執着 其の1
「しかも女子校」
「寮生活でここから結構遠い」
鎌風兄弟もとい双子の翔希と春希。見た目は可愛い。本人達も自覚しているからあざとい。それだけならいい。鎌風と言えば風力発電の会社を経営しているトップだ。それがこの双子の父親である。
「それも俺たちに一言も相談もなく。…まぁ相談しても女子校なんて認めないけど」
見た目不良さん。中身そのまんま。中学の時から他校にも名も知れ、恐れられてた。最強とかなんやら言われてたらしいが。龍崎紫苑。こいつは…うん、裏の人間だ。所謂ヤクザの若頭なんだそうだ。
「そうだね。俺らが姫から離れるわけないし?つーか、離さねーし」
ぎゅっと後ろから抱きついて来たのは狼川壱夜。幼馴染の中では1番背が高いくせに甘えん坊だ。日本有数の大病院の医院長の息子である。
「どう足掻こうが権力には勝てん。それに変な奴らに渡したくないからな」
魔王こと狐爪海里。幼馴染の中では1番計算高い。腹黒。でも眼鏡じゃない。でも怖い。怒らせちゃいかん人。いや、幼馴染全員そうなんだけど特に海里は1番やばい。そして政治家の息子だけあって権力ぱない。何度あたしに手を出した人が消された事か
これだけ語れば嫌でもわかるだろう。どうみても《普通》ではないという事に。ちなみにあたしはごく普通の普通な家族であり、父親は一般企業に勤めてるし、母親は専業主婦だ。妹や弟とかはいない。一人っ子だ。弟的な従兄弟はいるが
いや、さらに《普通》じゃないこともある。
奴らは人外なのだ。うん