう上がったらどうだ?」

 俺の問いに、ロリタルネはバッと振り返り、俺からきめ細かいタオルを掻っ攫うと、俺と同じくお湯で洗い流してから石鹸を染み込ませた。

 「おいコラ、何してやが」

 「次は私が洗ってあげるのだ!!」

 ハア、なんで今日はこんなにもイベントが起きまくるんだ。

 でも、なぜか悪い気がしねえのはなんでだ?

 あのクソ女神の言っていたことは正しかったのか?

 俺としたことが、あんな野郎の言葉を正しいなんて思っちまうんだなんてよ。

 俺は肩をすくめた後に、小さく笑って、

 「じゃあ頼むわ」

 俺の返答が意外だったのか、ロリタルネは一瞬キョトンとした後に、すぐにさっきのニマニマとした笑みを浮かべて胸を張った。


 「任せなさい!!こう見えて私は10年以上もメイドとして働いているのだ〜!!」

 「それは信用できそうだな」

 

連続投稿きちい。

勉強もあるしなあ。


後一応言っときますがレックスはロリコンじゃないです。

多分。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ