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追放された大魔法導士は辺境の地でスローライフを満喫する ~特Aランクの最強魔法使い~  作者: シオヤマ琴
第一章

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第24話 一掃

「ぐっ……」

ゼットのヤリが俺の脇腹をかすめた。

血がしたたり落ちる。


「降参するか? 今なら見逃してやってもいい」

「く……俺はデボラさんから頼まれて来ただけなんだ」

「何? 母さん……? ……ど、どういうことですか? 先輩っ!」

ゼットは衛兵たちに向き直った。


「あ~あ、ゼット。お前一般人に手を出しちまったな」

「おうおう、痛そうに。血が出てるじゃねぇか」

「悪い奴だ、まったく」

「これは軍法会議ものだな」

「ゼット、何をしてるんだよ。ふっ……」


五人の衛兵たちは笑みをこぼしながら言う。


ゼットはというと、

「そ、そんな……だ、だって先輩たちがこの者が盗賊団の一味だと言ったんじゃないですかっ!」

戸惑いながらも声を飛ばした。


「怖い怖い。今度はオレたちに罪をなすりつけようとしてるぞ」

「なっ!? 先輩っ!」


よくわからないがゼットはこの五人の衛兵に嫌われているようだ。


すると次の瞬間ハッとして俺に駆け寄ってくるゼット。

心配そうに、

「す、すみませんでした、大丈夫ですかっ?」

と訊いてくる。


「か、かすり傷だ……」

わき腹を押さえながら答えた。

本当は結構深くえぐれているが強がってみせる。


「……それよりお前衛兵見習い辞めたがってるそうじゃないか。デボラさんが心配してたぞ」

「そ、それは……」

「もしかしてあいつらに関係があるのか?」

俺はあごをしゃくってみせた。

ゼットが振り返り五人の衛兵たちを視界にとらえる。


「は、はい……おれはあの人たちに、いじめを受けているんです」

「いじめ?」

「はい。理由はわからないんですけど、おれは毎日物置小屋で軟禁状態なんです。使わない武器や防具を磨かされて……なのに次の日にはまた汚れてて……」

ゼットは続ける。

「で、でももうそれも終わりです。あなたを怪我させてしまったから、おれはきっとクビになります」

悔しそうに言葉を絞り出すゼット。


「……お前。衛兵になるの子どもの頃からの夢だったんだろ。諦めるなよ」

「……え、で、でもあなたに怪我を――」

「怪我なんかしてないぞ、ほら」

俺は服をまくって脇腹を見せてやった。

そこには傷一つない。


「え……? なんで……?」

ゼットが驚いているが答えは単純だ。俺がヒールという魔法で回復したから、ただそれだけのこと。

ヒールはどんな傷でも治せるが多少時間がかかってしまうのが難点なのだ。


俺は立ち上がると五人の衛兵の顔を順に眺めてから言った。

「おーいお前ら、悪い、嘘ついてた。俺本当は紅蓮の牙のメンバーなんだ。つうことでこれからお前ら五人を病院送りにする。逃げたきゃ逃げろ」


衛兵たちは顔を見合わせ嘲笑った。

「はっ。バカも休み休み言え。貴様が紅蓮の牙?」

「ああ、そうだ」

「仮にそうだとして貴様の仲間は全員返り討ちにしてやったんだぞ。貴様一人で何が出来る」

「お前らを倒せる」


その言葉で五人は目つきが変わった。


「おい貴様、今さら冗談でしたはきかねぇからな」

言うと五人は同時にヤリを構えた。

そして、

「はぁっ!」

一人が先んじてヤリを突いてきた。


俺はそれを難なくかわしながら「エレキグラブ!」と唱える。

バチバチッと両手に電気が溜まる。

その手でヤリを掴んだ。

その瞬間電気が流れ「ぐああぁぁっ!!」と衛兵が大声を上げ倒れた。


「おい、ダジューン大丈夫かっ」

「き、貴様、何をしたっ!」

「こ、こいつ魔法使いだっ」

「四人全員でかかるぞ!」

言うと残った四人が一斉に攻撃を仕掛けてきた。


俺は手を天に掲げ叫ぶ。

「サンダーボルトっ!」

その刹那、ズドーン! という爆音とともに稲光が走り雷が四人の頭上に落ちた。


「……!」

声を失うゼット。

辺りを砂煙が舞う。


「なあゼット、お前がいじめられてた原因が分かったぞ」

俺はゼットを見下ろした。


「え……」

「お前はこいつらより強いから嫉妬されてたんだ」

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