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能無しハンター  作者: 四葦二鳥
第2章 能無し姫君
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第4話 王都へ

 シュツルムホルストに戻ると、ペトラはさっそくギルドに行き、クエスト達成を報告。報酬を貰った。ちなみに、ウーレ・ベアから採れる素材は、ハンターが貰うかギルドに売るかのどちらかを選択できるが、ペトラは毛皮を一部貰い、他は売る事にした。


 その後、ペトラはホテルへ、ルッツはイレク・ヴァドへ戻り、一夜を過ごした。


 そして、翌日の朝。ホテル前。


「じゃ、僕は旅を続けるから。ペトラも、気を付けて……」

「待って」


 バイクにまたがり、去ろうとするルッツを、ペトラが制止した。


「私は、あんたと一緒に付いていきたい。その方が、ハンターとして腕前を上げられるだろうし。それに、あんた能力が無いから、ギルドに入れないんでしょ? だったら、曲がりなりにもギルドの組合員である私が一緒なら、色々と役に立つんじゃない?」


 ルッツは、しばらく思考した。そして、答えを導き出した。


「僕は、世界中を巡ろうと考えている。だから、二度と故郷に戻れなくなるかもしれない。そこで、僕がお前を連れて行くのは、国境付近までとする。そこから先、ずっと付いて行きたいかどうかは、その時にお前が決めろ。いいな?」

「……いいわよ」


 ペトラは、ルッツの厳しい口調に少したじろいだが、了承の意を示した。


「了解だ。それじゃ、これ」


 ルッツが渡したのは、予備のヘルメットとタクティカルベストだった。


「安全のためだ。それを着けろ。でないと走ってついて来させるからな」

「わかったわよ。にしても、全部モスグリーンって……。もうちょっとマシな色はなかったの?」

「残念だが、これしかない。でも、今度スポンサーと接触したら、他の色が無いか聞いてみるよ」


 そして、ルッツはエンジンを吹かし、バイクを走らせた。


「そう言えば、次の目的地は?」

「王都主パーマリッヒ。あそこは、外国へのアクセスがいいからな。とりあえずそこを目指す」

「え~?」


 見るからに、ペトラが嫌そうな顔をした。


「不満か?」

「いや……、あそこは、一回行ったところだから、わざわざ戻るのも……」


 ペトラの言葉に、何か裏がある様な気がしたが、何か深い事情があると思ったルッツは、詮索しないでおいた。


「お前が僕の旅に付いて行くって言ったんだからな。文句を言うな」

「はいはい。わかりましたよっと」


 バイクは今日も、快調だった。


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