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追放された大魔法導士は辺境の地でスローライフを満喫する ~特Aランクの最強魔法使い~  作者: シオヤマ琴
第一章

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第28話 スーツ

エスカンゼさんに別れを告げて俺は名もなき村のギルドへと戻る。

ギルドに入ると早速コロンにユリジウム鉱石を見せた。


「お疲れさまでした。早かったですね~」

「まあな」

「汗びっしょりですよ。大変でしたか?」

「ああ、でも久しぶりにいい汗かいた気がするよ」

これは本当のことだ。

いつも魔法でなんでもやってきたからこんなに体を動かしたのは久しぶりで意外と気分がいい。


「ではこちらが報酬の金貨三枚です」

「ありがとう、コロン」

俺はユリジウム鉱石三キロと引き換えに金貨三枚を手にする。


「じゃあこのままもう一つの依頼も受けるよ」

「プルセラ様の護衛ですね。ジョパン城での面接は今日から三日間あるらしいので今日は休んで明日行ったらどうですか?」

「そうだな、そうするよ」

「面接受かるように祈ってますね~」

笑顔で手を振るコロンを背にして俺はギルドを出た。


金貨三枚を手によろず屋へと向かった俺は上下セットのスーツを金貨二枚で購入する。

もちろん面接に着ていくためだ。

スーツを着ていく必要はないかもしれないが一応第二王女の護衛役を決める大事な面接だからな、着ないよりは着たほうがいいだろうという判断だ。


家に帰ると服を着替えてスーツを着てみる。

鏡を見て確認するがどうも似合っているのかよくわからない。

普段はそれこそ盗賊のようなラフな恰好をしているせいもあってかスーツ姿には違和感がある。


と、

「ただいま~」

フローラの声だ。

フローラが帰ってきたらしい。


「今日は早いなフローラ」

「はい……ってどうしたんですか? その恰好」

フローラは出迎えた俺を見て目を丸くする。


「今度の依頼は面接があるんだ」

「そうなんですか。スタンスさん背が高いからスーツ姿よく似合っていますよ」

「本当かっ」

お世辞でも嬉しい。顔がにやけてしまう。


「それで今度はどんな依頼なんですか?」

「ジョパン国の第二王女のプルセラって子の護衛だよ。フローラは成人の儀って知ってるか?」

「いえ、初めて聞きます」

「いいか、成人の儀っていうのはだなぁ……」

俺はコロンに聞いた話をそのまま得意気に説明してやった。



☆ ☆ ☆



そして翌朝。


「じゃあ、行ってくる」

ヘブンズドアで現れた大きな扉を前にフローラに向き直る。


「はい。面接頑張ってくださいね」

「ああ」


フローラの応援を受け俺は扉を開けるとジョパン城へと足を踏み出した。

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