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第五章:真実の告発、シャナの正体
戦況は、ファイザール王国有利に進んでいた。
ユリシアの情報戦により、シャナの「奇跡」が人工的なものであることが各国に暴露される。
精霊の力を模倣した偽の魔法──それは、古代の禁忌の書から盗み出した技術だった。
リィーナは、神殿の前で、シャナと対決する。
精霊たちの力を借り、真の奇跡を起こした。
空から光の雨が降り注ぎ、枯れた大地が緑に覆われる。
民衆は、跪いて祈った。
「リィーナ様こそが、真の聖女です!」
シャナは、絶望に顔を歪める。
「どうして……私が選ばれない? 私が救世主なのに!」
「あなたは、人々を救うのではなく、支配したかった。それが、あなたの敗因よ」
そして、グエル王子が現れた。
「ユリシア……私は、間違っていた。母の噂だけで、あなたを疑った」
ユリシアは、冷たく答える。
「もう遅いわ。私は、もうあなたの婚約者じゃない。ユリウス・ファイザールの、未来の王妃になるの」
グエルは、深く頭を下げた。
「……祝福する。そして、謝罪する」