突然の手紙
その日から始まっていたんだ。
父が一年前に死んだ。まだ50代。若すぎるなと周りの大人たちは言った。
僕は、今22歳だ。
涙が止まらないほど泣いた。
「お父さん」というのが、照れくさくて「親父」と呼び始めた頃だった。
父は、酔っ払いが運転していた車に轢かれたのだ。
なあ、親父俺に言うことあったんじゃないのか?
なあ。。。。答えもせずに遺影は笑顔のままだ。
仏壇の前に座ってもう一時間も考えている。今日、受け取った手紙のせいだ。
「これ、意味わかんねえんだけど」
無言の空間が、広がるだけだった。
テレビでも見るか。意味が全く分からない手紙とにらめっこしていても、何も答えはない。
テレビを見ていても、落ち着かない。
スマホで、今日のニュースをチェックしても、この手紙に関する答えなどない。
まして、ゲームを始めてみても、落ち着いて遊びも出来ない。
全てこの手紙のせいだ。
高田翔様
前略、春雪の折、貴殿の就職が決まったと聞きようやく社会人としての歩みが始まりますね。
当方、貴殿の家系と申合せの期限が近づき、この春を楽しみに待っておりました。
申合せの履行を必ず果たされたし。
貴殿は、何事かと思われているかとこちらも事情を鑑みてはおります。
申合せの施行人には、西方に住む青島家も含まれております。
現在の当主は青島栄治氏です。その方と相談されたし。
まだ冬の寒さも残っておりますが、体調を崩されないよう期限を守り我らとの申合せを施行されたし。 早々
親父、なんだよこれ。
差出人の名前もないのに、俺の就職についてまで知っている。
代々受け継ぐものもないようなこの家の当主ということなのか。
青島って、誰だよ。西方に住むって、ここから西ってこと?
どうやって調べるんだよ。ツイッターで呟いたら、何か答えが見つかるのか?
でも親父くらいの年齢の人だったら、ツイッターもしてないだろうな。




