夕焼けの色を見て
僕、電車通学なんですよ。駅までは自転車で行ってるんですね。大体30分くらいかけて。「大変ですね」ってよく言われますけど、電動自転車だから、ペダルを漕ぐこと自体はそこまで苦じゃないです。問題は、冬の寒さ。
冬って辛いんですよね。
毎朝自転車にコートとマフラーと手袋とカイロ。完全防備。寒くて仕方ないですから、あまりスピード出したくないんです。寝坊した日なんか、最悪ですよ……
普段はマスクを付けているんですけどね、そのマスクの内側が、水滴でぐしょぐしょになるんです。だから付けないで自転車に乗るんですけど、付けないなら付けないで鼻の感覚がなくなるんです。どうすればいいんだよって話ですよね。
でも学校から帰るのは、決まって夕暮れ過ぎた頃なんです。海岸沿いを走りながら、ああ、夏なら夕日見れたかな……とか考えるんですよ。
夕日見ながら何を考えるんでしょうね。
当然、「綺麗」っていうのは大前提。だって綺麗ですし。
でも、「綺麗」っていうのは事実です。頭の中で、事実を反芻しているだけなんですそれって。
感情があるじゃないですか。
沈んでいく夕日って、なんだか少し淋しいですよね。
でも、夕焼けは晴れ、ってよく言うんです。夕焼けは晴れ、まだ分かりますよ。「明日いい日になあれ」的なことでしょう?
朝焼けは雨って……朝焼けは雨だなんて…………
なんだか、今日一日悪い日になりそうな気がするんです。
話が逸れましたね。
夕日って少し淋しいですよね。
太陽って昇ってからあっという間に沈んでしまう。僕達が忙しなく動いている間に、いつの間にか昇ってきた方向とは真反対の位置にまで来て、すこん、と沈んでしまう。呆気なく。
残酷と言うか、何と言うか……ねえ。
そんな、何の足しにもならないことを考えながら、僕は今日も海岸沿いを帰ります。
四季あらた




