第2話 情報戦
フオコ・ドラコ討伐に協力する事にしたルッツとペトラは、早速標的の情報集めに奔走した。しかし……。
「ダメだ、何もない……」
国王の説明にあった通り、フオコ・ドラコの出現回数が少ないため、国王の説明以上の情報を得る事はできなかった。限られた人物しか入る事のできない王宮の書庫で探しても、このざまである。
「どうするの、ルッツ?」
不安そうな顔で尋ねるペトラ。だが、ルッツには奥の手があった。
「大丈夫だ。あいつなら、何か情報を持っているかもしれない」
◇◆◇◆◇◆
「数えるほどしかありませんでしたが、映像が見つかりましたよ」
ルッツとペトラは、イレク・ヴァドに来ていた。400年前から存在するイレク・ヴァドの記録の中に、もしかしたらフオコ・ドラコに関する物があるかもしれないと踏んだからである。
そして、結果は成功。アスカによると、映像があるとの事。
「早速映してくれ」
ルッツの指示で、アスカはイレク・ヴァドのモニターに記録映像を映した。
そこには、巨大な赤い竜が暴れ回る様子が映し出されていた。
「当時の解析記録によりますと、鋼より硬い甲殻を持っていて、火や熱に耐性を持つと思われます。さらに、火のブレスを吐く姿も確認されていますね」
この報告を聞いたルッツは、難しい顔をした。というのも、このフオコ・ドラコの特徴は、総じてルッツとは相性が悪いのである。
ルッツが使う武器は、金属の弾を射出する銃器と、炎や熱、衝撃波で攻撃する爆弾という二つの系統で構成されている。
だがフオコ・ドラコは、鋼より硬い甲殻を持つため銃弾や衝撃波はダメージを与えにくいし、炎や熱に耐性を持つために爆弾系の持ち味が生かされない。
つまり、ルッツが持ちうる手は、ほぼ封殺されたのだ。
「アスカ、何か弱点はないか?」
「それが、弱点が判明できるほど記録が無いので……。ただ、かなり長距離を飛べる飛行能力がある事はわかっていますし、ブレスの発生メカニズムもある程度は推測出来ています」
アスカの報告を聞き、しばらく考え込んでいると、ルッツは何かを決意した。
「わかった。有効な攻略法が無いのは痛手だが、とりあえず空中戦を見込んでゼロ戦の改造をしよう。それと、ターゲットの動きを制限する新兵器も準備する」
「わかりました。両方お任せ下さい」
アスカは、ルッツの方針で準備を進ませる事に同意し、早速動き始める事にした。
「ルッツ、あたしも何かできる事があれば……」
「ああ。ペトラには、君の能力をコクピット内で使用出来る新壁の構想がある。とりあえずそれを待ってほしい」
ルッツには何か、ペトラの能力を生かす考えがあるらしい。
様々な思索を巡らせながら、来るXデーに向けて、着々と準備は進められるのだった。




