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足されてく色  作者: とく
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生き様、心

人はそれぞれ異なる物がある。十人十色ってやつだ。

例えば10人が一斉に空を見て第一に感じる事は10人それぞれ違うと言っても過言ではないだろう

「広いな」「太陽が眩しいな」「青いな」「あの雲の形不思議だな」と言った所か。


性格や恋愛対象もそうだ。

太った人が好き、痩せてる人が好き、背が大きい人、小さい人。

メガネを掛けている、ピンポイントのホクロにだってフェチを感じるのもそうだろう。


そして、男が好き、女が好き。普通に言ってしまえば普通なのだが、こう言うのはどうだろう?


男で男が好き、女で女が好き。

これは同性愛者(ゲイ、バイ、ビアン)と言う一つの別カテゴリーになっている恋愛対象だ。

でも自分の中では、先程述べた太っている、痩せている、メガネを掛けている、と言った人それぞれ好きなタイプが違うくらいの事だと思っている。

そして自分はゲイの部類に属する。


小さい頃から自覚はあった。

かっこいい同級生を見るとトキめいたし、付き合いたい、キスしたいと普通に思った。

だからって告白したりしない。カミングアウトなんてする意味すらない。理解されようがされまいが、誰だって同性愛者だろうがなかろうが一人くらい苦手な人は居るだろう。ゲイだから苦手って思われてもなんとも思わない。逆に理解して欲しいと声高らかに叫ぶ人の気が知れない。

だから自分から相手の苦手なジャンルに入り込むカミングアウトはしないのだ。


小学校は至って普通の男として過ごしてきた。

若干女っぽい仕草等を指摘されたりもしたが、女好きなキャラでそこは乗り切る。

休み時間もドッヂボールに活発だった。

女の子に告白される事もあったが、特に付き合う理由もなければ好きになる事すら無いので断っていた。

小学校で一時期来るカップルブームはなんなのだろうか。


中学校に上がりハンドボール部に入部。

スポーツ熱心になっていた。友達も多く普通に人気者だった。

放課後にはみんなで集まり、仲の良い友達と塾にも通っていた。

至って普通の中学生活をしていた1年間、中学2年の頃からだ、ここで人生が変わった気がする。


携帯を持ち始めて、インターネットに触れる機会が多くなった。

もちろん周りもやってるSNSにのめり込んでいた。

そこでふとゲイ向けの掲示板がある事を知り、覗いてみる。


まるで別の世界でも見ているようだった。

掲示板に投稿している人全員が自分と同じ人種なのだ。

こんなかっこいい人もいるのか!それにこんなに沢山…


ここで自分も投稿してみる事にした。

返事はすぐに来た。

27歳、のプロフィールと写メ添付。

自分のタイプにストライクな顔立ちだった。

住んでるとこも近いし、週末に会う事になった。


そして週末、待ち合わせ場所でドキドキしながら待っているとその人がやって来て声を掛けられた。

「あきら君?」「そうです!」「んじゃ、とりあえず飯でも行こうか」「はい!」

こんなたわいもないやり取りをしたと思う。


そこから近くのファミレスに入り、世間話をした。

流石、誰かに会うのには慣れていると言うか、初対面でも緊張を感じ取って緩めてくれる。

多分この時点で惚れてたと思う。


この後はいざ、男同士で入れるホテルだ。

始めてのこの薄暗い空間にすごい緊張していた。

後ろから抱きしめらた時の暖かい感覚が気持ち良い。

「シャワー一緒に浴びよっか?」「…はい」

シャワーを浴びて一緒にベッドに入る。

これが抱かれると言う感覚か…


この出来事をきっかけに、簡単に会えると言う事を知ってしまった。


また会いたいと言う気持ちもすごかった。

なにより始めて会った人だし、新鮮な気持ちだった。

でも一回でも会えば十分なのだろうか、好きと言う気持ちとは裏腹に、連絡は徐々に途絶え自然消滅していった


それからは部活もあるし、友達との放課後の遊び等もあるし掲示板を使う事はしなかった。


一通りの修学旅行や運動会、受験勉強等のイベントを経て高校生に上がる。


高校生になって、同じクラスの男子のゆう、なおきと仲良くなった。

3人で同じ軽音部に入り、自分がベース、ゆうがギターボーカル、なおきがドラムで部活含め高校生活を謳歌していた、と思ったが何かが物足りなかった。

恋愛が欠けていた。

ゆうもなおきも彼女欲しいと暇さえあれば言っていた。


自分はカミングアウトしない分、ゆうとなおきがいくらカッコ良くても、女の子が好きな人に対して想いを寄せる事は無い、そこは自分のメンタルの強さだと思う。


それはそうと、自分も彼氏が欲しいと思うようになっていた。

高校生だから人並みに恋愛くらいしたい。

久々に掲示板で投稿でもしてみるか。


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