残酷
14:40
神埼達は階段をかけあがって行く。
屋上を目指して。
そして
やっと神埼達は屋上の扉の目の前にたどり着いた。
神埼「はぁはぁ。」
神埼の息があらい。
伊草「だらしねーな神埼。」
伊草は息ひとつ乱れていなかった。
姫路「もぉ。しっかりしてよ。」
姫路もそんなに乱れていなかった。
神埼「うるせーよ。運動不足なんだよ。それより早くあけろよ。」
伊草「おっおう。」
伊草は屋上の扉を開けた。
だが伊草の目には予想外の光景が見えた。
屋上にはヘリコプターがとまっていた。
だが
その周りには自衛隊の人が数人倒れこんでいた。
血まみれで・・・
おそらく既に死んでいるんだろう。
姫路「きゃっ!」
姫路は神埼の腕に飛び付いた。
神埼「おっおい。」
当たってんぞ・・・
神埼は姫路の柔らかいものが当たっていることに
気まずさを感じていた。
だが姫路はまったく気にしていない。
神埼「くっつくなよ。」
神埼は片手で姫路の肩を押す。
姫路は神埼から離れた。
姫路「駆のばか・・・」
姫路は小声で呟いた。
神埼「はっ!?」
意味がわからん。
伊草「いったい誰がこんなことを・・・」
神埼「ゾンビの仕業じゃないしな。」
死体には銃で撃たれたようなあとがあるし・・・
伊草「あぁ。」
神埼「とりあえずヘリの中、見てみようぜ。」
姫路「えっ!?どうしてそうなるの!?」
神埼「どうしてって、ヘリで逃げられないんだから武器とか必要だろ。それにワクチンも。」
姫路「武器はあるかもしれないけど、ワクチンなんてあるかわかんないよ?」
神埼「さっき会った自衛隊の人がワクチンがどうたらこうたらって言ってたから多分あるさ。」
姫路「ワクチンがあるならなんでさっき噛まれた自衛隊の人はあんなことに・・・」
神埼「深く噛まれたらワクチンも効かなくなるんだろ。それよりヘリの中を見るぞ。」
神埼はヘリコプターに歩み寄る。
姫路「置いていかないでよ!」
姫路は神埼の背中に飛びつく。
神埼「だからくっつくなよ!」
伊草「まっ待て!」
伊草のその声を聞き、
神埼と姫路はその場に立ち止まり伊草の方を振り向いた。
姫路「どうしたの?」
伊草「ヘリの中に誰かいる。」
姫路「えっ?えっ?もしかしてお化け!?」
神埼「そんなわけねーだろ。」
姫路「じゃぁ誰!?」
神埼「俺が知るかよ。」
すると
ガチャッ
突如ヘリコプターの扉が開いた。
そして一人の男の子が出てきた。
その男の子は坂のが丘高校の制服を着ていた。
自衛隊じゃないみたいだ。
その男の子の手にはハンドガンが握られていた。
神埼は直感した。
こいつはヤバイ奴だと。
もしかしたら俺らも殺されるかもしれない・・・
伊草「お前がやったのか!?」
伊草はヘリコプターの周りに倒れている自衛隊の人達を見ながら言った。
牧「はい俺がやりました。」
伊草「どうしてこんなことを?」
牧「仕方なかったんです・・・」
牧は何があったかは話そうとしない。
牧「ヘリコプターの中に銃や弾薬、それに使い物にならないワクチンがありますよ。」
神埼「使い物にならない!?」
牧「こんなワクチンじゃ誰も救えやしない・・・」
牧は小声で呟いた。
その声は神埼たちには届いていない。
牧「俺はもう行きます。」
牧は歩きだした。
神埼「お前名前は!?」
牧「名前ですか?牧・・・牧飛鳥です。」
神埼「牧・・・」
牧は屋上を出ていった。
姫路「どうして牧君はこんなことをしたんだろ!?」
神埼「さぁな。でもよっぽどのことがあったんだろ。」
そうでなきゃ人間なんて殺せるはずがない・・・
それよりヘリコプターの中を確認しよう。
神埼はヘリコプターに駆け寄り
ヘリコプターの中に入った。
するとヘリコプターの中には
多くの武器、弾薬がった。
神埼「やば・・・」
姫路と伊草もヘリコプターの中に入ってきた。
伊草「やばいなこれ。」
伊草はアサルトライフルを持ってみた。
伊草「めっちゃ重いなこれ。」
神埼「そりゃ本物だからな。」
伊草「できるだけ持ってこうぜ。」
神埼「いやいや逆に荷物になって邪魔になるから、弾薬をいっぱい持っていけばいいんじゃないか!?」
伊草「あぁたしかに、そうだな。」
神埼と伊草は武器を揃えはじめた。
神埼「姫路、お前も銃とか取れよ。」
姫路「うっうん・・・」
姫路はハンドガンを手に取った。
神埼「・・・」
伊草「大丈夫だ。なるべく俺らが戦うから、姫路は護身用に持っていてくれればいい。」
姫路「ありがと伊草。」
本当は神埼も伊草と同じことを言おうと思ったが
言うことができなかった・・・
そして
神埼と伊草はハンドガンとアサルトライフルと弾薬を持ち、
姫路はハンドガンだけを持った。
伊草「てかワクチンはどこにあるんだ!?」
神埼「この中にあるんじゃないのか!?」
神埼は伊草の足下にある箱を指差した。
伊草「おぉ!」
伊草はしゃがみこみ箱を開けた。
すると箱の中には青色の液体が入った
注射針が10本ほど入っていた。
伊草「これがワクチンか・・・」
伊草はワクチンを1本手に取ってみる。
神埼「たぶんこのワクチンは深く噛まれたら効果がないんだ。だから噛まれたら終わりだと思った方がいい。」
伊草「ワクチンの意味ねーじゃん。」
んっ!?
さっき牧が「使い物にならないワクチン」
って言っていたが
まさか牧は誰かを助けようとしたけど・・・
まぁとりあえずワクチンはあてにしない方がいいってこどだな。
姫路「どうかしたの伊草!?まさか噛まれたの!?」
伊草「噛まれてないから!怖いこと言うなよ。」
姫路「本気で心配しちゃったよ。」
伊草「おぉ・・・てかこのワクチンはどうする!?」
姫路「どうするって!?」
姫路は首をかしげる。
伊草「持っていくか持って行かないかだよ。効果はあまり期待できないんだろ!?」
神埼「・・・」
姫路「でも一応持って行った方がいいんじゃないの!?」
神埼「たしかに。無いよりはあったほうがいいが・・・荷物になってもあれだしな・・・」
伊草「よし!じゃぁ姫路がワクチン係で!」
姫路「んっ!?」
伊草「俺と神埼は荷物いっぱいだから姫路はワクチン持ってくれよ。」
姫路「あぁ全然大丈夫だよ。持てるだけもつね。」
姫路はスカートのポケットにワクチンを入れだした。
神埼「スカートにポケットなんてあったんだな。」
姫路「えっ?駆知らなかったの!?」
神埼「うん。」
姫路「ドンマイ。」
神埼「ドンマイってなんだよ!」
そして・・・
姫路「6本しか入らないよー。」
伊草「十分だろ。気休めに持っていくだけなんだから。」
姫路「そうだね。それよりこれからどうするの?」
伊草「とりあえず学校の外に出て姫路の両親の安否を確認しに行こう。そのあとはこれから考えよう。」
姫路「ありがと伊草。」
神埼「いちおうもう一回電話してみたらどうだ?家に。」
姫路「あっそうだね。」
姫路は制服のポケットから携帯を取りだした。
伊草「これでつながればいいんだけどな。」
神埼「だな。」
プルルル
プルルル
ピーピー
姫路は首を左右に振り
姫路「駄目みたい・・・」
と言いうつむいた。
伊草「そうか・・・きっと大丈夫さ。今俺らがやるべきことはここを出ることだ。人間のままで。」
姫路「うん・・・そうだね。心配してても仕方ないよね!」
伊草「おう!」
神埼「じゃぁそろそろ行くか!?」
姫路「うん!行こ!ちゃんと護ってよね駆!」
神埼「どぉだろうな・・・」
姫路「なにそれー」
伊草「大丈夫さ姫路。神埼はやるときはやるやつだから。たぶん。」
神埼「たぶんって・・・」
姫路「うんそうだね!じゃぁ行こ!」
神埼「なんでテンションたけーんだよ!?」
姫路「えっなんでだろ!?」
神埼「なんだそれ!?」
神埼は微笑した。
伊草「・・・」
姫路・・・
お前無理して・・・
伊草は姫路が無理して笑顔を作っていることに気づいていた。
姫路「・・・」
神埼達は屋上を後にした。
15:00
キャラクター
牧 飛鳥
15歳
2月7日
AB型
179cm
66Kg
体力B
射撃B
接近A
知力B
速さB
正義感D
協調性D
坂のが丘高校の1年生。
理由は不明だが屋上に来た自衛隊を皆殺しにした人物。
神埼達に敬語で話していたから
神埼達のことを知っていたのか!?
今後会うことはあるのか?
ステータスはほとんど平均以上。
人間関係が苦手なため協調性はない。