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冒頭.その世界へ

こんにちは。

この作品は、ファンタジー作品になります。

最初なので、主人公が、現世にいる描写、抱える不安を表す描写になります。

人も一応死にます。

お気を付け下さい。

焦る。

突如として襲いかかる、大きな不安に、焦る。

まさかあいつらが、今までずっと一緒に過ごしてきたあいつらと、これからもずっとこの関係が続いていくと、そう信じていた幼なじみで親友のあいつらと。

いつか、バラバラに、離れ離れになっていくなんて。

「まさかこんな、なんで、くそ」

言葉が纏まらず、ただ地面に悪態をつくことしか出来ない。

幼い頃から友達で、大学生までずっと一緒だった、腐れ縁の親友が3人いる。

俺はそいつらと一緒にいることが何よりも快適で、何よりも好きだった。

皆でバカをしたり、下らないことを真剣に考え、話し合ったり、そんな日常を楽しんでいた。

でも、変わっていった。

1人は他に大事な人を見つけ、その子に全てを注ぐように、1人は昔からの夢を叶え、その仕事に全てを注ぎ込むように、1人は旅に出た。まだ自分の知らない世界を見に行くと、全てを懸けて。

皆、離れていった。

皆、自分の道を見つけて行った。

なのに、それなのに、俺にはあいつらが居なくなると、何も無かった。


「俺達、また会えなくても、何があってもずっと友達だ!」なんて言葉を、最近あいつらから聞いた気がする。

そんな魅力的な言葉を思い浮かべても、俺の吐く息は荒いままだ。

そんな素敵な言葉を聞いても、俺の現状は良くはならない。

やりたいことも決まらず、ただやりたくもない仕事をする毎日、そんな所で、自分をさらけ出せる訳はなく。本音を抑制し、従う。そんな毎日。

あいつらと一緒にいる時だけが、それを忘れさせ、自分を吐き出せる瞬間だった。

これから俺は、誰に自分を見せれば良いのだろう?いつ、溜め込んだ感情を、外に出せるのだろう?

「俺、もう、独りだ」

いやな言葉を呟いてしまう。

「独りぼっちだ」

絶望から逃れられず、自然と言葉を吐き、現状を再確認させられる。

恐怖から涙と吐き気が止まらない。

嫌だ、独りは嫌だ、孤独は嫌だ。

耐えられない。

永遠に続くと思っていた幸福は、永遠に浮かぶ不安へと変異した。

「誰か、誰か見つけないと。」

孤独を知った蛙は、外に出ようともがこうとするが、遅すぎた。

今まで人を知ろうとしなかった自分に、自分を知ってもらう方法など、知る由もない。

それでも、もがくことしか出来ない。今更だとしても、今頃だとしても。

「そ、そうだ、人を知ろう!誰かと話をしてその人を知っていこう!そうすれば、絶対仲良くなれる。俺の事も知ろうとしてくれる!」

震える体と、千鳥足で、人の気配がある場所へ、足を運ぶ。

「でも、誰に、どんな奴に話しかければ。」

いざ実行しようとすると、直前でまた新たな不安が脚を引っ張る。先程まで自分に酔っていた俺は、ハッと我に返り、また恐怖する。

赤の他人に急に話し掛けられることなど、普通に考えれば、意味不明でしかない。

煙たがられるか、突き放される。心無い言葉を掛けられて終わるかだ。

「他人を知ることが怖い、傷つきたくない...」

崩れ去った防衛本能はそれでも、心を守ろうと機能する。

「それでも」

それでも、脱する為には、他に道は無い。

深呼吸をして前へ進もうとする。

その瞬間、何者かに声を掛けられる。

「おや、そこのお兄さん、面白いことになっているようだね」


話し掛けて来たのは、顔を覆い隠すほど深いフードを被った、いかにもといった雰囲気の怪しい女性のようだった。

「何か、複雑な人間関係の不安に、お困りの様子と見える」

その言葉に俺は、少し驚愕する。

「現状を脱する為に、少し無茶な方法を取ろうとしているようだが、やめておいた方がいい、もっと楽な方法がある」

全てを知っているかのような女性の言葉に、俺は耳を傾けずには居られなかった。

「それは、文字通り別の世界を知ることさ、この世には、君の知る世界とはまた、別の世界が無数も存在しているんだよ。」

俺は、巧みな話術に完全に聞き入っていたが、その言葉で一気に冷めていく、何やら胡散臭いことを言い始めた。

「私はその世界を知る機会を、提供する事が出来る。今の君を救うことが出来るかもしれない。」

そんなことを言うと、女性は懐から何やら丸いものを取り出した。

「この丸薬を飲めば、別世界に魂を連れていくことが出来る。君の魂を別世界に転生させ、新たな肉体を得ることが出来るんだ」

...胡散臭さが拭い切れない。こんな馬鹿な商法に誰が引っかかるというのか、売れない占い師ですら、まだまともな方法を取るだろう。

いつもの様に人からの干渉を拒もうと、首を横に振ろうとする。

しかし、先程、自分は他人を知ることを決めたのを思い出す。

「...これも何かの巡り合わせか」

俺は、丸薬を受け取った。

「いい答えだ」

女性がニヤリと笑う。

その謎の丸薬に、脳があらゆる疑いを提示し始める。

何かヤバいクスリなのではないか?毒でも入っているんじゃないんだろうか?そんな事ばかりを考える。

だが俺は人を信じてみることを誓った。

あぁ、神よ、俺に人を信じる事を信じさせて下さい。

俺は覚悟した。しかし怖いので、取り敢えず舌で少し舐めてみる。

「ううっ!!」

瞬間、体に電流でも走ったかのような感覚に襲われ、脱力していく。

「ああ、言い忘れていたよ、その丸薬を飲むと、現在の身体から魂が出ていくから。死体と同じ状態になるんだよ。全てが上手く運べば、また戻ってこれるさ、頑張りなさい」

そんなことを女性が言っている。

「即...効、性...かよ...」

飲むって、本のちょっと舌を付けただけじゃないか。

...やはり人はそう簡単に信じるべきでは無い。

薄れゆく意識の中、俺は再認識した。

ヤバイ薬だったし、毒だった。






次回からは、異世界での話の予定になります。

呼んでいただいた全ての人に、感謝を

ありがとうございました。


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