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第1話―金髪の転校生1

第1話前半です。

空から降ってきた金髪グラマラスな美少女との同居!?って、なんか恋でも始まりそうな話だけど、私、女ですから!!


******

 プロローグの時から遡ること数ヶ月。主人公・うさぎは、その日も朝から平和に登校しようとしていた。


「うさぎ、おはよう!今日も変態ロリコン野郎共から守ってやるからな!安心しろよ!!」


 そう言って、うさぎの家の隣の家から突進してきた熱血少年の名前は、雪野京平(ゆきのきょうへい)。うさぎと同じ高校でさらにはクラスまで同じという腐れ縁ぶりを発揮している、所謂うさぎの幼なじみである。


「おはよう京平。もう朝からそんな大声出さないでよ・・・。というか、平凡顔な私が変態ロリコンとかに縁なんてないって!相変わらず大袈裟なんだから。」


 そううんざりしながら言ったうさぎに対して、


「何言ってんだよ!お前は童顔なくせして巨乳なんていう、めちゃくちゃ俺好みの体型してんだぜ!他の野郎が狙わない訳がない!つーわけで、早く俺と付き合おうぜ?」


 そう言って京平は、うさぎの肩を抱こうとしたが


――バッシーン!


「なにがそういうわけなのよ変態!つーか胸触んないで!むしろ京平が私に近付かないでよ、イヤラシイ。こんの顔だけ男!」


 そういって京平をノックダウンしたあと、高校への道を歩いていく。

 

 熱血ではなく、実はちょっと変態まじりな少年は、確かに顔は一級品だった。今時流行りの髪型に、染めた明るい茶髪。もともと色素の薄く、整った顔には厭味なく似合っていた。

 京平は、学校には一時期ファンクラブもあった程だが、本人がうさぎ以外に興味なく、しかも外見に似合わず変態じみたセクハラをうさぎに繰り返していたため、いつのまにか変人扱いされるようになりファンクラブもいつのまにか解散していた。


 そんな少年は、慣れているのか、すぐに復活し、めげることなくうさぎの後を追い掛けていく。


「待てようさぎー!走ったら転ぶぞ!」


こうして追い掛けあいながら高校まで仲良く?毎朝登校するのだが、その日はイレギュラーな事態が起こったのだ。


「きゃあぁぁ!そこの走ってる女!どいてーー!!」


 突然少女の声が聞こえたためうさぎは辺りを見回したが、後ろから走ってくる京平以外、誰もいない。


 すると京平の焦った声が聞こえた。


「うさぎー!上だ!危ないっ!!」


京平の声にうさぎは顔を上方に向けると、顔一杯に金髪美少女が・・・


――ゴーンッ!!!


少女とうさぎの頭がぶつかったところで、うさぎの意識は途絶えた。


「うさぎぃー!」

******


「うーん、あれ?天国・・・?!」


「じゃなくて保健室よバカ。」


 冷めた口調で話しかけてきたのは、うさぎの友人である、城崎ユイ(きのさきゆい)だ。


「あっユイ!おはようー。ていうより、私どうやって学校に?確か変な物体と衝突して気絶しちゃった気がするんだけど・・・。」


――ガラッ


「うさぎー!もう大丈夫か!?俺がしっかり運んできてやったんだぜ!」


 保健室に入ってきたのは、京平だ。


「京平が!?」


「なんでも血相変えて保健室に飛び込んできたらしいわよ。今は留守にしてる保険医がいってた。わたしはその保険医の変わりに付き添ってたの。一応保健委員だしね。」


「ほんとびっくりしたんだからな。イキナリ道で倒れるからさ。」


「え?!違うよ!京平も見たじゃない!空から変な金髪の人が降ってきてさ、私と衝突したのを!!」


「はぁ?そんなの見てねーよ。いきなりお前が倒れちゃったんだよ。だから俺が高校までとりあえずはこんだんだから。」


「お姫様だっこだったらしいわよ。」


「ちょっと京平!はずかしいじゃない!・・・でも運んでくれたのは、ありがとう。」


「ぐはっ!ツンデレってやつか!?やっぱお前って俺のコト・・・」


「うるさいわよ変態。」


 冷静なユイのつっこみ。そんななか、うさぎは、


(絶対あれは人だった!なのに京平は覚えてないなんて・・・。どういうこと?)


「とりあえず、目が覚めたんなら教室行くわよ。今ならまだ一時間目に間に合うし。」


そうして三人が教室に戻ると、まだ担任が朝のホームルームをしているところだった。


「おお!高村は大丈夫だったか?ちょうど今から転校生の紹介をするところだ。三人とも席つけ。」


「転校生?」


不思議に思い、うさぎが教壇に目を向けると・・・


(あれ・・・?どっかで見た気が。)


そこに立っていたのは、とても顔の整った美少女だった。スタイルもモデル並で、髪の毛は金髪。まるで絵画にでてくる愛らしい天使のようだ。クラスの大半の男子は、そんな転校生に鼻の下を伸ばしている。


「今日からお前らのクラスメートになる、天河怜奈(あまかわれな)さんだ。仲良くしろよ。というわけで、天河自己紹介しろ。」


「はい。・・・紹介されました、天河怜奈です。気軽にレナって呼んでください!」


そういって、可愛らしく笑顔でお辞儀をした。その笑顔にクラスの男子はノックダウンだった。


「天河の席は、今入ってきた高村と雪野原の間だな。」


そういわれた転校生は、二人の元に歩いていく。


「うさぎ!俺は外見には騙されないから!うさぎ一筋だからな!!」


 京平は、必死にうさぎにアピールしていたが、


(やっぱり、どこかで・・・。金髪・・・金髪!?そうだ!朝のあの!)


うさぎは、必死に思いだそうとしていた。


「よろしくね。雪野原くんに・・・高村さん?」


転校生が二人に話しかける。うさぎはその声が聞こえてないようだったが、転校生に気づき、


「ねぇ、今日の朝、私達ぶつかったよね!?」


そううさぎが言うと、うさぎにしか見えない角度で、転校生の顔が変わり、どこか笑顔に寒気を感じるものになった。


「・・・違うと思うけれど?(あなたには天術が効かないのね・・・。)ねぇ、高村さん、そんなことより、あとで校内を案内してくれない?まだ全部の校舎を回ったことがないの。」


「(やっぱり人違い?)うん。いいけど・・・。」


「やった!約束ね!!」


転校生は笑顔になって、席についた。


(一人目は、あの女の子に決定ね・・・!)


一人、転校生は妖しく微笑んだ。




後半へ続く!

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