第4話 襲撃者
「それにしても、リヴィオの能力、ものすごく強力だったわね。誰に教わったの?」
「自主練です。家族のみんなは、あんまり能力の訓練に興味ないみたいですから」
クエスト終了後、ペトラとリヴィオは、クエストや能力の事で会話に花を咲かせながら、クエスト終了を報告するため、ギルドへ向かっていた。
しかし、アウアンティッド・ネロラータの死体を担ぎ、二人の後を黙って付いて行くルッツは、怪訝な顔をしていた。
と言うのも、誰かに付けられている気がしたからだ。
そして、ルッツの不安感は現実の物となった。
「まずい、みんな避けろ!!」
突如、3人の背後から、二人組の男が襲ってきた。ルッツはそれに気づき叫んだものの、全員クエスト終了直後であったため、疲労から俊敏な動きが取れなかった。
そして男達は、ペトラが持っていた2丁のスピアガンを奪い取ってしまった。なぜペトラが2丁持っていたかというと、ルッツがアウアンティッド・ネロラータを担いでいたため、ルッツの代わりにスピアガンをペトラが持っていたのだ。
「きゃあっ!」
「うわっ!?」
ペトラとリヴィオは、スピアガンを奪われた反動で、倒されてしまった。
そんな中、ルッツは冷静に、対処法を考えた。そして、一つのアイディアを思いつく。
「アスカ、M870と鎮圧用ゴム弾を転送しろ」
『了解しました。少々お待ちを』
ルッツはアスカと通信し、M870ショットガンと、鎮圧用ゴム弾の転送を要請した。
鎮圧用ゴム弾とは、円柱状のゴムの棒をした弾で、先端に十字の切れ込みが入っている。これをショットガンで放つと、風圧で切れ込みが避け、ゴム弾が十字に開く。これで受ける空気抵抗を大きくし、殺さない程度に弾速を落とすことで、非殺傷弾としての効果を発揮する。
ちなみに、弾の大きさや形状上、ショットガンでなければ撃てない。
ルッツがアスカから所要の物を送られてくると、素早く弾薬を装填。スピアガンを奪った男共に向け、2発放った。
「ぐえっ」
「ごふっ」
放ったゴム弾は、見事クリティカルヒット。男達は卒倒してしまった。
そしてすぐ、男達に突き飛ばされたペトラが立ち上がり、奪われたスピアガンを回収。ルッツは男共を縛り上げた。
「こいつらどうする、ルッツ?」
「ギルドに戻ったら、尋問してギルドへ引き渡す」
「じゃあ、オレがこいつらを運びますよ。引きずって行けば、オレでも運べますから。ルッツさんは、さっきみたいに獲物の死体を運んでください」
そして一行は、再びギルドへと歩いて行った。
この時、3人とも差し金が誰なのか察していたが、証拠が無いので黙っていた。




