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追放された大魔法導士は辺境の地でスローライフを満喫する ~特Aランクの最強魔法使い~  作者: シオヤマ琴
第二章

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第49話 討伐

「うおおおっ!」

先頭切って駆け出していた男が大剣を振りかぶり見張りの一人を叩き斬る。

しかしもう一人の見張りには洞窟の中へと逃げられてしまった。


「何やってんだ、援軍が来るぞっ」

「わかってらぁっ!」

大剣を持った男は逃げていった見張りの後を追って一人洞窟の中へと入っていく。


がしかし、

「く、くそっ」

後ずさりしながらすぐに出てきてしまった。

というのも逃げた見張りが洞窟の中から仲間を大勢引き連れて戻ってきたからだ。


「おいおい、オレらを紅蓮の牙だと知ってて襲ってきたのか、ああ?」

「お前ら冒険者か? それとも賞金稼ぎか?」

「どっちでもいいさ、こいつらはここで全員死ぬんだからな」


ガラの悪い連中がうじゃうじゃと三十人余り。

俺たち八人の周りを取り囲む。


「殺せぇっ!」


その言葉を待っていたかのように一斉に襲い掛かってくる【紅蓮の牙】の男たち。

全員が剣を持ち斬りつけてくる。


「ぐあっ……」

「がはっ……」


近くから聞こえてくるうめき声。

腕を斬られ、足を斬られ、お腹を斬られ……。

腕に覚えのあるはずの高ランクの冒険者たちが数に圧倒されていた。


「退け退け! みんな一旦退避だっ!」

大きな盾を持った男が必死に叫ぶ。

その声で冒険者たちがジュエル王女のもとまで退いていく。


その時、俺はというと事前に唱えておいたダブルアクセルの効果で身体能力が大幅に高まっていたのでそれらの斬撃をすべてかわし、さらに両手に電気を纏わせ斬りかかってくる男たちを気絶させていた。


「待てっ! あいつらは追わなくていい!」

「こいつだ! あいつらは大したことない! まずこいつを殺せっ!」


冒険者たちを追いかけようとしていた仲間を呼び止め俺を全員で取り囲む【紅蓮の牙】の男たち。


「殺れっ!」


全員が同時に斬りかかってくる。

俺は空に飛びあがりこれを回避すると、


「なっ!?」

「と、飛びやがった……!?」

「なんだあいつはっ……!」


俺を見上げ驚愕している【紅蓮の牙】の男たちに向かって、


「サンダーボルトっ!」


稲妻を落とした。


「「「ぐああああぁぁっ!!」」」


雷鳴とともに男たちの悲鳴が響き渡った。



俺が地面に下り立つと肉の焼けこげるにおいが辺りを包んでいた。

倒れている男たちに目をやる。


「……死んでないよな……?」


かなり手加減はしたつもりだったのだが、依頼ランクAということで無意識に力が入ってしまったのだろうか。


すると、

「……う、うぅ……」

うめき声を発している。


ふぅ……よかった。大丈夫だ、死んではいない。

いくら悪人でも殺したら寝覚めが悪いからな。


と、

『わーい、スタンスー!』

ジュエル王女がスライムを抱きかかえて駆け寄ってきた。


『スタンス、強いなー。すごいなー』

「スタンス様お疲れさまでした」

「ジュエル王女、ありがとうございます。スライムもな……」

俺は二人に目線を送った。


「おーい、お前何者なんだよ」

「本当よ。わたしたち出番がなかったわ」

「ま、まあおれ一人でもなんとか出来たけどな……」

「本当かしら?」

他の冒険者たちも近寄ってくる。

それぞれ腕や足などに傷を負ってはいるもののとりたてて命に別状はなさそうだ。


でも一応ヒールで治しておいてやるか。

そう思いみんなに声をかけようとしたその時だった。


「な、なんだこりゃあ!」

「オレ様の部下が全滅しているだと……」


沢山の荷物を持った男とガタイのいい大男が後ろから現れた。


「新手かっ?」

「あ、あのでかい方……」

「あ、あいつは紅蓮の牙のリーダーだっ!」

大きな盾を持った男が叫ぶ。


「貴様らか、オレ様の部下をやったのは……」

野太い声で静かに話しかけてくる大男。


その横の荷物持ちが「親分を怒らせやがったな! お前らもう死んだも同然だぞっ!」と大声を上げる。


「く、くそ……ここに来てこいつらの親玉の登場かよっ」

「わたしたちが万全の状態ならっ……」

「やっぱりランクAは甘くなかったか……」

と冒険者たちが口を揃えて諦めムードを出す。


あいつってそんなに強いのか?


俺は初めて見る顔だけど……ってあれ? なんかあの大男と荷物持ちの男、見覚えがあるような……。


……。


……。


「あー! ゴッサム城の衛兵にボコボコにされた盗賊団の奴らだ!」


思い出したぞ。

ゴッサム城に行く時にすれ違った盗賊団。そういえば【紅蓮の牙】とか言っていた。


「貴様……なめやがって」

「親分、やっちゃってください!」

「おうよっ」

親分と呼ばれた大男がどすどすどすと俺に向かって駆けてくる。


そして体重の乗った右ストレートを放ってきた。

俺はそれを左手で掴むとエレキグラブの魔法で電気を流した。


「死べべべべべべべべべっ!?」


感電して「がべべっ……」と膝から崩れ落ちる大男。


「親分っ! ……さ、さいならっ!」

荷物持ちの男は大男が倒れたのを見て荷物を放り出すと一目散に逃げていった。


「……っ」

「お、お前マジで何者なんだ……?」

「す、すご……」

「あ、あんた……な、名前は?」

呆気にとられている冒険者たち。


「俺か? 俺はスタンスだ」


冒険者たちに顔を向けそう答える俺だった。

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