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追放された大魔法導士は辺境の地でスローライフを満喫する ~特Aランクの最強魔法使い~  作者: シオヤマ琴
第二章

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第50話 八等分

「紅蓮の牙討伐お疲れさまでした。はいこれが今回の報酬の金貨二百枚になります」


受付の女性がどっしりとした皮の袋を渡してくる。


「二十五枚ずつ八人で分け合ってくださいね」


俺は皮袋を受け取ると近くのテーブルにそれを置いた。

「……俺が分けていいのか?」


「あ、ああ。あんたのことは信用してるぜ」

「ちょろまかしたりしないでしょ」

金貨は俺が代表してみんなに分けることになった。


「……っていうかわたしたちまでお金もらっていいの? スタンスくん」

「そ、そうだよ。おれたちなんにもしてないんだからさ」

「あたしたち怪我まで治してもらっちゃったし……」

「おれはもらう権利あるよな、一人倒したしよお」

冒険者たちが口にする。


「みんなもらう権利はあるさ。誰が何人倒してもって約束だったろ」

「それはそうだが……」

「やっぱり悪いわよね……」

「ほら、一人二十五枚ずつだ。分けるぞ」

俺は半ば強引にみんなに二十五枚ずつ金貨を配っていった。


大きな盾を持った男は最後まで渋っていたがスライムの『約束は守らないと駄目なんだよ』という一言でもらう気になってくれたようだった。



☆ ☆ ☆



「じゃあな」

「またねー」

「あばよ」

「ばいば~い」


ギルドを出て他の冒険者七人と別れると俺たちはヘブンズドアを使い名もなき村へと戻った。



「ところでジュエル王女、本当にそのスライムと一緒に暮らす気なんですか?」

「はい、もちろんです……駄目でしょうか?」

うるんだ瞳で見上げてくる。


「駄目というか……まあ、フローラがいいならいいんですけど」

本来敵であるはずのモンスターと一緒に住むなんて魔王退治の旅をしていた頃には考えられなかったことだ。


「でしたら大丈夫ですよ。フローラさんはお優しい方ですから、きっとスライムさんのことを気に入ってくれるはずです」

『ぼくフローラって子に早く会いたいな~』

ジュエル王女の胸元でスライムがぷよんぷよんと体を揺らす。

なんかいい……。



家に着くとフローラはもう帰っていた。


「ただいまフローラ」

「フローラさん、ただいま帰りました」

「おかえりなさい、スタンスさん、ジュエル王女……ってなんですかそれっ?」

フローラはスライムを見て驚きの声を上げる。


あ、この感じだとフローラはスライムが苦手かもしれないな。

そう思ったのも束の間、

「可愛い~!」

とスライムに自ら寄っていった。


そして頭を撫でながらジュエル王女の話を聞き「え? 生きてるんですか?」と一言。

どうやらぬいぐるみか何かだと思ったらしかった。


『うん、ぼく生きてるよ』

「わあ、喋れるんですね~」

「フローラさん、この子うちにおいてあげてもいいでしょうか?」

ジュエル王女が訊くと、

「ええ、いいですよ」

フローラはあっさりとこれを承諾した。



『ありがとうフローラ。これからよろしくね』

「はい、こちらこそよろしくお願いします」


こうして居候がまた一人、いや一匹増えたのだった。

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