表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/16

対面の時

約束の3月3日だ。

総社市なんて行ったことがないから、朝から電車に乗った。

お母さんには、友達の家に行ってくると言って出かけた。

心配かけたくないんだ。近頃は少しずつ掃除も出来るようになったようだけれど、やつれた様子は隠せない。

おばあちゃんの言いつけを守るように、なるべく一緒にご飯を食べた。


お昼に総社市に着いた。

早く着いたため、電車で大きな神社に行ってみた。平日だったせいか、人も少なくのんびり廻れた。

青島さんとは、16時に青島さんが指定したコンビニで待ち合わせをした。

青島さんに教えてもらった、神社の名前はいくら探してもネットでも出てこない。

地図にも載っていない。


コンビニに、青いコートを着た老人を見た。待ち合わせ通りだ。

メールで、「僕は青島だから、青いコートを着ていきますね」

分かりやすい提案で、さすが年長者だなと頷いた。


「青島さんですか?」

「はい。高田さんですね」


メールでやり取りしていた雰囲気通りの人だった。

背筋が伸び、僕のような若造を馬鹿にしたような雰囲気もない。

申合せ施行人同士であることが、そのような雰囲気を出させているのかもしれない。


「高田さん、私は年ばかり重ねてしまっていますが、今回の申合せ施行はあなた同様初めてです。宜しくお願いします」


「こちらこそ、若造で申し訳ありません。宜しくお願いします」


「それでは行きましょうか」


青島さんに、連れられて施工場所と言われた神社へ向かった。


「ここですよ」


「え?何もありませんよ?」


「いえ、その石塔が目印なんです。昔は立派な神社だったようですが、今はこれしか残っていません。

とりあえず、日の入りの時間を待ちましょう」


日没は17時35分。あと一時間か。


そこで背後から、いきなり狐の集団が現れた。

50頭はいるだろうか。


「嫁は連れてきていないのか?」

先頭にいる狐が聞いてくる。狐って人間の言葉が喋れるのか?

設定おかしくないか?いや、最初から狐に嫁入りさせること自体が設定に無理があるもんな。

ゲーム感覚な僕とは対照的に、青島さんが毅然として答えた。


「嫁は連れていない。私たちはもう狐に嫁入りする風習をやめることにしました」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ