第59話 地下牢の女性
「やっと国境か……結構遠いな」
俺は地上を見下ろしながら空の上を高速で飛行していた。
というのもある女性から俺宛てに手紙が届いたからだ。
その手紙に書かれてあったのは自分は無実の罪で幽閉されてしまっているから助けてほしいというものだった。
俺が今目指しているプロメアという町はガシュウ国にある。
ガシュウ国はジョパン国の隣国でありジョパン国より国土も広く国力も強い。
そのせいかガシュウ国の人間はガシュウ国王をはじめとしてランド王子などジョパン国を下に見ている節がある。
もしプロメアに幽閉されている女性がジョパン国の人間だったら冤罪というのもあながち嘘ではないかもしれない。
俺は飛行スピードをさらに上げた。
☆ ☆ ☆
名もなき村を飛び立ってから二時間。
やっとお目当てのプロメアに着いた。
プロメアは殺風景な町で人通りは少なかった。
それでも町の人をみつけた俺は地下牢の場所を訊ねた。
俺を異国の者だと思ったのかあまり愛想はよくなかったが粘ってなんとか地下牢の場所を教えてもらうことに成功する。
町の奥まったところにある階段を下りると地下牢があった。
そこにいたこわもての牢屋番に話しかける。
「あのすいません、ここに二十歳くらいの女性が入れられていると思うんですけど会えますか?」
「……おたく誰? その女の知り合い?」
面倒くさそうに俺を一瞥してから書類らしきものに目を通す。
「えっとまあそんなとこです」
「……ふーん。二十歳の女ね、いるよ。じゃあここにおたくの名前書いて」
牢屋番はつっけんどんなもの言いで俺に紙をよこしてきた。
「……はい、書きました」
俺は名前を書いて紙を手渡す。
「……クロード・ディスタンスね。じゃあ、奥まで行って突き当たり左」
「ありがとうございます」
俺は態度の悪い牢屋番に言われた通りに地下牢の廊下を進んだ。
突き当たりを左、左……と。
長い廊下を歩いていくと突き当たりにさしかかった。
俺は左に曲がる。
するとそこには大きな牢屋があった。
ベッドの上に誰かがいるようだが牢屋の中は薄暗くてあまりよく見えない。
それでも俺は鉄格子越しに話しかけてみた。
「すみません、手紙をもらったクロード・ディスタンスです。あなたが俺に手紙をくれた女性ですか?」
「……」
返事こそなかったが人影が動いた。
人影はゆっくりと光のある廊下の方へと向かってくる。
俺は近付いてくる人物の顔を目を凝らしてよく確かめた。
……っ!?
「久しぶりねクロード」
昔の名で俺を呼んだのは元仲間の魔法使いミネーナだった。
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