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カウント

 私が図書室に残るのなら、星来も残ると言い出した。西川も残ると言い、結麻カップルと野崎は出て行った。


「星来、メイクするなら貸すよ」


「あ、うん。でも私、メイクしたまま寝るとお肌荒れるからなぁ。やっぱりいいや。理緒はお肌強いんだね、いいなぁ羨ましい」


「あー、私も寝るときには落とすけど」


 眉毛と二重だけキープする。星来はメイクしていなくても地の眉毛がちゃんとあるし、元から二重だ。そっちのほうが羨ましい。


 夜が来て、お腹が空かないように早めに寝ることにした。図書室にはソファーがあるし、冷暖房や換気扇などの空調が整っている。「良い部屋を占拠している」と憎らしく思う気持ちは分かる。


 でも根津が死んだ体育館では眠れる気がしない。

 根津たちは無駄死にではなかった。ちゃんとカウントされて、粛清されるのは三十人になった。そして柔道場で五人が死に、保健室で三人が死んだ。あと二十二人、醜い者が死ねば残りの者は助かる。


 しかし審査外で離脱者が出ていることに化け物が気付く可能性は当然ある。母数の人数が多いうちに、一日でも早く審査を通って解放されたい。できたら明日。


 AIくんの審査時には完全に素っぴんになるとして、明日選ばれる二十人に入るだろうか? 


 完全に素っぴんになれば、薄い眉に一重まぶたの細くて垂れた目、黒目が小さい私は、かなりブスだ。顔で一番印象を強く残す『目元』が変わるから。しかし鼻や口と違って、メイクやコンタクトで簡単に変えることができる。


 残り百二十二人いる同級生の中には、目元も悪いし、鼻も口も悪いという人もいるだろう。

 それに審査対象は顔だけではない。一般的に考えて『容姿の美醜』には、体型も大きく関わってくる。太っている人や、痩せすぎの人、身長がかなり低い人もいる。ニキビだらけの肌や、高二なのに三十路に見える老け顔の人もいる。


 目元だけブスの私が、その人たちに勝って初日の二十人に選ばれるだろうか?

 初日は厳しいかもしれない。最終日に残る二十二人にはならないことは確実だが、何日目まで残るかが問題だ。


 初日に素顔を晒して、みんなにブスだとバレたら、その後が地獄だ。メイクで詐欺っていたことがバレたら、深谷にも狙われるだろう。


 明日はあえてまだ素顔にはならず、明後日に勝負をかけようか。悩ましい。母数の人数が減りすぎても困るが、ライバルが多すぎるのも困る。もう少し減ればいいのに。


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