表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

第1話ー金髪の転校生3

これにて、一応レナとの出会い編は終了です。

化け物と出会った翌日。京介は、珍しく部活の朝練とやらに行ったらしく、うさぎは一人登校した。自分の下駄箱を見ると、一通の封筒が入っていた。中には、昨日の黒い魔物と自分達が写っている写真と、一切れのメモ。


(昨日の見られてたんだ!バラされたくなければ、放課後に報道部部室って・・・。というか、うちの学校に報道部なんてあったっけ?)


「とりあえず、レナに相談しなきゃ・・・!」


そうつぶやきながら、うさぎは教室に向かうまで、昨日のレナの話を思いだしていた。


******


うさぎとレナは、人気のない校舎の裏にあるベンチまで移動してきた。


「まず、私の正体から正直にいうわね。・・・私は、天界から、悪魔対策のために送られてきた天使なの。」


「て、天使ぃ?!そんな非現実な・・・。」


「でも、うさぎも見たでしょう?あの魔物たちは、上級悪魔たちによって創りだされたやつらなのよ。」


「・・・確かに、あの光景を見たら、信じなきゃいけないとは思うけど。でも、天使と悪魔なんて、ファンタジーじゃあベタな対立してるんだね。」


「ベタ・・・?まぁ、先代の魔王が魔界を治めていたときは、人間界に魔物が入り込むなんてことはなかったから、天界と魔界が対立することはなかったんだけど・・・。代が変わってから、状況が変わったの。・・・おそらく、今の魔王はなんらかの目的を持って、人間界に干渉しようとしてるのよ。負の意志を持ってね・・・。」


「へぇ・・・。なんだか複雑そうだね。・・・そしたら、レナ達は、その魔物の退治が仕事なの?」


「退治するのは、主に騎士の仕事よ。私たち派遣天使は、人間界で騎士に相応しい人を選んで、自分の能力を分け与えて、騎士に任命して指令を出して、悪魔の石、つまり魔物たちの核を回収させること。それからこの人間界に来ていると言われる悪魔たちを倒して、魔王の目的を探りだすことが使命なの。」


「騎士・・・?それってどうやって選び出すの?」


「私たち天使の力である天術が効かない人間を見つけ出すの。さっきの校長や、朝に使った記憶操作も天術の一つなのよ。だから、」


「てことは、私って・・・!」


「そう、うさぎは、私の天術が効かなかった人間!・・・私の第一号の騎士よ!!」


「待ってよ!これって拒否権は・・・?」


「うさぎは、人間界がどうなってもいいの・・・!?(うるうる目)」


「(そんな庇護欲を刺激する顔されたら・・・!!それに)確かに、悪魔?とやらに人の世界をいいようにされるのは、嫌だけど・・・。」


「それなら決まりよ!一緒に人間界を守るのよ!」


「(なんだかいいように丸めこまれたような気もするけど。)でも、能力を分け与えるって、一体どうするの?」


「分け与えると言っても、魔物を退治するための能力を込めたアイテムを私がうさぎに授けるだけよ。あとは、うさぎの働き次第で、アイテムが強くなっていくけど。」


「それって、さっきの剣みたいな?」


「そう。でも、このアイテムは、使用者の意志によって色々と形状が変わるの。普段はペンダントのようになってるのよ。」


そういって、レナはうさぎに、輝きのない宝石のようなものが付いたペンダントを渡した。


「それじゃあ、うさぎ。今から任命式を簡単にするわ。私に向かって膝をついて。一応、私が騎士としてのうさぎの主人(マスター)だから。」


「なんか、本格的なんだね。・・・でも、レナに仕えるって、変な気分・・・。」


「形式的なものよ。・・・私は、騎士は仲間だと思ってるから。さぁ、じゃあ始めるわよ。」


「うん。」


そういって、うさぎはレナに膝をついて頭を下げる。


「純天使レナの名において、この者に力を授ける。天界の騎士として、誇り高くあれ。」


そう言って、レナはうさぎの頭と、うさぎの持つペンダントに触れた。すると、ペンダントは一瞬眩い光を放ったかと思うと、直後宝石には、不思議な光が宿った。


「これで、このペンダントはあなたのものよ、うさぎ。」


「不思議な色だね・・・。それに、天界の騎士って・・・。なんか恥ずかしいなぁ。」


「まだまだ、うさぎは半人前になるけどね。この人間界には、何人もの天使が降りてきてるし、それぞれもう騎士を任命して、実際に経験を積んでる騎士たちも多いから。」


「なんだか、本当に、アニメで見た美少女戦士みたい・・。って、そういえば、変身したりしないの!?私は記憶操作なんて出来ないから、正体が簡単にばれちゃうよ!」


「そういえば、そうね。正体がばれると何かと大変そうだし・・・。よし!そしたら、騎士に相応しい変身が出来るように、ペンダントに能力を上書きするわ。うさぎの希望は?」


「それって、コスチュームだけ?」


「そんなわけないじゃない、顔がばれないようにするんだから。体型も顔も変わって別人になってもらうわ。」


「そっそしたら、顔は美形で!スタイルもよくて!それから、かっこいい衣装にして!!(クールな女主人公、みたいな!キャー!!)」


「(最後のほうは、よく聞こえなかったな・・・。)わかったわ。美形でかっこいいのね。・・・ペンダントを貸して。」


「(・・・はっ!妄想の世界に行っちゃってた。)う、うん!どうぞ!」


すると、レナはペンダントに力を込める。


「はい。私が想像する姿を変身力として入れておいたから。戦う前には、『チェンジ!』ってペンダントを握って唱えるのよ。」


「わかった。」


「・・・これから、よろしく頼むわよ、うさぎ。」


「・・・うん。私、頑張るから!魔物なんて、けちょんけちょんにしてやるわよ!」


「ふふふっ!その意気よ、うさぎ!!」


******


うさぎが、昨日の出来事を思い出しているうちに、教室の前まで着いた。教室の扉を開けようとするとき、背後から声がかかる。


「放課後の約束は、忘れないでくださいね。・・・クラブ棟の端ですから。」


と同時に、その声の主は素早く、うさぎ達の教室へと入っていった。


(あの後ろ姿は・・・)


それは、元京介のファンクラブ会長である、宝華院 祥子(ほうかいん しょうこ)の幼馴染で、彼女の半ストーカーなどと噂される、大門 上総(だいもん かずさ)だった。


その後、登校してきたレナに事情を話すと、


「とりあえず、放課後に私達二人で会って、記憶を天術で操作しましょう。」


そうして、放課後を迎える。






次回からは、根暗な報道部部長、大門くんが絡んできます。

変身シーンが書きたくてウズウズしてるんですが、少しだけ先になる予定です。

天術の説明が曖昧ですみません。天術=魔法みたいな感じで書いてます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ