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類なきラブコメ中央学園  作者: 埃宮 風月
1/2

1 day start

「起きて。早く起きないと怒られちゃうよ。」

そんな声が聞こえた気がした。だが、実際にはそんなことはないだって僕は現在進行形で絶賛一人暮らしをしている真っ最中なのだ。きっと夢なのだろう。年頃の男子にはよくあることだ。

ムクっと身体を起こし時計を見る。時計の針は6時を指している。

ベットから出て浴室へ向かう。朝は基本シャワーを浴びている。中学の時から習慣になっていて、外に出る日は必ず浴びる。祖父が学校に通いやすいようにと学校近辺でマンションを借りてくれた。この一人暮らしをしても良いという条件で僕は祖父の学園に通うことを決めた。だが、少し寂しさを感じることもある。広いリビング、最新器具の設置されたキッチン、自分の荷物だけでは埋めきれない幾つかの部屋。一人暮らしを始めたばかりの高校生には扱いきれないものばかり。


とりあえず、簡単に朝食を食べ、制服に着替えてマンションを出る。今日は登校初日の入学式で新入生の歓迎会などがあってとても楽しみなのだ。

中学の時の友達はいないが、誰もいない環境で新たに新生活を始めるというのには、過去に黒歴史を多数抱えた者が待っているシチュエーションだが、僕には生憎、そんなものはない。ないがとても楽しみだ。そんなことを考えながら、学園へ足を運ぶ。


学園に来るのは2度目だがやはり思う。敷地が広い。ただ広いだけでないその広さにも動じないほどに生との数も多いのだ。校門をくぐり抜けて、辺りを見渡す。そこには別世界が広がっていた。まるで、冒険者になりたての男の子が旅に出た時のような。

「きっ。金髪?」言葉通り金髪だった。見事な金髪。染めてない地毛なのだろう。サラサラで髪が風になびいて、金色の風のようだった。特徴はそれだけに収まらない。すらっとしていて、スタイル抜群、可愛いというより凛々しい感じがした。

「あきかー!」

そう呼ばれ彼女は誰かと合流したようだ。

(あきかっていうのか。すぐに人気も出るだろうな。)

清楚系金髪女子を目に焼き付けてそこから離れた。


昇降口で場所を確認して教室に向かう。

教室は1Re1組。この学園ではいくつかのコースが別れている。

運動専門の全国選抜に選ばれるような選手が所属のBコース。

多くの資格取得と経験を積ませて就職率100%のAコース。

秀才が集まり、国内トップレベル大学・海外名門大学に進学するために勉学に励むSZコース。

留学・留学生受け入れが基本のR eコース。


いくつかのコースがある中で、僕はReコースにに所属することになっている。理由は単純に、特別運動ができるわけではなく、就職したいわけでなく、勉強して名門校を目指したいわけではない。ただ、純粋に学校生活を楽しみたいのだ。そのことは祖父にも伝えているので、このコースになったのだろう。

「ホームステイの受け入れは強制じゃないから、好きにしていい。」と祖父には言われている。


教室には何人かの生徒がいた。黒板には自分の座席のところに出席番号と名字が書いてある。留学するということもあって、金持ちが集まるのだろう。みたことない苗字がずらりと並んでいて、苗字だけで圧倒されそうだ。

僕の席はどうやら一番後ろだった。とりあえず、隣の席の人の苗字でも確認しておこうかな、と黒板を見る。隣の席な人は「吉田」という人らしい。席に着くと窓から丁度良い暖かさの光が差し込んでポカポカとしていた。

簡単に眠りに落ちそうだった。朝から驚きばかりで、少しばかり疲れていた。時計は

「7時50分。まだ、30分もある」なんて考えて机に突っ伏した。そして、その先のことは覚えていない。


「起きて。早くしないと先生に怒られちゃうよ。」



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