シャイン【SHINE】
シャイン【SHINE】
「いやぁ、あの星はとんでもないシャインだね」
「あぁ、近年稀にみるシャインだ」
それは、何気なく耳に入ってきた一言だった。喫茶店でのんびりとしている時に、店の店主と常連客らしい人物の会話が、聞こえてきたのだ。シャイン【SHINE】というのはたしか、【輝く】という意味の英語だ。星がシャインだの、稀にみるシャインだの、日本語と英語が混じった、おかしな会話をしている。
「あれほどのシャインは、到底お目にかかれない」
「なんせあの山を動かしてしまったからなぁ」
山を、動かした……?星の光が、山を移動させたというのか……?
「しかも森から林まで、星の言いなりになってるらしい」
「モンスターのようなシャインだなぁ」
自然を我が物にしているというのか……?星が……?
わたしはとうとう我慢できずに、ついこう聞いてしまった。
「すみません、そのモンスターのようなシャインのことを、詳しく聞きたいのですが」
すると常連客がこう返した。
「え、うちのシャインになにか?」
「うちのシャイン?その星は、あなたの所有物なのですか?」
「いや、うちの会社の社員だが……。星という名字の……」
おわり