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追放された大魔法導士は辺境の地でスローライフを満喫する ~特Aランクの最強魔法使い~  作者: シオヤマ琴
第一章

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第10話 招かれざる客

「あ、おはようございます、スタンスさん」


あくびをしながら階段を下りたところで俺はフローラと出くわした。


「……おはよう、フローラ。今日も早いな」

「ふふっ、じゃあいってきますね」

「ああ、いってらっしゃい」


フローラは今日も朝早くから仕事に向かう。

前に働いていたパン屋で再び雇ってもらえることになったらしくうきうきしながら毎朝家を出ていく。


一方の俺はというとミノケンタウロスの討伐から一か月余り、まったく働いていない。

それというのもギルドへの依頼が全然ないからだ。

ギルドにはちょこちょこ顔を出しているのだが新しい依頼が一向に入ってこないらしい。

コロン曰はく「おかしいですね~。でも田舎だからこういうこともありますよ」だそうだ。


そのため俺の現在の所持金は金貨一枚と銀貨四枚だけ。

これでは来月分の生活費も払えない。


「山奥だから水道代と灯油代がバカ高いんだよなぁ……」

トーストにかじりつくと愚痴をこぼした。


「ミノケンタウロスのヤリ、あれやっぱり売ればよかったかな~」

ミノケンタウロスのヤリをただでロッベンにあげたことを少しだけ後悔していると、


ピンポーン。


玄関のチャイムが鳴った。


「あれ? 珍しいな……」


この村の住人はチャイムなど鳴らさずに勝手に家に入ってくるからチャイムの音を聞いたのはよく考えたら初めてかもしれない。


ピンポピンポピンポーン。さらに続けてチャイムが鳴らされる。


「はーい、今出ますよっ」

そんな鳴らさなくても聞こえてるってば。


「はいはい、どちら様――」

ドアを開けると、

「スタンスさんっ」

そこにいたのは俺の頭四つ分は背の低いコロンだった。


「おおっ、コロンおはよう」

「あっ、おはようございます……あわわ、そうじゃなくって……」

コロンは顔と手をぶんぶん横に振る。


「落ち着けよ。どうしたんだ?」

「あのあの、その、こちらの方がスタンスさんに会わせろってきかなくて……」

「ん? こちらの方?」

コロンがおどおどしながら隣に手をかざす。


すると一人の女性がコロンを追いやって、

「あんたがミノケンタウロスを倒した奴かっ!」

ドアの陰からがばっと姿を現した。


俺に負けず劣らずの高身長のその女性は動物のなめし革と葉っぱで出来た服を着ている。

健康的な小麦色の肌がちらちらと見えて目のやり場に困る。


「なあコロン、誰だこいつ?」

俺は視線をコロンに移した。


「えっと……わたしにもよくわかりません。いきなりギルドに来てミノケンタウロスを倒した奴はどこにいるんだってわたしに詰め寄ってきたんです。個人情報だから教えられないって言ったらずっとわたしの後ろをついてきて……なんか怖かったです~」

コロンはうるんだ瞳で見上げてくる。


「すみませんスタンスさん。わたしどうしていいかわからなくて連れてきちゃいました~」

「スタンスっていうのか、あんた」

女性は俺に顔をぐっと寄せると口角を上げた。


「だったらなんだよ」

もしかして「ミノケンタウロスは自分が倒すつもりだったのに!」とか言ってふっかけてくる気か?


「言っとくがミノケンタウロスを倒した時の報酬ならもうないぞ。残念だったな」

たったの金貨五枚だったからな。全部生活費に消えたさ。


「? 何言ってるんだあんた。おれはミノケンタウロスを倒してくれたあんたに礼を言いに来たんだぞ」


「へ?」

「……ふぇ?」

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