第2話―彼と彼女の事情1
久々の投稿となります・・・。
呼び出した大門くんのお話1。まだ続きます・・・。
「ねぇ、ずっと一緒にいてくれる?」
「もちろん!僕が、祥子ちゃんのこと、ずっと守るからね!」
「そしたら、約束!ゆーびきーりげーんまーん…」
「「ゆーびきった!…あははっ!」」
そう、それは幼い約束にすぎないけど、僕は、君を守るよ。
******
(うさぎ視点)
大門くんと約束していた放課後になった。報道部部室は、部室棟の目立たないところにあった。
「いい?うさぎは、大門とかいう男の注意をひきつけておくのよ?その間に、その男に天術をかけるから。」
「うん。わかった!」
「よし!それじゃ、あたしは隠れておくから。上手くやるのよ。」
そこへ、大門くんがやって来た。
「さぁ、約束通り来たわよ。」
「へぇ。早かったですね。でも、もう一人の転校生がいないようだけど?」
「ちょ、ちょーっとトイレ行ってるのよ。でも遅れてくるから。」
「ふーん。まぁいいか。君にだけでも、面白い話が聞けるだろうし。」
「その前に、今朝の写真、あの写真のデータを全て消してほしいの。その条件を飲んでくれるなら、なんでも話すわ。(レナ、まだ術かかんないのかな?)」
一方、レナは、大門から見えない位置で術をかけようとしていたが、
(天術が効かない!?そんなバカな。まさか、この男も…)
「それは、話を聞かせてもらってからだね。」
「(どうすりゃいいのよ!レナー!)」
その時、死角となっていた場所から、レナが現れる。
「レナ!!」
「うさぎ。この子も適合者だわ・・・。」
「えっ!てことは、仲間になるってこと!?」
「この子が納得してくれるならね。でも、うさぎみたいに単純じゃなさそうだし。」
「単純って!」
「こほん。二人で何を相談しているのかな。」
「あっ!ごめんね、大門くん。でも、私達に協力して欲しいの!」
「協力?」
「アンタは、天術の効かない、騎士になれる能力を持ってるのよ。」
それから、レナは大門に、うさぎに話したように、この前の出来事を含めて話した。
「つまり、正義のヒーローよろしく、僕にもその悪魔退治とやらを手伝ってほしいと?」
「正確には、悪魔の石の回収だよ、大門くん。」
「・・・どっちでもいいですよ。」
「それで、協力してもらえる?」
「お断りします。」
「な、なんで!?」
「面倒だからにきまってるでしょう。僕はね、スクープやらオカルト話を追うのは大好きですよ。でもね、僕自身がスクープの種になるようなことは大嫌いなんです。特に、僕に関係ない話でね。」
「でも、悪魔の力のせいで、困っている人が大勢出てくるんだよ?」
「それでも、関係ないですから。わざわざ身の危険をさらす気にはなりません。それに、正義のヒーローなんて僕の柄じゃないからね。」
「本人が、そういうならしかたがないわね。」
「レナ・・・!」
「心配しなくても、写真のデータは消しておいてあげますよ。考えてみたらこんな写真、合成だと疑われるようなものだし。そんなファンタジックな話、信じる人もいないでしょうからね。口外もしませんよ。さぁ、話も済んだし、もう出て行ってください。一応、話聞かせてもらって、ありがとうございました。」
そういって、大門は、うさぎたちを部室から追い出した。
「レナ・・・。良かったの?」
「ふぅ。しょうがないわ。本人にやる気がないようじゃ。」
******
(大門視点)
―――パタンッ。
全く、スクープだと思ったけど、とんだ無駄足だった。悪魔に天使?正義のヒーロー?馬鹿馬鹿しい。あの二人の正体は暴けても、それに協力しろだなんて。
「ヒーローなんて、僕はなれっこないのに。」
好きな女の子一人すら、守れないのだから。
―――ピリリリッ
「はい、もしもし?あぁ、祥子様。え?生徒会室?今からですか?…すぐ行きます。」
僕は、彼女に従うことしか出来ないのだから。
投稿、遅くてすみません!読んでくださる方、お待たせ致しました・・・。
次は、大門くんと宝華院さんの幼馴染話がメイン?かもしれません。




