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人造天使の歩む道  作者: Allen
1章:始まりの古都
2/17

Act02:天使の旅立ち











「森だねー」

「森ですねー」



 見渡す限り緑の絨毯。

 三対目の翼のみを展開して飛行していた僕は、代わり映えのしない景色に思わずそう呟いていた。

 僕の頭の上でうつ伏せに寝転がっているアイも、どうやら退屈なようだ。


 あの施設を二人で飛び出してから数時間ほど。

 ある程度の高さまで上昇した僕たちは、とりあえずこの森林地帯を抜けるため飛行を行っていた。

 これだけの高度ならば魔物との遭遇も無く、快適な空の旅を続けることができる。


 一応、ある程度の目標はある。施設内の資料で調べた、国があった方向へと向かおうとしているのだ。

 かなりの年月が経過しているようだったし、その国も既になくなってしまっている可能性は高いだろう。

 けど、巨大な都市を一から建造するよりは、何らかの跡地を使った方が楽になると踏んで、僕たちはそちらに向かっていたのだ。

 まあ、平地にさえ出れば街道を探すのだって難しくないだろう。こういう時に、飛行能力は便利だ。



「けど、流石に暇になってきたね」

「ただ機械的に飛んでるだけですからねぇ。下に降りてみます?」

「いやいや、方角見失っちゃうから。こうも目印が無いと、一度見失ったら何処に進むかわからないよ」



 出発の段階では辛うじて分かっていた方角も、今となっては直進することしか出来ない。

 まあ、太陽の位置である程度分かるけれど、長い時間飛んでいるため太陽もそれなりに移動してしまっている。

 流石に、それだけで方角を見分けるだけの能力は僕には無かった。



「あ、でもほら、木々が少し疎らな所が出てきましたよ」

「そうだね。水場があったら休憩でもしたい所だけど……方角大丈夫かなぁ?」

「上空から湖の形を記憶して、それから方角を割り出せばいいのです。大丈夫ですよ」

「そっか、それなら――」



 頷き、僕は更に高度を引き上げる。

 三対目の翼は、そしてこの肉体は、千メートル級の高度まで到達したとしても全くといっていいほど負担を覚えない。

 どれだけ強靭なのかと、思わず突っ込みたくなる。急激な上昇によるGすら、軽いマッサージ程度にしか感じない。

 まあ、アイは僕の頭の上で押し潰されそうな声を上げていたから、速度は多少緩めたけれども。

 ともあれ、僕は高高度まで辿り着き、周囲をぐるりと見渡していた。



「さてと、湖は……ん、湖って言うか泉程度だけど、あそこにあるみたいだね」

「さ、流石にこの距離はアイにはさっぱり見えないのですよ」

「あはは、とりあえず降りようか。しっかり掴まっててね」

「はいです!」



 アイの言葉に頷き、僕は再び高度を下げる。

 方角は見失わないように気をつけながら、先ほど発見した泉へと。

 翼をはためかせつつ降り立ったその先は――木々に囲まれた、小さな空間だった。



「ふぅ……」

「お疲れ様ですよ、この辺りは魔物の気配もないですね……って言うか、魔除けの気配を感じます」

「魔除け? 魔物を遠ざけたり出来るの?」

「そうなのです。まあ、これはそういい品って訳でもないみたいですから、効果はそう長続きしないと思いますよ。昨日の夜辺り使って、そろそろ効果が切れそうな感じです」

「へぇ、色々あるもんだね……と、それはつまり、この辺りは人が入ってくる領域ってことか」



 どうやら、進んできた方角は間違っていた訳ではないらしい。

 満足して僕は頷き、泉のほうへと近付いていた。

 この場に魔物がいないなら、ある程度はゆっくり出来そう――



「――――ッ!?」

「イリスさん? どうかしたので……え?」



 泉に手を突け、その温度を感じ取ろうとした僕は――そこに沈んでいたものに、思わず顔を強張らせていた。

 ――そこにあったのは、人間の死体だったのだから。



「う……」

「だ、大丈夫ですか、イリスさん!?」

「う、うん……思ったより、冷静だよ。自分でも、びっくりするぐらい」


【――《戦闘用思考》――】



 どこかに響いたような声を聞き流し、僕は沈んでいた死体を引き上げる。

 女性、まだ若い、少女とは言わないまでも20代ほどだろう。

 旅慣れた格好の下には、身なりのいい服装。

 記録の中にある、従者服にも良く似ていた。



「……魔物によるものじゃない。刃物の刺し傷だ」

「人に殺された、のですか? でも、どうしてこんな所で?」

「それは分からないけど……彼女一人だったとは考えにくいかな」



 周囲を見渡しても、彼女のものと思わしき荷物は見当たらない。

 しかし、物取りという訳でもないだろう。彼女の持っているものは、何一つ手を付けられていないのだから。

 なら、何のために彼女を殺したのか。



「私怨? いや、どちらかといえば……」

「イリスさん?」

「……ちょっと、行ってみようか」



 彼女がやってきたと思われる痕跡は、まだ何とかたどることができる。

 ほんの微かだけど、血の臭いが残っているのだ。

 まあ、何かそれ以外に妙に生臭い臭いも残っているのだけど、とりあえず今は血を追ってみることにする。

 道も無い森の中、進むことは中々大変だけど、目印があるならどうにかなる。

 そう遠くない距離を進み――僕は、彼女が襲われたと思われる場所に辿り着いていた。



「む……もっと大勢の人間がいたっぽい感じなのです。足跡、結構残ってますね」

「これだけ深い足跡が残るってことは、それなりに装備を固めた人間がいたってことかな。どうも、向こうに向かったみたいだけど」



 これだけ深い足跡ならば、辿る事も難しくは無い。

 それに、もう一つ――何かが、無理矢理引きずられたような痕もある。

 僕の想像でしかないが、ここで襲われた人間は、恐らく一人ではないのだろう。

 その、他の誰かが生きているのか死んでいるのか、それは僕には分からないが――



1.行ってみよう、見過ごす訳にはいかない。

2.僕には縁の無い話だ。危険に首を突っ込みたいとは思わない。

3.遺品をしっけいする

>4.漂うフラグ臭い

5.周囲を確認し、何か情報がないか探る。遺品などもできれば失敬。それから行く

6.まぁなんにせよ、まずはこの人をできる範囲で弔ってあげよう



 とりあえず、ここまで来て見逃すのも忍びない。

 と言うより、状況が気になってしまう。これが寝覚めが悪いという感覚だろうか。

 どちらにしろ、厄介ごとであることに変わりはないし、注意しながら進むこととしよう。



「アイ。周囲の警戒、お願いできる」

「がってんなのです! 森の中でアイに勝てる者などいないのですよ!」



 自信満々に胸を張るアイに、僕は満足して頷いていた。

 アイはサポートフェアリー――人造天使エンジェドール最後の個体のために造られた、人工妖精だ。

 本来、妖精にはこれほどはっきりとした自意識はない。

 悪戯好きで人間にちょっかいをかけることもあるけど、基本的には無害な存在なんだそうだ。


 例外となるのは、人間と――意思ある生物と契約を結んだ妖精だけ。アイは、この部類になる。

 契約を結び、自意識を確立した妖精は、より明確な意志を持ってその特殊な魔法を操れるようになる。

 それが《妖精魔法》――アイが使える魔法の一つであり、この森の中でアイが無敵であると豪語する所以だ。

 《妖精魔法》の力は、簡単に言えば『自然物の操作』である。

 他の魔法と違い、魔力を変換して物質を生成することはできない。《妖精魔法》が出来ることは、最初から存在している自然物を操作することだけだ。

 人の手が加わったものには効果が薄く、街中などでは扱いづらい魔法である。

 けれど――このような森の中では、強力極まりない魔法になるのだ。



「ふんふーん……お、人がいますね。どうするのです?」

「まだ敵とは限らない……味方とも思えないけど。とりあえず、気付かれないように拘束できる?」

「お任せなのです!」



 僕の言葉に頷いたアイは、ひょいひょいと、まるで指揮者のように空中で手を振るう。

 アイの魔法の効果範囲は非常に広い。数十メートルほど離れていたとしても、そこはアイの掌の上だ。

 《妖精魔法》は自然物を操るという特性上、魔力の痕跡も残りにくく、察知することも難しい……というのが、自信満々に話すアイの弁だ。



「ふふんふーん、蔓がー、ぐにょ~♪ しゅっとやってー、ぐいっとしてー、キュッとやってー、ごきっ、なのです」

「うん、最後の音は駄目だからね。とりあえず」



 ここからだと流石に見えないが、樹上にある蔓を操って人を持ち上げ、首を絞めて気絶させているようだ。

 やろうと思えばアイの言うとおり、そのまま首をへし折ることだって可能なのだろう。

 まあ現状、ここにいる人物が何者なのかも分かっていない。正直、厄介な手合いである可能性が高いと思うけど。

 とりあえずは気絶させる程度でいいだろう。


 ……けど、殺す、か。


【――《戦闘用思考》――】


 忌避感は、ない。必要とあらば、感慨もなく命を奪えるだろう。

 無論、それを快楽にするような思考がある訳でもないけど……やっぱり、気をつけておくべきだ。

 慣れすぎてもいいことがあるとは思えないのだし。



「さて、と……あそこかな」



 小さく嘆息し、僕は視線を上げる。

 木々の間に薄っすらと見え始めたのは、小さな小屋のようなものだ。

 木で作られたログハウスのような感じだが、大きさは本当に小屋程度のものである。

 足跡は、あの小屋へと向かって続いていた。



「んー、流石に《妖精魔法》じゃ中は見えないのです」

「……周囲の警戒、怠らないで。とりあえず、接近するよ」



 兵装は出現させない。この場だと大きな動きは返って邪魔になるし、槍の力は大きすぎる。

 戦うにしても、ここは別の力を使うべきだろう。

 足元に気をつけ、魔力を押さえ込みながら、僕は小屋へと接近する。

 小屋には小さな窓が一つだけ――アイに中を覗き込んでもらえば、そこには半ば予想していた通りの光景があった。



「……男が二人、縛られた女性が一人……殺されては、いないみたいだね」

「けど、暴行の跡があるのです。その傷のおかげか、それ以上無茶な扱いはされていないようですが」



 不幸中の幸い、と言っていいのかどうなのか。

 転がされている彼女は、それなりに深い傷を負っている。

 男たちは、彼女に死なれてしまっては困るのか、それ以上のダメージを与えるような行為は出来なかったらしい。

 応急処置程度は施されているが、あまり激しく動かすことは出来ないだろう。

 とは言え、愉快な状況でないことは確かだ。少なくとも、あれだけの怪我を負っている女性をこんな場所に転がしているだけでもマトモな連中とは思えない。



「さっき死んでいた彼女と同じ服装……どこかの使用人?」

「聞いてみないと分からないのですよ。でも、どうします?」

「そうだね、ここは――」



1.荒っぽく、迅速に突入と行こうか。

2.聞き耳を立てよう、もう少し情報がほしい。

>3.とりあえず男どもを死なない程度に転がして、吐かせるだけ吐かせる

4.ステルス発動。気付かれないように侵入していつでも動ける体勢で様子を見る!



 ――状況が判らないなら、見極めればいい。

 森の中を歩いていた者たちは全てアイが捕らえている。

 なら、ここにいる連中はじっくりと対応することもできるだろう。



「アイ、合図したらガラスを割って」

「お、魔法ですか?」

「うん。連中が魔力感知できないことを願うよ」



 言って、意識を集中させる。

 僕の使える魔法は、天属性と呼ばれる属性魔法だ。

 珍しい属性らしいけど、簡単に言えば光の魔法と言った感じである。

 現在、僕の魔法技能はそれほど高くない。というか宝の持ち腐れといった状況だ。

 まあ、練習もまだまだ殆どしていないような状態だし、仕方ないのだけれども。



「でも、それで十分だ」


【――《戦闘用思考》――《魔法・天:光輪の縛鎖》――《魔力充填》――】



 基本的な魔法であろうと、過剰に魔力を注ぎ込めば十分な威力を発揮する。

 頭の悪い力技だけど、これでも十分に効果があることは実証済みだ。

 高まる魔力をなるべく体の周囲に留める努力はしているけど、隠蔽は完璧ではない。

 けど、小屋の中の男たちが気付いた様子も無い。

 反応を示しているのは、僅かに身じろぎする女性だけだ。



「――アイ」

「おおっと、突然の投石なのです!」



 《妖精魔法》で打ち出した石が、小屋のガラスを破壊する。

 今僕が使おうとしている魔法は、障害物があったら効果を及ぼせない程度のものだ。

 けど、射線さえ通れば問題ない。

 窓の前へと飛び出した僕は、魔力を湛えた右手を突き出していた。



「縛れ、《光輪の縛鎖》!」



 放たれたのは、白く輝く光の鎖。

 魔力の過剰供給によって強化されたそれは瞬時に男達の所まで到達し、その体をぐるぐるに縛り上げていた。

 バランスを保てずその場に倒れる男達の様子に満足し、僕は窓を乗り越えて小屋の中に侵入していた。



「どうも、こんにちは」

「な、何だテメェ!?」

「何のつもりだ、解きやがれッ!」



 地面でもがきながら叫んでいる男たちの様子に軽く肩を竦め、僕は鎖の根元が伸びる右手を頭上へと向けていた。

 瞬間、鎖の根元は僕の掌から切り離され、そのまま小屋の天井に繋ぎ止められる。

 結果として、男たちは逆さ釣りにされた状態のまま、小屋の中央付近に並ぶこととなった。



「ぐ、クソ、解けねぇ……ッ!」

「おいクソアマ……! テメェ、こんなことをしてただで済むと――」

「はいはい、森の中のお仲間は皆片付けてあるから、誰かが戻ってくるのを期待するのは無駄ですよ」



 その言葉に絶句した男達を尻目に、僕は倒れている女性へと近付く。

 手当てはされているし、すぐに命に関わることは無いだろう。

 だけど、放置していいような傷ではないことも確かだ。

 早く医者の所に連れて行かないとならない。



「今の僕の魔法じゃ、回復効果があるものは使えないし……」

「同じくですよ。万能のアイちゃんとは言え、出来ることと出来ないことがあるのです」



 とりあえず、この人は早めに街に連れて行くしかないだろう。

 辛うじて意識はあるようだし、話せれば何とかなるか。

 さて、彼女の方は緊急性は無いとして――



「それで、貴方達は何者ですか? 泉で殺されていた人は見ましたし、この状況を見ても、まともな仕事の人には思えませんが」

「はっ、誰がテメェなんかに――」



 ああ、僕を煙に巻くような発言をしないあたり、ただの頭の悪い人のようだ。

 これで、善悪を混乱させるようなことを言ってこられれば、僕としても若干困る所だったけど。

 まあ、どちらを助けるかなんて決まりきっているけどね。



「口答えはしなくていいです。二人いますからね、一人いなくなっても問題ありませんよ」


【――《戦闘用思考》――《魔法・天:光の剣》――】



 告げて、僕は光で形成された剣を発現させる。

 ただの天属性魔力を集めて剣状にしただけの簡単な魔法だが、この場ではこれでも十分だろう。

 僕の魔力で作られた刃は、脆くはあるけど非常に鋭利な刃と化すのだから。

 切っ先で軽く床を撫でれば、それだけで木材の床など容易く斬れてしまう。



「ま、彼女も辛そうだから、手っ取り早く行きましょう。情報を話してくれた方には、この剣を向けないと約束します。無論、もう片方の首は落ちることになりますが……どうします?」



 ひたりと剣を相手の頬に当て、僕はそう問いかける。

 この剣の斬れ味はきっちりと理解しているのだろう、ごくりと唾を飲み込む気配が伝わってきた。



「わ、分かった、話す! 俺が話す!」

「なっ、テメェ、見殺しにするつもりか!? おい、俺の話を聞け!」

「おや、随分素直になりましたね。二人共話してくれるのなら、それでもいいですよ。この剣は消しておきましょう」



 別にどちらが話そうと問題は無い。僕が欲しいのは情報だけだ。

 そんな僕の考えを知ってか知らずか、安心した表情の男たちは、ぺらぺらと口を割り始めた。



「お、俺たちは仕事を依頼されただけだ! 変な仮面の野郎が、この女の主人を連れてきたら報酬を渡すって!」

「額も良かったし、前金も貰った! ただの仕事だったんだよ!」

「へぇ……人質と言うわけですか。人をおびき出すだけなら、二人も要らないと? だから、もう一人は殺した?」

「仕方ねぇだろ、強かったんだよ! 数で掛かっても、殺さずに捕らえるのが難しかったんだ!」



 彼女が重傷を負っている理由はこの辺りにあるようだ。

 しかし、こいつらはただ使われただけである、というのも事実らしい。

 仮面の男――そいつが、彼女の主に用があるということか。



「その仮面の男と言うのは?」

「素性は知らねぇ、詮索は許さねぇって相手だった……不気味な、笑ってる顔のような白い仮面の男だ」



 何ともまぁ、話に聞くだけでも怪しい人物である。

 その人物に聞かない限り、これ以上のことは分からないだろう。



「そろそろ、行った方がいいのです。運ぶとなると、その人にもそれなりに負担が掛かるのですよ」

「っと、そうだね……それじゃあ、情報提供ありがとうございます」



 言って、腕を振るう。再び僕が発現した光の刃は、小屋を支えている柱を綺麗に断ち斬っていた。



「約束どおり、剣は向けませんでした。それでは」

「な……ッ!? おい、待て! 待ってくれ!」

「崩れる、崩れちまうだろ、おい!」



 男達の声を背中に、僕は倒れた女性を抱え上げて外に出る。

 どうも、思った以上に厄介な気配がする。この事件の背後にいる仮面の男とやらに、僕が注目されることは出来るだけ避けたい。

 妙なことにならなければいいけど――



「ぅ……」

「大丈夫ですか、喋らないで。今から、街にお連れします」



 うっすらと目を明けた彼女に僕は笑いかけながらそう告げて、三対目の翼を出現させる。

 あまり見られたくないのは事実だけど、森の中を怪我人を連れて歩くほうが危険だ。

 さっさと飛んで行かないと、彼女にも負担が掛かってしまう。

 彼女を揺らさないように注意しながら、小屋が潰れていく音を背に、僕は空中へと駆け上がっていた。



「ぅ、そ……上位、有翼種……?」

「え? あ、あー……」

「イリスさん、上位有翼種っていうのは、翼をしまえる有翼種のことです。そう名乗っとけば誤魔化せるのですよ」

「は、はい、そんな感じです」



 耳元で囁いたアイの言葉に従うように、僕は女性の言葉に頷く。

 まあ、人造天使エンジェドールなんて言うよりもずっと現実味はあるだろう。

 流石に、その上位有翼種とやらに三対も翼があるのかどうかは知らないけど。



「すみません、街はどちらか分かりますか?」

「っ……あっち、ですね……」

「分かりました、後はお任せください」



 翼を羽ばたかせ、僕は駆ける。

 思った以上に厄介な状況となってきたこの旅立ちに、思わず嘆息を零しながら――











 【Act02:天使の旅立ち――End】











NAME:イリス

種族:人造天使(古代兵器)

クラス:「遺物使いレリックユーザー

属性:天


STR:8(固定)

CON:8(固定)

AGI:6(固定)

INT:7(固定)

LUK:4(固定)


装備

天翼セラフ

 背中に展開される三対の翼。上から順に攻撃、防御、移動を司る。

 普段は三対目の翼のみを展開するが、戦闘時には全ての翼を解放する。


光輪ハイロゥ

 頭部に展開される光のラインで形作られた輪。

 周囲の魔力素を収集し、翼に溜め込む性質を有している。


神槍ヴォータン

 普段は翼に収納されている槍。溜め込んだ魔力を解放し、操るための制御棒。

 投げ放つと、直進した後に翼の中に転送される。



特徴

人造天使エンジェドール

 古の時代に兵器として作られた人造天使の体を有している。

 【遺物兵装に干渉、制御することが可能。】


《異界転生者》

 異なる世界にて命を落とし、生まれ変わった存在。

 【兵器としての思想に囚われない。】



使用可能スキル

《槍術》Lv.1/10

 槍を扱える。とりあえず基本的な動作は習得している。


《魔法・天》Lv.1/10

 天属性の魔法を扱える。とりあえず基本的な魔法を使用可能。


《飛行》

 三枚目の翼の力によって飛行することが可能。

 時間制限などは特にない。


《魔力充填》

 物体に魔力を込める。魔導器なら動作させることが可能。

 魔力を込めると言う動作を習熟しており、特に意識せずに使用することが可能。


《共鳴》

 契約しているサポートフェアリー『アイ』と、一部の意識を共有することが可能。

 互いがどこにいるのかを把握でき、ある程度の魔力を共有する。


《戦闘用思考》new!

 人造天使エンジェドールとしての戦術的な思考パターンを有している。

 緊急時でも冷静に状況を判断することが可能。



称号

《上位有翼種》

 翼を隠せる存在は希少な有翼種であるとされており、とりあえずそう誤魔化している。


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