自分の歩幅で
拓は発達障害がある。
周りと同じように仕事をこなそうとすると、どうしても疲れてしまったり、ミスをしてしまうことが多かった。
「自分は働けないのかもしれない」
そう思って、一度は心が折れかけたこともある。
けれど、彼には誰にも負けない集中力があった。好きなことや興味のあることに取り組むと、時間を忘れてのめり込める。
ある日、職場で「資料を整理してわかりやすくまとめてほしい」と頼まれたとき、その力が花開いた。
彼が作った表やメモは、複雑な情報をすっきりと見やすく変えていた。
「拓さんのおかげで助かったよ」
同僚のその言葉に、胸の奥がじんわりと温かくなった。
拓は気づく。
「みんなと同じようにではなく、自分の歩幅で働けばいいんだ」
発達障害があっても、自分の特性をいかせる場所は必ずある。
少しずつでも前へ進んでいける。
彼の笑顔は、そう語っていた。