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コーラ1本分の命

作者: 隼

 今日もまた、死にたくなった。


 会社で失敗した。

 小さなミスだけど、大きく怒られた。


 周りのみんなは嘲笑している。


 だから


 死にたくなった。




 家に帰って、さてどう死のうかな、なんて思いながらコーラを飲んでいる。

 俺は死にたい夜には、決まってコーラを飲む。


 理由は...特に無い。

 ただ、まぁ...好きだからかな?

 それだけ。


 でも、不思議とコーラ1本を飲み終える頃には


 不思議と死ぬことがどうでもよくなっている。

 なんでだろうな。




 ある日またもや死にたくなった。

 道端で転んだ。


 みんな嘲笑っていた。

 俺を助ける人なんて誰もいない。


 自分はこの世界で独りなのかな?

 なんて思ったら


 死にたくなった。



 でも、またコーラを飲んでいたら


 全部どうでもよくなった。




 そんな日が




 10年続いた。








 ある日気づいた。


 俺の命はコーラ1本分の価値より低いのではないのか?


 自分より価値の高いもので、価値の低い命をつなぎとめているだけではないのか?


 そう思ったら


 死にたくなった。



 だけど、ペットボトルにコーラはまだ入っている。


 これを飲み終わったら死のう。


 そう思った。


 だけど、



 飲み終わる頃には、明日も飲みたいから死ぬのをやめようと思っていた。



 だから、死ぬのをやめた。





 いつの日か、


 死ぬことなんてどうでもよくなった。


 俺の命は、相変わらずコーラ1本分もないのだろう。



 生きる価値のない命とか思っているけど、


 それ以上に僕の命は


 死ぬ価値のない命なのかもしれない。




 そう思ったら


 なんだか笑えてきた。

 楽しくなった。


 そんな日に飲んだコーラは





 今までで、1番美味しかった。

最近は黒歴史を思い出して、「あーー」って部屋で一人で叫んでます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 後ろを向きながら前進してる感じがじわじわきました。 あと読みやすい文の配置でした。 [一言] コーラが飲みたくなりました。
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